メインが、来年6月、所属オケで演奏するラフ2であることが、足を運んだ理由だ。
日 時 2017年12月15日(金) 18:00開場 19:00開演
会 場 東京芸術劇場コンサートホール
指 揮 田部井 剛
管弦楽 一橋大学管弦楽団
曲 目 ラヴェル 管弦楽のための舞踊詩「ラ・ヴァルス」
レスピーギ 交響詩「ローマの松」
ラフマニノフ 交響曲第2番ホ短調
[アンコール] リムスキー=コルサコフ 歌劇「雪娘」から「道化師の踊り」
会 場 東京芸術劇場コンサートホール
指 揮 田部井 剛
管弦楽 一橋大学管弦楽団
曲 目 ラヴェル 管弦楽のための舞踊詩「ラ・ヴァルス」
レスピーギ 交響詩「ローマの松」
ラフマニノフ 交響曲第2番ホ短調
[アンコール] リムスキー=コルサコフ 歌劇「雪娘」から「道化師の踊り」
母校のオケの演奏会を聴くのは、2009年7月以来、8年ぶりとなる。
私の席は、2階L列20番。
若い人が結構多い。やはり大学オケの演奏会だからだろう。「二人で来られたことが嬉しくてたまらない」、といった表情を隠さないカップルも見受ける。青春だなあ。
会場はほぼ満席となった。
我々浦安オケは、せいぜい800人程度の動員だが、芸劇のこのホールは2,000人規模とのことなので、倍は集める力があるわけだ。すごいなあ。
プログラム冊子のメンバー表を見ると、名前の後に大学名と学年がカッコ書きしてある。私の在学当時、一橋と津田塾の学生がほとんどだったのに比べ、インターカレッジ化が進んでいることがわかる。
一つ驚いたのは、ハープ奏者2人の内、1人が「OG」と表記されていることだ(もう1人は「賛助」)。ハープ奏者を自前で抱えていた時期があるんだ。
演奏は、誠に見事なものだった。
私の場合、大学オケに入部して、初心者としてヴィオラを始め、卒業後の長いブランクの後、40歳を前に今の浦安オケでオケ活動を再開して今日に至る。自分個人については、在学中はビギナー時期、浦安オケでの活動が既に20年を超えるので、社会人オケの中で自分なりには経験を重ね、演奏も多少レベルアップしてきたという感覚がある。
だから、何となく学生オケを、社会人オケの子供あるいは卵みたいな位置づけでイメージしてしまうところがあるのだが、現役諸君の演奏を聴いて、そんなイメージはまったく吹っ飛んだ。
社会人オケと学生オケ。
社会人オケが、人生経験において勝る(笑)のは間違いないが、それと演奏は関係ないな。つくづくそう思った。
少なくとも、これは我々の在学時もそうだったが、練習に費やすことができる時間は、学生の方がずっと多いだろう。加えて、40年前に比べれば、経済的な面を始め、今の学生の方が色々恵まれているところはあるだろうとも思った。
大曲揃いのこういうプログラムを組むには、人数を集めることが条件になるが、この点も、社会人オケにはなかなか難しいことだ。
そんなこんなで、どの曲も感服しながら聴いたのだった。
「ラ・ヴァルス」は、申し分なく立派な演奏だったが、この曲らしい味わいを追求する余地はまだあったか。はみ出たところのない、楷書体の演奏という印象。
「ローマの松」、バンダは、舞台左右の上方、バルコニー席に配置された。「アッピア街道の松」の盛り上がりには、鳥肌が立った(日本語として余り使いたくない表現だが)。
クラリネットが巧かった。
休憩後、メインのラフマニノフ。
来年の浦安での演奏に向けて、ラフ2の実演を勉強を兼ねて聴くのは、先月のネルソンス=ボストン響に続き2回目である。
オケとしては先週、10日(日)が譜読みだったが、欠席したので、まだ自分では音を出していない。
そんな段階ではあったが、主にヴィオラにフォーカスしながら、自分でも演奏する立場で聴いた。
勉強になった。
ボストン響を聴いた時と同様、我々のオケは、半年後、この現役諸君の演奏に、どの程度近づけるだろう、そんなふうに思いながら聴いた。
長い演奏会だったが、さらにアンコールが演奏された。
リムスキー=コルサコフの「道化師の踊り」という曲だった。私は初めて聴いたが、にぎやかな曲だった。
この3曲を演奏した後に、さらにこんな曲を演奏できるなんて、まさに学生ならでは。若いなあ。これは社会人オケにはできないぞ(笑)。
現役諸君の見事な演奏に感服しながら、もう一つ重要にして根本的なことを思った。
今の一橋オケは、初心者を受け入れているのだろうか。
私がそうだったように、入部してから楽器を始め、曲がりなりにも演奏会に乗って、オケを楽しむということができる、そんな場であり続けているのだろうか。
見ていると、弦の一番後ろのプルトの人もバリバリ弾いているし、もしかしたら違うかもしれない、という気がした。
ふとめくったプログラム冊子の中に、「団員募集中!」という欄があるのが目に止まった。
「経験者かつ原則楽器をお持ちの方のみの募集とさせていただいております」とある。
やっぱりそういうことなのかな。
となると、今、私が新入生としてオケに入ろうとしても難しいのか。
前記の通り、私のオケキャリアにおいては、大学オケで初心者としてヴィオラを始めた、というステップがなかったら、今の浦安オケでの20年来の活動もありえなかった。
同じ大学に入っても、それが今だったら、自分の音楽人生は大きく違っていたことになる。
同じ大学の同じ名前ではあっても、自分が青春期を過ごした当時の一橋オケと、今目の前で見事な演奏を繰り広げているそれとは、つまり別ものと考えた方が良いのだろう。40年の時の流れ、ということなのだろう。
現役諸君のすばらしい演奏に感服する一方で、そうした点ではちょっと感じるところも心に持ちながら帰路に就いたのだった。
※大学オケ関連記事
音楽「自分史」~ヴィオラとの出会い
https://blogs.yahoo.co.jp/naokichivla/16718683.html
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https://blogs.yahoo.co.jp/naokichivla/17478028.html
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