９月場所４日目

春日錦が元気だ。大きい北桜との一番、北桜得意の右四つにわたりあう格好となり、北桜が黒房下に攻め込んだが、よく残して右からのすくい投げ。
春日錦は、立ち合いから動きがよく、序盤攻勢に出ていたことが、最後、勝ちにつながった。

栃煌山が、今日はがっかりする相撲。垣添との一番、最初から引いてしまい、攻める場面がまったくなかった。

嘉風は、黒海のかちあげにひるむことなく、よく動いて相手の横にまわった。

豪栄道は、攻めの相撲は出なかったものの、玉春日をよく見てはたいた。まあ、落ち着いた相撲だった。

龍皇は、ちょっと壁に当たった感じだ。春日王を押したが攻めきれず右四つに組まれた。
最後は、春日王の上手投げ。

高見盛と旭天鵬は、立ち上がってすぐ右四つ。
高見盛が寄るところ、旭天鵬は体を入れかえての上手投げ。
高見盛がよくやることを、旭天鵬がやった感じだった。

岩木山と時津海は、左四つの相撲。
不得手の四つながら、基本的には攻勢に動いたのは時津海の方。岩木山は上手がとれなかったが、最後は左からの下手投げで投げ捨てた。
しかし、岩木山はちょっと力が落ちた感じがある。

露鵬は、今日はよかった。
立ち合い左から張って左上手とるや、上手投げでふりまわしての寄り。
海鵬のうまさを封じた。

豊ノ島に今一つ動きのキレがない。土佐ノ海との対戦、今日も立ち合いからもろ差しをねらったが、果たせない。
攻防の中で最後ははたきこんだが、物足りない相撲だ。

豊響と若の里は、互いの持ち味が出たいい相撲。
若の里は、立ち合い右から張ってもろ差し。正面に寄って出たが、豊響は、左からおっつけ、右はのどわでこらえながら、前に出て逆襲。
これだけの相撲がとれるとは、大したものだ。

鶴竜と出島は、出島が左を差して、右ものぞかせながら出たが、鶴竜はまわりこみながら、右からの小手投げ。
鶴竜は、このまわりこむのがうまい。

新関脇で初日から３連勝の安美錦が、過去３勝８敗と分の悪い琴奨菊を一方的に破って、全勝を守った。
立ち合いの当たり、踏み込みがまずよかったし、そこからまわしをとりに行くのではなく、突っ張っていったのには驚いた。この突きに琴奨菊は上体が反ってしまい、最後は安美錦が右から左と二本入れて出た。
正直、こういう力強い相撲がとれる人だったのか、という感じだ。

もう一人の新関脇、朝赤龍も、今日はいい相撲をとった。稀勢の里とは相四つだけに、立ち合いすぐ左四つ。
しかし、自分の形を先に作ったのは朝赤龍。低く頭をつけて右からおっつけ。稀勢の里にいい形を作らせず、青房下に寄った。
今日は朝赤龍らしい相撲。一方の稀勢の里は、左四つになりながら、攻め負けた。物足りない。

初日から３連敗、相撲がとれていない魁皇にとって、今日の安馬は、厳しい相手。
安馬は立ち合い右に動いて上手をとり、魁皇の横にまわってゆさぶり、頭をつけて食い下がった。魁皇は両まわしともとれない。
ここから更に動かれたらついていけないだろうと思った瞬間、苦しまぎれの突き落としが決まって、初白星。
安馬としては、立ち合いから終始自分のペースで相撲がとれたので、いい形になって、どう料理しようかと、ちょっと一服してしまったのがよくなかった。休まずに動くべきだったが、一瞬止まったところに、タイミングよく魁皇の突き落としがきた。安馬としては勝てた相撲を落とした一番。
魁皇は、勝つには勝ったが、明日以降に明るさが見えたとは言えない内容。
しかし、この白星で、武蔵丸にならんで、歴代４位の幕内706勝に到達。最低もう１勝は積み重ねて単独４位になってほしいものだが・・・。

琴欧洲は、今日はいい相撲。立ち合い右から張って左差し。休まず向正面へ寄りながら右上手もとって、豊馬将を根こそぎ持っていった。
豊馬将は、琴欧洲の攻めの速さに、ねばる場面が作れなかった。
豊馬将の今場所は、やや物足りないところがある。

千代大海と北勝力は、立ち合いなかなか両者手を下ろさず、待ったになるかと思ったが、立ち上がった。北勝力はもろ手突きにいったが、必死の立ち合いとは言えず、こんなに漫然としたもろ手突きで、格上の大関の突きを止められるはずもない。
千代大海は細かい突きで起こして問題にせず。

昨日、大関として初黒星を喫した琴光喜は、過去４勝４敗の時天空との一番。負けた翌日としては、嫌な相手だ。
しかし、琴光喜は立ち合い一瞬早く立って踏み込み勝ち、すぐに右を入れて相手と密着。肩すかしで崩しながら二本差し。
時天空は、内掛け、河津掛けでゆさぶったが、落ち着いて残して、最後は左からの下手投げ。
今日の琴光喜は、落ち着いていたし、動きもよかった。

白鵬と栃乃洋は、立ち合い白鵬は差しにいったが、栃乃洋がこれを許さぬと見ると、突きに転じ、攻めの中で、右を差してのすくい投げで決めた。
相手をよく見ての攻め。しかし、今日も立ち合い右足が遅れた。攻めに入ってからはいいのだが、これまでのところ、立ち合いすぐと、攻めていっての土俵際に、足の運びの不安がある。
悪くはない、というところ。