naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

モルゴーア・クァルテット 第46回定期演奏会

27日(水)、モルゴーア・クァルテットの定期演奏会を聴きに行った。

この演奏会のことは知らなかったが、縁あって社内で招待券がまわってきたので、出かけた。

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浜離宮朝日ホールで演奏会を聴くのは、いつ以来だろう。

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ホールに入ると、浦安オケのMさんご一家(ご両親、娘さん揃ってチェロ)と遭遇。

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●モルゴーア・クァルテット 第46回定期演奏会

日 時 2018年6月27日(水) 18:30開場 19:00開演
会 場 浜離宮朝日ホール
演 奏 モルゴーア・クァルテット
曲 目 ウォリネン ジョスカニアーナ
     ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第3番ニ長調
     ロックバーグ 弦楽四重奏曲第3番
     [アンコール]バーンスタイン(荒井英治編)
              「ミサ曲」から「瞑想曲第1」
               ~ピアノのための「5つの記念日」から「スザンナ・カイルの為に」

チャールズ・ウォリネン。ジョージ・ロックバーグ。いずれも、作品はおろか、作曲家自体を知らなかった。

全自由席。1階7列6番に座った。

最初は、ウォリネンの「ジョスカニアーナ」。

ジョスカン・デ・プレの世俗的歌曲をもとにした作品とのこと。

デ・プレの音楽は、大学在学中にデイヴィッド・マンロウあるいはキングズ・シンガーズのレコードでちょっとだけ聴いた記憶がある。

曲が始まると、なるほど、2001年の作品らしからぬ、中世ルネサンス時代の響きだ。懐かしく、聴きやすい。

最初、弱音器をつけているのかと思ったが、そうではないようだ。

2曲目はべートーヴェンの3番。この演奏会で、唯一知っている曲だ。

1楽章を聴いていて、メロディがきれいな曲だと改めて思った。ハイドンモーツァルトの延長線上にある作品だと感じる。

しかし、Ddurの1楽章に続く2楽章がBdurになるのは、きわめて斬新なことだっただろう。

4楽章あたりになると、初期作品とは言え、もう他ならぬベートーヴェンの音楽だ。

休憩の後は、ロックバーグの3番。

曲の始まりは、きわめて鋭く激しい音がつきつけられる。楽器の音というよりも、金切り声でまくしたてる人の言葉のように聞こえる。

以後、聴いていて、初めて聴く者にもわかりやすく面白い音楽だと感じた。

3楽章は、とても長大で美しい音楽。ベートーヴェンの作品132、あるいは131のそれぞれ中間楽章を思い出した。

5楽章は、バルトーク風のテイスト。その間に、ショスタコーヴィチを思わせる諧謔的な音楽、また、マーラーのような退廃的な音楽が交錯する。

最後に、1楽章の冒頭の鋭い音が回帰して、激しく全曲が閉じられた。

アンコール前に、荒井英治さんがマイクを使って話をされた。

ロックバーグの曲は、飽食の音楽、ごった煮のような音楽。ヨーロッパでは前衛音楽が全盛だった1972年当時、アメリカでこういう異端の音楽を書いたことは、ヨーロッパからすれば、バカにされかねない行為だったとのお話。そこが、モルゴーアにふさわしい、とおっしゃっていた。

ウォリネンの曲は、簡単そうに聞こえるかもしれないが、死にそうに難しい曲だそうで、「努力しがいのない音楽」だとのこと。実は、聴いていて、この曲なら楽譜があればオケ仲間と弾いてみたい、などと思っていたのだが、そうなのか。

そして、アンコールには、今年、ウォリネンが生誕80年、ロックバーグが生誕100年ということで、同じく生誕100年のバーンスタインの作品が演奏された。

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貴重な曲が聴けた、良い演奏会だった。