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松本モーツァルト・オーケストラ練習日誌~ピアノ・レクチャーコンサート本番

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14:00、久元祐子先生の「ピアノ・レクチャーコンサート」開演。

お客さまは、目分量で50人くらいか。

まず、K466のコンチェルトの序奏部を、横島勝人先生の指揮で演奏。

久元祐子先生が登場し、お話が始まった。

今回のテーマは、「モーツァルト短調」の世界」。

調にはそれぞれの特性がある中で、モーツァルト短調には独特の個性があるとのお話。

K397のニ短調の幻想曲が全曲演奏された。

ベートーヴェンは、モーツァルト短調作品を好んでいたそうで、K466のコンチェルトには自作のカデンツァを作曲した上で、よく演奏していたとのこと。
「悲愴」ソナタも、モーツァルトハ短調ソナタの影響で書かれたものなのだそうだ。

モーツァルトの作品は、大部分が長調で書かれており、それは、その当時、主に依頼によって作曲していたことによる。

それに対して、数少ない短調作品が書かれた時には、モーツァルトの人生において、何かがあった場合であり、例えばK310のイ短調ソナタは、彼が22歳で、初めて父レオポルドと離れて旅行をした時の作品であり、この時のパリ旅行では、母親の死にも直面している。

ここで、K310のソナタを抜粋演奏。1楽章、3楽章、2楽章。

3楽章は、左手の伴奏部分で、拍の頭の音を欠落させる書き方をすることにより、不安にかられる感情を表現。一方、2楽章では、両端楽章と異なる平安な世界を描いていて、この点は、K466のコンチェルトにも共通している。

次に、コンマスの牛山正博さんとの共演で、K304、ホ短調のヴァイオリン・ソナタを全曲演奏。

レオポルドが、fとpは、音の強さ、弱さでなく、光と影なのだ、とモーツァルトに教えたエピソードも紹介された。

休憩となった。

休憩後は、K466のコンチェルト。

11カ所の抜粋演奏で、曲の構造やアイデアを分析的にレクチャーされた。

モーツァルト変ロ長調の名曲が多いのは、当時のピアノの音域が今のものより狭く、Fの音が一番高い音だったことによる、とのお話は興味深かった。

16時前、終演。めったに経験できない貴重な演奏会だった。