naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

5月場所12日目

豊馬将は、踏み込み負けながら、攻防の中で左前まわしをとって右四つ、向正面に寄ったが腰高。
栃ノ心がうっちゃりで逆転した。やはり豊馬将の左上手の引きつけが足りなかったか。しかし、先日の安馬若ノ鵬戦よりもうっちゃりらしいうっちゃり。久々にきれいなうっちゃりを見た。

豊響に迷い。当たっておいてすぐに左に動いて突き落としたが、出島についてこられた。6勝1敗からの5連敗でとうとう五分の星。

豪栄道がねばりのない相撲。露鵬の前傾姿勢に防戦一方。終始引きでかわそうとしたが押し倒された。

7勝4敗同士の普天王玉乃島は、玉乃島が相手の上手を嫌って左差し手を返したが、普天王はかまわずに前に出たのがよく、勝ち越し。

北勝力にいい押しが出た。何故こういう相撲が毎日とれないのか。岩木山は勝ち越しならず。

栃煌山にやっとこの人らしい相撲が出た。玉春日を破って、8連敗の後4連勝。

2敗の豊ノ島は、今日もスムーズにもろ差しとなったが、若の里がこれを両かいなからきめた。豊ノ島は右を抜いて上手をとったが既に向正面後がなく、寄り切られた。うまくとられた。

7勝4敗同士、安美錦栃乃洋は、安美錦が実にうまい相撲。
右からおっつけて栃乃洋に左のまわしをとらせない。一度とられたがまた切って、右前まわしを引きつけて拝み寄り。ほれぼれする相撲だった。

把瑠都は立ち合いが高い。雅山との突き合いは下半身が安定せずに崩れた。
把瑠都の相撲が甘いといつも書いているが、今日の相撲を見ていると、要するに基本を知らない。この一番、何が悪くて、どうしなければならなかったのか、本人はわからないのではないか。
こういうことを、親方がしっかりと教えないと、せっかくの資質も宝の持ち腐れとなってしまう。

稀勢の里は、若ノ鵬相手に、何をやってるんだという相撲。若ノ鵬が立ち合い右から張って右四つ。稀勢の里は意表に出られたか、右四つになってしまった上に上手もとれない。後は一方的に寄られた。
格下相手に終始後手にまわってこういう相撲をとっているようではだめだ。
NHK始めとするマスコミに言いたいのだが、稀勢の里に対して、大関大関というのは当面やめてもらえないか。
確かに朝青龍戦に見るように、時に思わぬ力を出すことがあるし、そこに華があるのは認める。
しかし、まだ最高位小結で関脇に上がったこともなく、三役で2ケタはおろか、9勝もあげたことのない力士なのだ。

旭天鵬は踏み込みよく右上手充分から朝赤龍を寄り切った。短いが見ごたえのあるいい相撲だった。

魁皇は立ち合い左四つも上手がとれなかったが、今場所の鶴竜が前に出るだけの元気がなかったのが幸いし、魁皇は右上手をさぐって寄った。

琴光喜安馬の一番は、動きの速さ、厳しさで安馬が上回った。勝ち越し。
琴光喜については、言いようがない。大関に昇進させたのが間違いだったかとさえ言いたくなる。

朝青龍が腰にテーピング。仕切りの際の歩き方、最後の塩に向かう際のまわしのたたき方、明らかにいつもと違った。
果たして、立ち合い千代大海がちょっと右に変わっただけで、何故そんなにおおげさに、と言いたいような転がり方をした。
よっぽど腰が痛いのだろう。
昨日の敗戦直後は舌を出して苦笑していた朝青龍だが、今日は負けた後の控えでのけわしい顔が逆に状態の悪さを感じさせた。下手をすると千秋楽まで出場できないのではないか。

さて結びの白鵬琴欧洲
白鵬としては、ここで負けては自力優勝がなくなるだけでなく、残り3日で星2つの差となっては逆転優勝の可能性はきわめて低くなる。
琴欧洲としても緊張が高まってくる展開だが、負けられないという点では、白鵬にプレッシャーがかかる一番だ。
果たして、白鵬がふだんの相撲をまったくとれなかった。左足首の影響もあるのかもしれないが、時間一杯から先に両手を下ろしたものの、立ち合いのタイミングが微妙に合わなかった。
それにしても、支度部屋では左四つの稽古を重ねていたとの報告があったのに、あの立ち合いはどうしたことか。
横を向き気味に右肩から当たっていった。右四つねらい。それはいいにしても、今場所ずっと思うようにとれていた左前まわしをさぐるそぶりがまったくなかった。左は何をするでなく、右肩から漫然と当たっていったところで、琴欧洲が左変化で上手をねらいにいったことで、体勢は決した。
琴欧洲は充分の左上手、いいところをとり、今場所の琴欧洲のいいところで、そこからの攻めが速い。白鵬は右も左もとらせてもらえず、一方的な完敗となった。

結び2番は、勝った大関がよかったというよりも、横綱の相撲が悪すぎた。

全勝 琴欧洲
2敗 白鵬
3敗 朝青龍豊ノ島北勝力

好調の琴欧洲が、横綱をどちらか食えば面白いと思っていたが、両横綱に勝つとは。
これで琴欧洲の初優勝は相当濃厚になったと言える。残り3日で琴欧洲が2敗することはちょっと考えにくい。琴欧洲には全勝も期待できる。せめて白鵬に、明日の優勝決定だけは阻止してもらいたいところだ。
毎日言っているが、それにしても。
この琴欧洲の変わり方は予想できなかった。もう一つ、安馬戦までの完璧さから、白鵬が2敗もするとは予想できなかった。
ということは、残り3日、まだ波乱があるのか?