naokichiオムニバス

69歳、公務員、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

1月場所2日目

正面実況の吉田アナが、解説の佐渡ケ嶽親方の現役名を呼ぶ際に、「琴ノ若」と再三呼び捨てにしていたのが気になった。現役ではないからというのも考え方だが、やはり「関」をつけるべきではないか。

それから、佐渡ケ嶽親方も向正面の尾上親方も声が小さい。もっと元気よくしゃべってほしい。

白露山嘉風と突き合いになったが、すぐはたいた。
白露山、昨日今日と引き技で墓穴。

玉春日豊桜は攻防のある突き押し相撲となった。
一度は赤房下に攻め込まれた玉春日が逆襲の白星。
これで対戦成績は玉春日の6戦全勝。平幕同士としては珍しい。

更に珍しいのが、岩木山垣添。過去岩木山の12戦全勝。
今日は垣添がよく押し込んだが、黒房下、岩木山のはたきに惜しくも落ちた。
行司の動きがまずく、両力士に押し出される形になってしまった。
行司は勝負が決まったところでは後ろを向いていたので、正確に裁ける訳がなく、攻め込んだ垣添に軍配。
当然の物言いで差し違えとなった。

鶴竜は立ち合いすばやくいい左前まわしをとったが、春日王はこれを嫌ってふりほどき、以後は離れた相撲に徹した。最後は小手に振っての押し出し。

似た体型だが相撲のタイプはまったく違う豪風普天王は、豪風が低く当たって一方的に押した。
普天王としては無策な相撲。

高見盛朝赤龍は、攻防のあるいい相撲。
朝赤龍は、高見盛に有利に組まれるのを嫌ったか、離れてかきまわす作戦。
高見盛も足腰が崩れなかっただけでなく、よく応戦して自分も攻めた。
攻防の中で左四つに組んだ。朝赤龍としては頭もつけていい形にはなったが、そこから先が高見盛の異能ぶり。
右上手は深かったが、相手が寄ってくるところ、左からすくって体を入れ替えた。
差し手からすくう力がこの人は本当に強い。

栃乃洋は、立ち合いうまく引っ張り込んで左四つに組んだと思ったが、今日はむしろ黒海の方から左四つにいった感じがある。
黒海は右上手をがっちりとって、すぐ出し投げ。栃乃洋はあっさり土俵を割った。栃乃洋としては、予想外の相撲だったか。

安馬は、昨日の国技館に亡くなった父親を招待する予定があったのだという。
まったく心中察するに余りあるが、その安馬、今日もぶれるところのない相撲だった。
立ち合い左からのどわで突き起こして攻め込み、左四つ。
懐の深い旭天鵬だけに、右から小手に振ってきたが、腰を寄せて休まず前に出た。
安馬の気迫勝ち。

楽しみな豊真将把瑠都は期待通りの熱戦。
豊真将は立ち合い低く当たったものの、張って攻め込んだのは把瑠都の方。
向正面に詰まった豊真将はしぶとく残して攻め返し、ここで右四つがっぷり。
抱き込んでしまえば、上背にまさる把瑠都に分がある。以後も動きのある攻防だったが、最後は正面に寄り切り。
豊真将としては、守りには強みがあるが、やはり攻めの相撲にまだまだ不足がある。今日の一番、勝敗を分けたのは「攻める力」の差だ。
豊真将が更に上を目指すなら、どうしても克服しなければならない課題だ。

琴光喜は、今日もほめられない相撲。立ち合い右に動いて安美錦の当たりをかわした。
最初の仕切りでなかなか合わなかったことで、こういう立ち合いになったかもしれない。
その後もはたく場面があったが、安美錦もそこを突いて攻めることができなかった。
琴光喜は思い直したか右を入れ、前に出た。後半の攻めはよかった。

昨日大ブーイングの琴欧洲。1年最初の一番にどうしても勝ちたかったとの談話があったそうだ。
先場所、稀勢の里にけたぐりにいった朝青龍が、「勝てばいい」と話したと聞く。
このあたりは、やはりスポーツとして相撲をとらえた発言に思える。外国人力士らしい割り切りというべきなのか。

さてその琴欧洲時天空と突き合いになった。琴欧洲としても、立ち合いからの突きは悪い戦法ではなく、どこかでつかまえられればよかったが、時天空も上背では負けないし、突きもある。反り返って残す力もある。
結局突き合ったままの相撲で、最後は時天空が右からののどわと左から足をとっての合わせ技で、琴欧洲を仰向けにした。
琴欧洲は、昨日のことを思えば決して悪い相撲ではない。足のサポーターもとれたし、場所前にはよく四股を踏んだという。何とか明日以降本来の相撲を取り戻してもらいたいものだ。

昨日はまずまずの相撲だったカド番の白鵬に土。
立ち合い左前まわしをねらいにいったがとれず、小手に振ろうとしたが相手の出島を呼び込む形になり、出島の出足にあっさり土俵を割った。
白鵬は右も差すことができなかった。これではいくら何でも相撲にならない。
出島ならまあ安心できるかと思っていたが、その出島相手に自分のパターンを作れなかったことは、非常に気になる。

千代大海は昨日今日といい突きが出ない。雅山との対戦は、やはり体重と突きの重さにまさる雅山の方に基本的に分がある。
今日の一番、千代大海は立ち合いから突き放すことができなかった。一方の雅山は右からいなしてペースをつかみ、最後ははたいて決めた。

ここまで3人の大関が相次いで敗れる中、魁皇は過去1勝3敗、このところ3連敗中の稀勢の里との対戦。
立ち合い攻め込んだのは稀勢の里だったが、相四つだけに魁皇としてもあわてるところはなかったようだ。右からしぼりながら上手をとって左四つ。
しかし、稀勢の里はここから魁皇の上手を切った。このあたり、両者の力の接近を感じさせたが、稀勢の里としてもここまでが精一杯だったか。互いに上手のとれない形から、できることなら右からおっつけて、頭をつけるような格好になりたかったところだが、さすがにそこまではできなかった。
最後は魁皇が右からしぼってもろ差し。東に寄って出て決めた。
まずまず見ごたえのある相撲だった。

昨日前途に不安を感じさせた栃東露鵬に敗れて連敗。
立ち合い低く当たり、左からおっつけて攻めたが、今日も右が差せず左四つの形になってしまった。
露鵬は自分充分でない左四つながら、両まわしを充分とり、引きつけて出ると、栃東はやはり左足の踏ん張りがきかないようで、そのまままっすぐ下がった。
勝ち越しはもちろん、千秋楽まで土俵を勤めることができるかどうか。

琴奨菊は、朝青龍の左腰にくいついてがぶれれば勝機もあるかと見ていたが、立ち合いうまく攻めて二本差しに成功、一瞬がぶる場面を作った。
しかし、朝青龍は右上手をがっちりとって強く引きつけたため、琴奨菊としては左の差し手を抜かざるを得なくなった。
そこから右四つの展開。右四つでもとれる横綱に、不充分な琴奨菊では、勝敗は決した。
以後は両まわしを引きつけて向正面に寄って決めた。
不利な体勢を許してもそこから立て直して自分に有利な形にもっていくところはさすがと言う他ない。
場所前に右肩を傷めたとも聞くが、場所序盤の相撲内容としては、ここ数場所の中ではいい方に属すると思う。