naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

人と比べない

日本経済新聞の「私の履歴書」、10月は前橋汀子さんだった。今日が最終回。

若き前橋さんが海外に勉強に行かれる時に、齋藤秀雄氏から、「人と比べてはいけない」と言われた、とのエピソードが印象に残った。

自分の生活を顧みると、例えば会社の仕事でのストレスの多くは、誰かと自分を比べて、自分の方が劣っている、あるいは優れているとかの意識(価値観)にとらわれている時に感ずるものだ。

これは、仕事に限らず、例えば趣味のオケ活動でも同様だ。

このことに関する答えは、わかっている。

人生のどんな場面にあっても、自分としては自分になしうる最善を尽くすしかない。それだけで良い。それ以外の道はない。

自分の力以上のことはできないのだから。出し惜しみをしたり、出し切れなかったりすることは避けたい。

そう割り切れば、人と比べる必要などはない。常に最善を尽くしている自覚さえ持てれば、それで良いはずだ。

そこに、人は介在しない。

答えは明快だ。わかっている。

しかし、人間、やはりそうはいかないものだ。少なくとも私は。

気がつけば、人と比べ、結果や評価を気にする自分が、そこにいる。

齋藤氏は、きっと、自分でもそんな悩みや葛藤を経験した末に、旅立つ前橋さんにアドバイスしたのだろう。

私も、企業人として、家庭人として、アマチュア奏者として、「最善を尽くしている自分」でいられるようでありたい。

連載終盤、前橋さんは、若い頃にはわからなかった室内楽の重要さを認識され、前橋汀子カルテットを結成した、と書かれていた。

ゆうべ、来年1月に行われる、前橋汀子カルテットの演奏会チケットを、ネット予約した。

曲目は、ベートーヴェンの8番と14番。楽しみだ。