naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

ちょっと残念~萩原健太著「80年代日本のポップスクロニクル」

昨28日(金)、日本橋丸善の、いつも行く音楽書のコーナーで、「80年代日本のポップスクロニクル」という本が平積みになっているのを見つけ、購入した。

萩原健太という人の著書である。1956年生まれとのことなので、同世代だ。

佐野元春ザ・ベンチャーズ沢田研二大滝詠一、RCサクセション、オフコース山下達郎松田聖子甲斐バンド、YMO、井上陽水サザンオールスターズのアルバムがとりあげられている。

オフコースの「over」について1項設けられているので、買ってみた。

帰りの電車の中で、取り急ぎパラパラと読んだ。

それぞれのアルバムにまつわる客観的解説と、萩原氏の個人的な聴体験の記述が入り交じっている。

ネット上のブログ記事を読んでいるような印象を受けた。

私自身も自分なりの濃い聴体験をしてきた80年代の日本のポップスについて、同世代の人が書いたものを読むのは、面白いことだ。

ただ、ちょっと残念なことが一つ。

「over」をめぐるページの中で、メンバーについて、「(小田和正と)鈴木康之・・・」という記述があるのだ。

もちろん、「鈴木康博」の誤りである。
(正確には、「博」の右上の「、」はないらしい)

さらに驚いたのは、「over」収録曲について、「言葉にならない」と記述している。

これももちろん、今に至る大スタンダード曲、「言葉にできない」である。

私のようなオフコースファンでなくても、このレベルの間違いはちょっと考えられない。

公に発売する本を出すにあたって、不注意であることは確かだろう。

こうなると、読む側の私としては、自分がオフコースほどに詳しくない、他のアーティストに関する記述にも、もしかすると誤りがあるのではないか、と思ってしまう。

細かい話だが、「KAMAKURA」を論じているページで、「サザン・オールスターズ」と表記しているのも誤りだ。これくらいなら、私も気がつく。「サザンオールスターズ」が正しい。

著者がうかつだったとしても、編集者がチェックできなかったものか(発行はPヴァインという会社)。

前著として、「70年代シティ・ポップ・クロニクル」という本があるとのこと。これも面白そうかなとは思うものの、買うかどうかは、ちょっと考えたい。