naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

小山実稚恵ピアノ・リサイタル

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昨23日(土)、佐倉市民音楽ホールで行われた小山実稚恵ピアノ・リサイタルを聴いてきた。

佐倉市民音楽ホールに行くのは、これが初めて。加えて、小山実稚恵さんの実演に接するのも初めてである。

この演奏会に行くことにしたきっかけは、昨年10月18日(木)の、マウリツィオ・ポリーニのリサイタルである。

演奏者の都合によって、当初発表された曲目が二度にわたって変更されたが、その過程で幻となった曲に、ショパンの3番のソナタがあった。

妻は、ポリーニのこの曲を、10月7日(土)に聴いており、「鳥肌もん」だった、と言っていた。

   ポリーニ来日公演予定変更
      https://blogs.yahoo.co.jp/naokichivla/66162384.html
   マウリツィオ・ポリーニ ピアノ・リサイタル
      https://blogs.yahoo.co.jp/naokichivla/66169327.html

自分も聴きたかった、と残念に思っていたところ、佐倉で小山実稚恵さんがこの曲を弾くとの情報を得て、チケットを買い求めたのだった。

京成臼井駅で下車し、歩いて5分ほどの佐倉市民音楽ホールに向かった。

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入口には、チケット完売の表示。

プログラム冊子。

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小山実稚恵ピアノ・リサイタル

日 時 2019年2月23日(土) 13:30開場 14:00開演
会 場 佐倉市民音楽ホール
ピアノ 小山実稚恵
曲 目 シューベルト 即興曲作品90(全曲)
     J.S.バッハ=ブゾーニ シャコンヌ
     ショパン 夜想曲第20番嬰ハ短調(遺作)
     ショパン 夜想曲第21番ハ短調(遺作)
     ショパン ピアノ・ソナタ第3番ロ短調
     [アンコール] ショパン マズルカ第45番イ短調作品67-4
              ショパン 夜想曲第2番変ホ長調作品9-2
              ショパン 円舞曲第1番変ホ長調作品18「華麗なる大円舞曲」

私の席は、1階8列3番。上手側で奏者の手が見える方向で、ステージとの距離も近すぎず遠すぎずちょうどよかった。

会場内では、増設席をいくつか見かけた。

ピアノはスタインウェイ。このホールには、他にベーゼンドルファーもあるのだそうだ。
(ちなみに、浦安音楽ホールのピアノは、スタインウェイヤマハ仲道郁代さんが試奏して選んだものだそうだ)

奏者が登場し、拍手を受けてピアノの前に座ると、ステージ上の照明は、ピアノのまわりだけに落とされる。この人のスタイルなのだろうか。

シューベルトの作品90の即興曲から。

とても美しいピアノの響きが会場内にあふれる。このホールは初めてだが、ピアノの演奏会には向いているようだ。規模も音響も。サントリーホールでピアノのソロ演奏を聴くより、ずっと気持ちが良い気がする。

作品90の2番と4番は、中学生の頃だったと思うが、レッスンの課題として弾いたことがある。2番が先だっただろうか。懐かしい曲である。

基本的にとてもくっきりとしたピアノの響きだが、2番の主部、3連符が疾走するところだけ、一つ一つの音が粒立たず、水っぽいというかそんな感じだった。敢えて、ということか。

2番と3番の間は、アタッカだった。

昔弾いた4番を聴いていて、こんなに深い音楽だったのか、と思った。

次のシャコンヌは、圧倒的な演奏だった。

硬軟、誠に多彩な響きだった。時に重厚、時に繊細。

オルガンのように聞こえたり、ベートーヴェンのように聞こえたり、リストのように聞こえたり、様々に移り変わった。

感服した。その一言だ。

プログラムを見た時、バッハ→シューベルトの順がいいのではないか? と思ったのだが、そうではなかった。この順番を納得した。

思わず、休憩時に、場内販売のCDコーナーに行って、シャコンヌを探したらあったので、買い求めた。

20分の休憩後、後半はショパン

2曲のノクターンは、しっとりと深みのある演奏。

聴いていて、一緒に呼吸をさせられるような演奏だった。

ノクターン2曲の後は拍手があって、一旦袖に下がってから、メインのソナタに移るのかと思ったら、そのままソナタを弾き始めたので、ちょっと意表を突かれた。

さあ、今日のお目当てのソナタ、と心構えをする間がなく、いささか後手に回った。

それはともかく、この3番のソナタは、本当に聴き応えのある演奏だった。

すべての楽章が素晴らしかった。

ただ、4楽章のみ、私の好みからすると、もっと速いテンポで、アジタートな感じがほしかった気がした。

それにしても、やはりこの曲は名曲だ。大学3年の時に、アルゲリッチのグラモフォン盤で知って以来、長年聴いてきた曲だが、改めてそう思った。

妻が「鳥肌もん」と言った、ポリーニの実演は、これと比べてどうだったのだろう。

アンコールとして、まず、ショパンマズルカが、ひと刷毛、と言った感じで演奏された。

そして、作品9-2のノクターン

これで充分、と思ったのだが、最後に、大きな曲、1番のワルツが演奏された。基本的に超快速な中、絶妙な緩急がつけられた演奏だった。

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仕事など、いくつかの考えごとがあって、演奏会の最中も雑念に邪魔される瞬間がしばしばあったが、良いホールで良い奏者の良い演奏を聴くことができて、幸せだった。