naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

【ネタバレご注意】2018.8.29 小田和正日本武道館公演<3>

2曲目の「愛の中へ」。1982年のオフコース武道館の1曲目だった。

あの時と違って、Cdur(1度下)にキーが変わっている。もちろん高域の声が出ないからではなく、何か感覚的なものがあるのだろう。

オフコースとは別アレンジだが、後奏にはオフコースの時のサウンドが加味されていた。

3曲目の「こころ」で、早くもアリーナに下りた。

やっぱり武道館は、こういうパフォーマンスに無理を強いない、ちょうどいい広さだと感じる。
(ただ、全体のキャパが少ないから、なかなかチケットが当たらないんだけど)

前日に続いての武道館2日目。メンバー紹介の後のMCで、「昨日を超えるのは難しいかもしれないが」と言いつつ、「昨日を超えるようにがんばります」(拍手)。

改めて、だが、「たしかなこと」は、やはり「小田スタンダード」たる名曲だと思った。

その後のMCでは、武道館の話題に。

「この武道館では何度もやってきたが、やはり一番思い出に残るのは、あの1982年のオフコースの10日間」。

「あの10日間の、どの日でもいいけど、ここにいた、という方はどれくらいいますか?」。

すかさず手を挙げる。あの時は、例の最終日ではないが、2回来ている。

客層の世代の割には、思ったほど多くないな、という印象だった。

「あれから36年。親戚でもないのに、ありがとうございます。親戚だって法事とかでも来ない人がいたりするのに(笑)」。

「楽屋で、あれから36年か、と考えていて、あれが自分の人生のちょうど半分の時だったことに気がついた」。なるほど。
(私の場合、今、63歳で、あの時はもうすぐ27歳。半分より手前だ)

ではあの頃の歌を、と「愛の唄」。でも、この曲は、あの武道館ではやらなかったけどね。たぶん、この曲は、オフコースのライブでは聴いていないんじゃないかな。

歌い終わってのMC。

「当時は、こういう、心象風景みたいな曲ばかり書いていたが、その時のプロデューサーが(今日も来てくれてるんですが、とのこと)、もっと具体的な歌を書いたらどうか、と言ったので、思い切り具体的な曲を書いてみた」、と「秋の気配」。

この「秋の気配」は、イントロから基本的にオフコーステイストだった。

「小さな風景」は、基本的にアコースティックで静かな音づくりの中、エレキギターの重厚なからみ方がとても良い。こういうサウンドは、ありそうでない。

「愛を止めないで」は、いつも思うが、定着したLOOKING BACKもいいけど、たまには、往年のオフコースのバージョンで聴いてみたい。

今回も、ピアノはヤマハだった。

「言葉にできない」の冒頭で、弾き直しがあった。武道館だからか? というのは深読みか。

「YES-YES-YES」。スタンド席のてっぺんで、遠方に見えるオーディエンスを見ていると、あの1982.6.30のライブ映像のラスト、伝説の場内合唱の映像が重なる。あの時もこんなふうだったんだろうな。決定的に違うのは、あの時は、ライブ演奏でなかったことだが。

金原(千恵子)さんたちのカルテットは、今やこのステージになくてはならないものだが、とりわけよかったのは、「さよならは言わない」と、「やさしい夜」。これは、ほんとに絶品と言うべき演奏だった。

先日観た、「めざましテレビ」のインタビューで、引退について問われ、「「さよならは言わない」という曲を、以前書いたんだけど」と言い、引退については、そういうことだ、と語っていた。

つまり、たぶん、小田さんは、引退を決めたにしても、「これが最後のツアーです」と言ってやることはしないのだろう、と理解した。後々、「あれが最後のツアーだったんだ」と、振り返ることはあっても、かつてのオフコースの時のように、これがラストだ、とは言わないつもりなのかな、と。

そんなことを考えた後の、「さよならは言わない」、色々なことを思いながら聴いた。

本編最後のMCでは、「今日はとても楽しく」との言葉の後に、「素直に演奏できた」と言っていた。

1回目のアンコール、最初の「夏の終り」では、稲葉(政裕)さんが、Fの和音を出して音程を取った後、小田さんが歌い出そうとしたところで、ちょっと待って、という感じで止め、何か会話をした後に、改めて演奏が始まった。何だったんだろう。まったく別の曲と間違えて歌おうとしていた、ということでもないんだろうけど。

この曲、「でもあなたが私を愛したように」のところで、大きくリタルダンドして、ためた。

2回のアンコールの後、アニメーションが終わり、退場。スタンド席のてっぺんからの退場も、大変だった。

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科学技術館方向へ歩いて、竹橋へ。

東京駅八重洲口、ホテルの近くまで移動してから、恒例の八重洲仲通りへ行き、なじみの店で、妻と感想戦

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今回のライブ、聴いていて、小田さんの歌は、ちょっと荒れている部分があるかな、という気がした。

それは、5月から始まった、このツアーの中で疲れが出てきたか、ということでなく、もっと長い、年単位かもっと長いスパンで、という感じだが。

すべてを自分で歌わず、場内のコーラスにまかせる、あるいは客にマイクを向けて歌わせる、というのはいつものことだが、それと別に、これは「落ちた」な、と思う場面もいくつかあった。「hello hello」でも、そんなことがあって、場内から笑いも。

そういうことはあっても、この武道館、小田さんの動きは、とても元気だった。5月の函館では、失礼ながら「老いた」、という感じも受けたのだが。

アリーナに下り、スタンドに上がり、花道を歩き、たまに走り、元気だった。武道館の狭さもあったからかもしれないが。

あ、あと、ビジョンに映る映像を観ていて思ったが、徳高(真奈美)さんの顔って、何か、いかにもヴィオラ弾き、って感じだなあ、と思った。穏やかで優しそうで。
(金原さんは、やっぱりファースト・ヴァイオリンタイプですね)

私は、今回の武道館では、一度も立たなかった。最後列の私の席の床面と、すぐ後ろの立ち見の方の床面は同じ高さ。私が立てば、立ち見の方を邪魔することになる。

幸い、前の列の人も、左手の人はほとんどが立ったのだが、私の目の前の人は立たないままでいてくれたので、座ったままでいられた。

でも、次回、札幌では、展開によっては、やっぱり立とう。立った方が盛り上がるしね。

さて、今次ツアー、チケットを確保しているのは、10月の札幌。

できれば、ラスト(振替公演の、年明けの大阪城ホールは除く)の横浜アリーナには行きたい。何とかチケットを手に入れたいが、どうか。