naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

1月場所初日

正面解説の北の富士さんが、入門のために上京したのが、50年前、昭和32年1月7日のことなのだそうだ。
我々世代の相撲ファンには有名な、プラットホーム小豆ばらまき事件の日である。
正面実況の藤井アナは、その日が誕生日だと言っていた。
へぇ~。

幕内前半戦、1年の初めの場所の初日にもかかわらず、淡泊な内容の相撲が目立った。
逆転の相撲は少なくなかったが、概して攻防のあるものではなかった。

よかったのは、玉春日と、十文字くらいか。

普天王は、春日王と、立ち合い前さばきの応酬から充分の左を差し、右も入れたものの、春日王が右の内掛けから河津掛け気味の体勢で粘った。
普天王はこの右足をはずして出ようとしたが、右足が流れ、春日王の右小手投げに落ちた。
普天王としては、左を差していただけにちょっとがっかりさせられた一番。

栃乃洋が、朝赤龍に、左を差して珍しく一気の出足。

黒海は、立ち合い目のさめるような素晴らしい当たりから、のどわで高見盛を押し込んだが、高見盛はこれをしぶとく残し、黒海のはたきに乗じて右から渡し込みながらもたれこんだ。
黒海のはたきが悪かったが、高見盛の足腰のよさが勝ちにつながった。

場所前に父親が事故死した安馬が、気丈に本来の相撲。立ち合い豊真将を突き起こして攻め込んだ。
豊真将も防戦一方ではなく、それなりに反撃はしたが、常に主導権をとって動いたのは安馬
最後は二本差しから安馬が寄った。
安馬の心境は察するに余りあるが、何とか頑張ってもらいたい。

把瑠都は、立ち合い左からすくい気味に出て、雅山の突き放しを許さず、雅山がはたきにきたところを、左前まわしをとると右からおっつけて前に出た。
今日の把瑠都は、前に出ることに徹したのが勝因。こういう相撲が続くようなら、大いに期待できる。一方の雅山は、大きな把瑠都に前に出てこられたことで、はたくしか策がなかった。今日は完敗。

場所前の稽古では好調だったという琴光喜に土。立ち合いいい当たりからかちあげて、突き起こしにいった。そこまではよかったが、どこかで自分充分に組みにいくべきだっただろう。今日の琴光喜は、あくまで離れてとろうとしていたようだが、旭天鵬のはたきに落ちた。旭天鵬の懐の深さにやられた。

カド番の白鵬が白星発進。
立ち合いからしばらくは安美錦がうまくとった。立ち合い白鵬は右を差しにいったが、安美錦はこれを許さず、白鵬に上手もとらせなかった。
安美錦は先に右差し左上手、いい形を先に作った。これでは白鵬も危ないかと思ったが、さすがにそこはセンスのいい白鵬だけに、体勢を作り直して左上手。
ここからの強引な投げは打ち返しがこわいところだったが、白鵬も思い直して正面に寄って、安美錦に振られながらも寄り倒した。
安定感には欠ける相撲だったが、まずはやれやれというところだ。

千代大海は、立ち合いの突きがうわすべりして、本来の突き相撲にならず。
押し込んではいったが、懐の深い時天空がこれをしのぐ。
千代大海としては、とりにくい展開になったが、はたくことなくともかく前に出たのがよく、何とか攻めきった。
危ない内容だった。

魁皇は、立ち合い左を差し、出島の出足を止めた。
密着すればまずは安心というところだ。後は右から上手をさぐりながら、出島が右からまきかえにくるところ前に出て決めた。
今日のところは問題なし。

左膝の手術をしながら出場に踏み切った栃東に土。
力をつけている琴奨菊は難敵だったが、やはり厳しい内容の相撲となった。
立ち合い低く入ったものの、自分の形を作れず、相手充分の左四つ。
琴奨菊が先に右上手を充分にとり、栃東は不充分の四つで、しかも左差し手一本。
琴奨菊のがぶりにあっさり下がった。やはり左足が使えない。
前途多難。

楽しみな琴欧洲稀勢の里は、琴欧洲が立ち合いの変化。
稀勢の里が頭を下げすぎたところもあるが、勝負に向かう琴欧洲の心構えそのものが、まったくがっかりだ。
言うべき言葉がない。
こういう相撲をとりまぜながら勝ち込んで、仮に優勝争いに加わっていっても、まったく評価できない。
個人的にも琴欧洲には期待したいだけに、残念という他ない。

露鵬は、立ち合いいい当たり。思い切って左から突き放しにいったが、朝青龍は動ぜずに左四つに組み止め、露鵬に右上手を与えない充分な体勢。露鵬が強引に出るところ、右からの上手投げで決めた。
露鵬としては思い切った相撲だったが、左から突き起こしにいったことで、左を差さざるを得ない展開になってしまった。右四つになれれば展開も違っただろうが。