23日(日)の本番で演奏する曲について、個人的な思い出や、本番に向けての気持ちなどを。
今回の曲目、一つの演奏会のプログラムとしては、文句のつけようがないくらい、よくできた組み合わせだと思う。
お客さんにとっては、中プロが同じシューベルトのシンフォニーで「未完成」なら、なお結構なのかもしれないが、それが5番であるところが、私に言わせればミソなのである。
J.シュトラウスⅡ 喜歌劇「こうもり」序曲
1970年、中学3年の時、木更津市民会館のこけらおとしとして、森正=N響の演奏会があった(木更津音楽協会主催。ちなみに、N響が千葉県内で公演を行うのはこれが初めてで、千葉市の音楽関係者が、「木更津に先を越された」と悔しがったとかいう話を聞いたことがある)。
6年後の76年7月、大学オケのサマー・コンサートで、演奏する機会があった。
これで、曲になじんだのだったと思う。
これで、曲になじんだのだったと思う。
そして、カルロス・クライバーの全曲盤が発売されたのが、その少し後。
「レコ芸」の高崎保男氏の月評でも絶賛されたし、今に至るまで、「こうもり」と言えば、クライバーにとどめをさす、との評価にゆるぎはない。
「レコ芸」の高崎保男氏の月評でも絶賛されたし、今に至るまで、「こうもり」と言えば、クライバーにとどめをさす、との評価にゆるぎはない。
クライバーは私にとって、学生時代からのアイドルだったので、その全曲盤はもとより、その後LDで発売された全曲映像、それから、序曲をとりあげた、89年のニュー・イヤー・コンサートのCDやLDも買った。
アンコールで、クライバーが客席に向かって、「コーモリ!」と叫ぶやいなや始まった、「こうもり」序曲、さらに、ほとんど間を置かずに演奏された「雷鳴と電光」。
あの時ほどに、ワクワクと心が躍るような興奮をおぼえたクラシックの実演は、他にない。
あの時ほどに、ワクワクと心が躍るような興奮をおぼえたクラシックの実演は、他にない。
そして、今回、自分の所属オケで。
難しい曲だ。とても難しい。
しかし、同時にまた、挑戦しよう、という気持ちにさせてくれる曲でもある。
しかし、同時にまた、挑戦しよう、という気持ちにさせてくれる曲でもある。
たぶん、オケの多くのメンバーが同じ気持ちではないかと思う。
本番では、お客さまも自分たちも楽しめる演奏ができれば、と思う。
再三再四書いてきたが、シューベルトの5番は、学生時代から大好きだった曲だ。
発端は、大学オケの仲間とこの曲を合わせたことだった、と思う。
それがいつ頃だったのか、もう記憶も薄れているので、以下の記述は間違っている部分があるかもしれない。
それがいつ頃だったのか、もう記憶も薄れているので、以下の記述は間違っている部分があるかもしれない。
場所は、今はもうない、国立(くにたち)東キャンパスのボロ部室。部室の中ではなく、部室入口手前の廊下じゃなかったかな。
公式のオケ練のためではなく、その時は、いつものように、ヒマなオケ仲間が、部室にたむろしていたのだったと思う。
で、違ってたらすみません、確か、1年先輩のフルートのKさんだった。「これやろうぜ」と、ポケットスコアを持ってきて、譜面台に置いた。
で、違ってたらすみません、確か、1年先輩のフルートのKさんだった。「これやろうぜ」と、ポケットスコアを持ってきて、譜面台に置いた。
居合わせた者が、そのスコアをのぞきこみながら、1楽章から合わせたのだった。
もちろん、全部のパートはいなかったと思う。フルートと弦楽四重奏くらいの編成だったかな。
ヴァイオリンに、同期のMがいた。そして、ヴィオラは私が弾いた。
譜めくりをする者もなく、みんなで譜面台のスコアを見ながら弾いているので、見開きのページの終わりまで弾くと、そこで演奏がブツっと切れる。
それが可笑しくて、そのたびにみんなで大笑いしたのだけは、鮮明におぼえている。
それが可笑しくて、そのたびにみんなで大笑いしたのだけは、鮮明におぼえている。
その合わせがきっかけで、私はこの愛すべきシンフォニーを好きになったのだと思う。
オケで一度弾いてみたい、と思いつつ、これまでその機会はなかった。
ところが今回、中プロの検討をする中で、どうしたはずみか、モーツァルトの31番、40番と、このシューベルトが最終候補に残り、しかも、多数決の結果、圧勝してしまったのだった。
編成では31番、知名度や集客力では40番が優位だったはずだが、まったく意外だった。
編成では31番、知名度や集客力では40番が優位だったはずだが、まったく意外だった。
以前から、シューベルトを推していた仲間である、フルートのMさんと、ハイタッチしたものだ。
長年偏愛してきた、シューベルトの5番が弾ける!
