イリーナ・メジューエワの、昨年9月の京都でのリサイタルの録音を聴いた。
オール・ショパン・プログラムである。
とても「好ましい演奏」だと感じた。
派手さはなく、しっとりと落ち着いた響きだ。
重心が低い音、という印象である。とは言え、重厚な音ではない。まして重苦しさはない。
重心の低さはありながら、一つ一つの音が、とても明晰だ。
きわめて程よい、過不足のないピアノ演奏を聴かせてもらっている、そんな感じを受ける。
ピアノの音だけでなく、演奏されるショパンの音楽そのものも、どこかが突出することなく、程よく、過不足がない。
とても気に入った。
このピアニストの、他のレパートリーも、もう少し聴いてみたい。