家のテレビででなく、旅先や出張先のテレビで観たものの方が、記憶に強く残り続けることがある。
昨年の9月16日(水)、鳩山内閣の発足は、私にとってそういう出来事だった。
その日、私は、栃木の塩谷(しおや)町自然休養村センターというところにいた。
翌日、そこで、年中行事の安全大会が行われる予定になっており、その前泊だった。
当日の宿泊客は、私一人だけ。
相撲を観た後、食堂に呼ばれて夕食を済ませると、後は何もすることがなく、ふとんに寝ころがって、テレビを観るだけだった。
テレビでは、鳩山内閣の発足のニュースを延々と流していた。
「なにぶん、政権を担当するのは初めてなので、最初から何から何まで国民の皆さまの期待に応えられないかもしれないが、そのへんはご容赦いただきたい」というようなことを言っていた。
それでなくとも山の中だし、加えて他に泊まり客もいない。ひっそりと静まりかえった宿泊施設の一室で、横になりながら眺めていた、新内閣発足のニュースは、忘れられないものがある。
あれからわずか8ヶ月あまりで、こういうふうになるとは、まったく予想できなかったなあ・・・。
(政治に関する記事はあまり書かないようにしているが、鳩山氏について感じたことを、ついでに一つだけ)
ここ最近の鳩山氏の発言を聞いていると、謙虚な物の言い方がしばしば聞かれたが、これはマイナスだね。一般人なら、謙虚さが美徳と評価されることもあるだろうが、政治家、特に総理大臣ともなれば、それではいけないんだろう、と感じた。
普天間の問題で、しきりと「(自分の)思い」という言葉を多用したのもひっかかった。
「思い」というなら、沖縄地元の人々の「思い」もあるわけで、「思い」同士がぶつかっても、折り合うものはない。
政治家であれば、「皆さんの「思い」もわかるが、首相としては、こう「認識」しているので、これでやらせてもらいます」と言い切るべきではなかっただろうか。
憎まれてでも強引にことを進める部分も、政治家には必要なのかな、と思った。
憎まれてでも強引にことを進める部分も、政治家には必要なのかな、と思った。
鳩山氏の場合は、政治家らしからぬ低姿勢が特徴的だったが、残念ながら、それがむしろ強引な進め方以上にまずい結果を生んだように思う。