当然に、わくわくと楽しみにしながら練習に入ったのだが、これもここまで何度も書いてきたように、個人的には苦戦してきた。
モーツァルトの好きな曲、たとえば「ポストホルン」とかの経験だと、練習の最初から、楽しい、楽しい、と弾くことができたのだが、このシューベルトについては、どうしたことか、楽しめない。
こういう晴朗な音楽でありながら(だからこそ、と言うべきか)、何か、音を出すのがこわいというか、自信が持てないのだ。
こういう晴朗な音楽でありながら(だからこそ、と言うべきか)、何か、音を出すのがこわいというか、自信が持てないのだ。
しかし、ここ2週間の合奏で、やっと、自分なりには手ごたえを感じてきた。
「本番に間に合ってよかった!」という気持ちだ。
「本番に間に合ってよかった!」という気持ちだ。
たぶん、この曲を演奏できる機会は、生涯最初で最後だろう。本番では、悔いなく弾けるといいのだが。
(しかし、昔からの経験では、思い入れの深い曲の本番って、たいていうまく弾けないことが多いのだ。大丈夫かな・・・)
(しかし、昔からの経験では、思い入れの深い曲の本番って、たいていうまく弾けないことが多いのだ。大丈夫かな・・・)
ブラームスのシンフォニーの中で、最も早くレコードを買ったのが1番だった。
高校3年の時。ロンドンからカラヤンの来日記念盤として、廉価盤で出た、ウィーン・フィルとの演奏だった。
他の3曲を買ったのは、大学入学後だ。
高校3年の時。ロンドンからカラヤンの来日記念盤として、廉価盤で出た、ウィーン・フィルとの演奏だった。
他の3曲を買ったのは、大学入学後だ。
ブラ1を弾いたのは、それが最初。
この演奏会に向けては、自分としてはそれまでになく一所懸命個人練習もしたし、達成感があった。
本当に貴重な経験をさせてもらった。忘れられない幸せな時間だった。
本当に貴重な経験をさせてもらった。忘れられない幸せな時間だった。
それ以来、6年ぶりとなるブラ1だが、やはり、ヴィオラ弾きにとっては、本当に弾き甲斐のある曲だと思う。
密度が濃い。ぎっしりと中身が詰まった音楽、という感じがする。
終楽章の主部、ヴァイオリンのメロディの下につけて弾いていると、ヴィオラ弾きでよかった! という最高の快感がある。
これも挑戦し甲斐のある曲という他はなく、半年間、みんなでがんばってきた。
いいところまでこられた、と思う。
いいところまでこられた、と思う。
他の2曲も含めて、今の浦安オケの力を出し切れるといいな。
4曲のシンフォニーの中では、最も難しいと言われる3番。
今回の1番の経験をステップにしての新たな挑戦になる。
今回の1番の経験をステップにしての新たな挑戦になる。
「ウィーン」をテーマとした今回の演奏会のアンコールも、同じ路線の曲となった。
候補曲を持ち寄った選曲会議に、私が提出した数曲の中の1曲が、最後まで残った。
ただ、私自身の中では、イチ押しの曲ではなかったのだが(笑)。
候補曲を持ち寄った選曲会議に、私が提出した数曲の中の1曲が、最後まで残った。
ただ、私自身の中では、イチ押しの曲ではなかったのだが(笑)。
練習回数は少ないが、うまくまとまりつつあるので、本番で、どこまで「遊べる」か、楽しみだ。
指揮のY先生が、何かしかけてくれるかもしれない。みんなでついていけるか?
指揮のY先生が、何かしかけてくれるかもしれない。みんなでついていけるか?