naokichiオムニバス

69歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

5月場所13日目

栃ノ心が持ち直してきた。豪風にかきまわされ、二本入れられたが、外四つから引きつけ、最後は右四つ充分から力強く寄り切った。今日はいい相撲だった。

豊響が今日は迷いのないいい相撲で連敗脱出。栃乃洋を一気に押した。

豪栄道は今日も踏み込みがなく、垣添の突き押しをいなしてかわそうかわそうという相撲。最後は相手の左かいなをたぐって勝ち越しを決めたが、内容は物足りない。場所終盤にきて疲れが出たか。

普天王土佐ノ海を左四つに組み止めて寄り切ったが、右上手をとるのが遅い。この力士の課題はもっと相撲を速くすることだ。

楽しみな豊馬将と豊ノ島の対戦は、豊馬将が左右からおっつけながら今日はよく前に攻めた。互いに頭をつけ、差さずにおっつけ合う形。豊ノ島の足が俵にかかったところで動きが止まり、膠着状態。
その後豊ノ島が盛り返して土俵中央へ。さらに豊ノ島が前に出たが、豊馬将が土俵際でひきおとし。辛くも軍配を得た。物言いがついて長い協議になったが軍配通り。
今日の豊馬将は左ひじにテーピングをしていた。昨日まではなかったように思う。

若ノ鵬旭天鵬の一番は右四つ。若ノ鵬が両まわしを引きつけて力強い寄り。力をつけてきたと感じる。寄る時の腰の落とし方が課題だ。今はまだ腕力だけで相撲をとっている。

朝赤龍時天空に実にうまい攻めを見せた。最後は左からの出し投げ。この人は、外国出身力士ながら、非常に正統的なうまさがある。三役に定着してほしい力士だ。

稀勢の里は張り差しから左四つ、不振の鶴竜をあっさり寄り切って勝ち越し。2ケタの可能性を残した。

関脇同士、安馬琴奨菊の対戦は、過去3勝12敗と分の悪い安馬が、厳しいいい相撲をとった。立ち合い踏み込んで突き起こし、まわしをまったくさわらせずにそのまま突き出した。琴奨菊は勝ち越しお預け。2ケタも消えた。

全勝の琴欧洲安美錦との対戦。過去5勝7敗、最近は不戦勝を含めて4連敗と、嫌な相手との割りが組まれたものだ。
時間一杯から、安美錦がじらすようにしてから待った。2回目は安美錦がつっかけ。明らかに作戦的。
琴欧洲はこれに動揺したか、昨日までとは全然別人のような相撲。
踏み込みはまったくなく、その場に棒立ちになるような立ち合い。左前まわしに手はかかったものの、安美錦の踏み込みがよく、そのまま身体をぶつけるようにして出ると、琴欧洲は体勢をまったく立て直せないまま土俵を割った。
今場所は本当に変わったと思った琴欧洲だが、ここにきて以前の弱気の虫が出てしまった。

千代大海雅山は突き合いとなったが、雅山の突きがまさり、ほぼ勝ったかと思ったところ、土俵際千代大海がひきおとしで逆転。

琴欧洲が1敗して差が縮まったとはいえ、両横綱とも身体が万全でなさそうなだけにどうかと思ったが、白鵬朝青龍とも、悪い相撲で大関に完敗。

まず白鵬琴光喜
白鵬の立ち合いがここにきてまったく悪くなってしまった。やはり左足首の影響か。
今日の立ち合いも左から張っていったが右は差せたものの左上手が遠い。琴光喜の方が先に左上手をとり、両まわし充分の右四つ。琴光喜は相手の下手を切るうまさも見せた。白鵬もこれは取り直したものの、最後まで上手に手がかからず、左をまきかえようとしたところを定石通り琴光喜に寄られ、残せなかった。
足の状態がよほど悪いのだろうが、琴欧洲の敗戦を見て、よし、チャンス、と思った様子が見られなかった。気持ちも充実していないように見えた。

朝青龍も、白鵬に輪をかけて状態が悪そうだ。白鵬同様、立ち合いがまったくだめ。当たりも踏み込みもなく、魁皇があっさりと充分の右上手をとり、朝青龍は上手がとれない。こういう展開を許すことは普通考えられないのだが。
あとは魁皇が右上手からの投げでふりまわすと、無惨に転がった。魁皇は勝ち越し。
朝青龍は、土俵を下りる時に左の手首を気にしていたがどうか。
横綱とも、相手に先に充分の上手をとられてしまったのがまずかった。

1敗 琴欧洲
3敗 白鵬

結局、優勝争いの上位にいた力士が今日は全員負けた。優勝争いの展開は変わらず、星のレベルが一つ落ちただけ。さえない結果だ。せっかく両横綱大関で展開してきた優勝争いだが、ここにきてちょっとしぼんできてしまった印象だ。
琴欧洲は明日は安馬。簡単な相手ではない。しかし、追う白鵬が優勝争いをしているという状態ではない。明日決まるかどうかは別にして、琴欧洲の初優勝はほぼ堅いところだ。