naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

法の日週間行事「法廷見学ツアー(裁判員に選ばれるまで)」

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   201号法廷。
   裁判員naokichi。法衣、似合う?



今日14日(木)は、千葉地方裁判所で行われた、法の日週間行事に参加してきた。

毎年、法の日週間行事については、積極的に参加するように、社内で呼びかけがある。

一昨年は、裁判員制度の勉強会に行った。

   ※その過去記事 「ためになりました 裁判員制度勉強会」
       http://blogs.yahoo.co.jp/naokichivla/56850783.html

今年も、東京と千葉の行事を調べたところ、千葉地裁でこの「法廷見学ツアー」が行われることがわかった。

「通常は入ることができない裁判官席や裁判員席を間近で見学したり、実際に座ってみることもできます」とのことなので、電話で参加を申し込んだ。

かつて妻の父が調停委員をしていた、県庁の隣の、この裁判所に来るのは久しぶりだが、立派な新館庁舎が建っていてびっくりした。昨年の4月にオープンしたとのこと。

その新館1階の受付で名簿を見たら、受付番号が1番だった。参加申込が一番早かったんだろうか。

2階の201号法廷の前で待つ。順次集まってきた参加者は、大体30人くらい(募集定員は60人)。年配の人が多い。また女性が多い。

千葉テレビの取材が来ていて、行事の間、テレビカメラが撮影していた。

定刻の10:00となり、法廷の中に入る。この201号法廷は、この裁判所の中で一番大きな法廷とのこと。

傍聴席に座って、まず、DVDを15分ほど視聴。

裁判員に選ばれるまで、選ばれてから」というタイトル。

実際の裁判員裁判で、裁判員候補者として集められた人に見せるDVDだそうだ。

観終わったところで、予め配付された質問用紙に、裁判員制度について、聞きたいことを記入。質問用紙は回収し、後刻それに対して裁判官が答えてくれるとのこと。

その後、法廷を一旦出て、「裁判員候補者待合室」の見学。

ここは、集められた候補者がまず座るところで、今観たDVDを観て、説明を受けるそうだ。

事件の内容の説明を受けてから、自分が事件の関係者と親しいなど、その事件の裁判員としてふさわしくない事情があるかどうかなどの質問票に記入するとのこと(辞退の希望もその質問票に書ける)。

室内には、銀行や病院にあるような、雑誌のラックが置いてあった。選任手続の中で、待ち時間ができた時に読むのだろうが、何か、裁判所にこういうものがあるというのがちょっと違和感。

次に案内されたのが、「質問手続室」。

ここでは、裁判長、裁判官、検察官、弁護人、書記官などと、裁判員候補者が話をするのだそうだ。

質問票の内容をもとに、候補者全員がいる場では言えないようなことも含めて、裁判長から質問されるという。

これは、候補者の能力とか法律知識をオーディションするものではなく、あくまで、その事件の裁判員をしてもらうのにふさわしくない事情があるかどうかの確認のための面接だという説明だった。

候補者が辞退したい場合、その事情の説明なども、この部屋でするとのこと。

再度、201号法廷に戻る。

ここで裁判所長から挨拶。
この裁判所で扱う裁判員裁判の事件数は、全国一多いのだそうだ。それは、成田空港があることで、密輸だとかドラッグがらみのものがあるからだ、と言っていた。

裁判員は8チーム編成されていて、多い日には、6チームくらいが並行して裁判にあたるのだとか。

次に、裁判官の方から、裁判員制度の概要について15分程度の説明。

これまでの裁判と、裁判員裁判の違いは2つ。

①ポイントを絞る(公判前整理手続を通じて、争点や証拠を明確にする)
②わかりやすい審理を行う

このことで、裁判を短期間で終われるようになった、との説明。

評議の中で意見が分かれ、意見の一致を見ない時には、多数決で決するが、その場合、裁判官の1票も裁判員の1票も平等なのだそうだ。
へえー。何か責任重いね。

その後、さっき参加者が書いて提出してあった質問用紙の質問に、裁判官が回答。

私は、「裁判員裁判が始まって1年半近く経つが、裁判はどのように変わったか。マイナス面はないか」と書いた。

どういう変化があったか、は多くの人が質問したようだった。

回答は、まず上記の、ポイントを絞ってわかりやすい審理をすることで、裁判の短期化ができている、という話。

それから、評議の中では、多様なバックグラウンドを持つ裁判員が自由闊達な議論をすることで、裁判官が気がつかない視点も指摘され、大いにプラスになっているとの説明だった。

マイナス面にはふれてくれなかった。しかし、何もないということはないのではないか。
啓蒙のための行事ではあっても、一昨年参加した、制度導入前の説明会とは違って、1年半足らずとは言え、既に実績があるのだから、判明した問題点や、その改善の考え方などにもふれてほしかった。

この質疑が終わったところで、最後に法廷見学。

傍聴席を立って、裁判官や裁判員が座る席の方に入ってよいし、写真を撮ってもよいというので、行って座ってみた。

ふーん、裁判員になると、こうやって傍聴席の方を向いて座るんだ。

この新しい建物を作るにあたって、これまでの裁判所よりも、裁判官と裁判員の席(「法壇」と言うらしい)を低くしたのだそうだ。
それまでの裁判では裁判官1~3人だけだったのが、裁判員裁判では、裁判員も加わって9人座ることになるので、威圧感を和らげるためにそうした、という説明だった。

だから、他の裁判所ではもっと高い位置に座るということなのだろう。

席の背もたれに、法衣って言うのかな、黒い服が掛けてあって、これも着ていいというので、着てみた。着て座った写真も撮ってもらっちゃった(写真下)。

裁判官と裁判員では、デザインと素材が異なるとか言っていた。

裁判員裁判については、多少の知識があるつもりだが、実際に待合室や質問手続室に入ったり、さらに法壇に上がって裁判員席に座る機会はなかなかあるものではない。

貴重な経験ができてよかった。

11時半頃、裁判所を出て、会社に向かった。

夜、帰宅して、21:30からの千葉テレビのニュースを観たら、ちょっと映ってました。