今日は午後から両親の顔を見に木更津の実家に帰った。
夕食後、ジュリーニ=フィルハーモニア管弦楽団のモツレクを聴きながら自宅に戻ってきた。
今年になって廉価盤で再発売されたソニー盤である。
買ってしばらくたつが、今日初めて聴いた。
非常に特徴のある演奏だった。
予想通りテンポはずいぶん遅い。かのベーム盤もかくやと思われるテンポだ(チェリビダッケ盤はまだ聴いたことがない)。
それ以上に目立つのは、全体の柔らかさである。
アタック、アクセントを使わず、尖った音がどこにもない。
「キリエ」など、これまで聴いたどのレコードとも違う、レガードをとことん徹底したやり方。延々と流れていく演奏でびっくりした。
オケ、コーラスともわめくことがない。
柔らかく、静謐なモツレク。
「ホスティアス」が、まるでフォーレのレクイエムのようにきこえた。
特に素晴らしいと思ったのは「ラクリモーザ」。
よくある、よよと泣き崩れるような演奏ではなく、ひっそりとした「ラクリモーザ」である。
今自分たちで練習しているモツレクは、S先生のテンポが基本的に速めなこともあり、これとはずいぶん異なる。
練習の参考にはならないが、ともかく特徴のある大変美しいモツレクだった。