五月場所13日目、前日に7敗目を喫して後がない、カド番の千代大海。
琴光喜に立ち合い右への変化で、踏みとどまった。
この一番、NHK放送で、吉田アナと舞の海が、必死の相撲と賞賛していたが、批判したい。
この相撲に負けたら大関から落ちる、という一番で、変化に出たことを、何故ほめるのか?
絶対に違う!
確か、大関昇進の口上で、「大関の地位を汚さぬ相撲をとる」と誓ったのではなかったのか?
ここで負けて大関から落ちたくないから、なりふり構わず、立ち合い変わった…。
いいのか、それで?
今の千代大海は、勝ち越せるかどうかがやっと。優勝などもう望めないだろう。
もはや大関らしい相撲がとれない、その地位が務まらないならば、まともにいって散る潔さこそ、在位記録を持つ千代大海には望みたかった。
彼の、これまでの土俵生活の、すべての実績を無にする相撲だとさえ言えると思うのだが…。
私は、千代大海の相撲そのものもさることながら、これを賞賛したNHKの論調に、この上なく落胆した。
大関から落ちたくないからと言って、こんなみっともない相撲をとるものではない、と言ってほしかった。
往年の名解説者、神風さんや玉ノ海さんだったら、どう言っただろう…。
<追記>
翌日の新聞では、千代大海は、関脇に陥落しても現役続行の意思あり、とのことだった。
だったらなおのこと、この変化は許せない。