naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

「デスノート」

もともと相撲には何の興味もなかった妻だが、私の脇で相撲を観てきて、ある時に指摘したことがある。

「naokichiが、「有望だ、これは強くなる」と言った力士の多くは、強くならない」

言われてみると、否定できない。

私は、日頃、時間の余裕がないため、十両以下の相撲は観ない。
熱心な相撲ファンがするように、十両、幕下の内から、将来有望な力士をさがす、ということはなかなかできない。

下位の有望力士については、名前くらいは前もって知っていても、実際にその力士の相撲を観るのは、十両上位に上がってきて、中入り後に幕内力士と対戦するようになってからだ。

そして、本格的にはその力士が入幕してきて、ああ、こういう相撲をとるんだ、と思いながら観ることになる。

そういう力士の中には、当然、「これはいい相撲をとる。きっと強くなるぞ」と思う人もいるのだが、その「鑑識眼」が、長年相撲を観てきている割には、あんまりあてにならない、という妻の指摘には、何を言ってるんだ、お前は、と却下できないものがあるのである。

確かにそういうケースが少なくない。

今思い出しても、自分でも笑ってしまうのは、朝日山部屋の大飛翔という力士だ。
この人が入幕してきた時、私は即座に、「有望宣言」をした。
ところが、いくらもしない内に、大飛翔は十両に陥落し、それどころか、間もなく幕下に落ちて、二度と浮かび上がってくることはなかった。

どうも、私がテレビを観ていて、目をつけた力士は、この千葉の部屋から送られる「念」で、せっかくの素質、有望さの芽を摘まれてしまうらしい。

ということで、相撲を観ていて、私が相変わらず、「この力士はいいな」と言うと、脇で妻が、「ああ、かわいそうに、この人はもうだめだね」とつぶやくのが常なのだ。

今場所、このことを、妻が「デスノート」と名付けた。

一番新しいこの場所、私は、光龍の突き押し相撲に注目し、顔もいいし、強くなれば人気が出るのではないか、と口にした。
目下、光龍が、デスノートに乗った最新の力士だ。

光龍ファンの皆さん、もし、今後、光龍が期待を裏切って低迷したり、番付を下げるようなことがあったら、それは私のせいですので。
(実際、今場所は負け越したし)

確かにそうなんだよな。

例えば、琴欧洲鶴竜栃煌山豊真将
私が期待しているのに(だから?)、ほんとにぱっとしないよなあ。

もちろん例外はあって、私のデスノートを乗り越えて、立派な実績をおさめた力士としては、千代の富士貴乃花、三代目若乃花などがいる。
最近では白鵬
安馬も、試練をくぐりぬけて、大関の座をつかんだようだ。

逆に、私があんまり言わない力士は、結構すっと上がっていったりする。
把瑠都なんか、何で新関脇で勝ち越すんだろう。

こちらにも例外があって、その最たるものは稀勢の里
私がこれだけけなし続けているのだから、とうに大関、あるいは横綱になっていてもいいはずなのだが、全然だね。
あ、でも今場所は2ケタ勝った。来場所は三役復帰が濃厚だ。
確かに、今場所の稀勢の里は、いい相撲が多かった。
あ、こうやってほめると、稀勢の里も正真正銘だめになっちゃうか?(笑)