naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

クラウディオ・アバド逝去

アバドが亡くなった。

20日(月)の午後、関西への出張に出発。
18時過ぎ、新大阪駅に到着し、大阪駅へ移動。
梅田駅から、阪神電車に乗って、宿泊地の甲子園に向かった。

移動中に、携帯電話でmixiをチェックしていたところ、マイミクのtsunoGさんのつぶやきが目に入った。

クラウディオ・アバド氏死去。ショックです…。」

これでアバドの逝去を知ったのだった。

実はその時、ウォークマンアバドブラームスを聴いていた。
ウィーン・フィルとの1番を聴いた後、ベルリン・フィルとの2番を聴いているところだったのだ。
ドイツ・グラモフォンに録音した、古い方の全集だ。

この2番の旧盤は、大学1年の冬、翌年春の大学オケの演奏旅行で演奏するのに向けて買った。

私にとって初めて買ったブラームスの2番のレコードであり、同時に初めて買ったアバドのレコードでもあった。

ウォークマンには、1番が5種類、2番が3種類入っている。

その中からアバドの演奏を選んで聴いていたのは、偶然だったのだろうか・・・。

アバドは、高校生の時からクラシック音楽を聴き始めた私にとって、中心的な指揮者の1人だった。

高校3年の時、「レコード芸術」誌(1973年12月号)で、世界の指揮者ランキングの特集があった。

記憶が正確でないかもしれないが、上位10人はこうだったと思う。

   1位 ベーム
   2位 カラヤン
   3位 バーンスタイン
   4位 ショルティ
   5位 ブーレーズ
   6位 ムラヴィンスキー
   7位 小澤征爾
   8位 メータ
   9位 アバド
   10位 サヴァリッシュ

7位から9位の、小澤、メータ、アバドは、当時、若手指揮者として、次代を担う三羽ガラス的な存在だった。

カラヤンの次のベルリン・フィルの常任指揮者は誰か、という話題でも、この3人の名前が挙がっていたと思う。

70年代、80年代と、アバドはグラモフォンから多数の録音をリリースし、私もあれこれ聴いたものだ。

この時期のアバドの演奏には、何の曲であっても、響きに独特のうるおい、香りがあり、私はそれが気に入っていた。

特によく聴いたレコードを挙げれば、ロンドン響との「アルルの女」、スカラとのヴェルディのレクイエム、ウィーン・フィルとのマーラーの3番などが思い出される。

中でも、マーラーのこの3番は、私にとっては最も大切なレコードの一つで、今でもしばしば聴いている。

後年、アバドは、カラヤンの逝去を受けて、前記三羽ガラスの中からベルリン・フィルのポストに就く。

そのアバドが亡くなったことには、時の流れを感じる。

80歳というから、早死にというわけではない。以前、大病をしているが、それにもかかわらず、よく持ち直して活躍していた、という印象がある。

3日後、再度梅田に出向く機会があり、今度は阪急梅田駅の近くにある、別のタワレコの店舗に行った。

アバドの追悼コーナーができていた。

陳列されていた中から、先日、レコード・アカデミー賞の部門賞を得た、モーツァルトの管楽器の協奏曲集を選んで買い求めた。