毎日の相撲は、ＮＨＫの地上波放送の中入り後の部分を録画して、会社から帰った後見ている。
さすがに十両までは見る時間がないのだが、帰り入幕を期待している海鵬が２勝４敗と苦戦している。
やはり怪我の回復が思わしくないのだろうか。
向正面の解説は舞の海。
この人は語り口も明快で、一般には人気があるのだろうが、私はどうも苦手だ。
しゃべり過ぎるのが鼻につく。
この人の場合、向正面に座っていて、正面から呼びかけられなくてもしゃべる。
正面の話に割って入ってくることも多い。
それがいけないという理由もないといえばないが、正面に座ることもあるのだから、向正面に座っている時くらいおとなしくしていろと言いたくなる。
毎場所初日は、正面北の富士、向正面舞の海というコンビだ。これは視聴者の要望も多いのだろうが、北の富士さんが舞の海のしゃべり過ぎに時にいらだった感じを隠さないことがあって、それが却って面白かったりする。
一つ気になることを指摘すると、｢北の富士さんが言ったように｣という言い方を毎回する。角界の大先輩なのだから、｢おっしゃったように｣と言うべきだろう。このへんはＮＨＫも指摘して是正すべきだ。
栃乃花は今日もいい内容の相撲。ここ数場所感ずることだが、土佐ノ海に馬力がなくなった。
高見盛は若兎馬に、立ち合い一瞬二本差されてこれは、と思ったが、右四つに組み勝って快勝。
外四つに行った訳でもなかろう。右からすくうように差していくのがベストの立ち合いだろうと思うのだが、なかなかそういう形にならず、序盤苦戦してしのいだ後に体勢を作ることが多い。
ここを脱皮できればいいのだが。
朝赤龍＝豊ノ島は、朝赤龍のかわずがけで両者背中から落ちたが、物言いがあってもよかったのではないか。
稀勢の里はまずまず。相四つだから左は入る訳で、そこからの腕の返し、右から攻めて四つの形を作っていく流れがよかった。
土俵際での腰の落とし方はこの人の美点。ともかくそこに持っていくまでの形の作り方をもっとつかんでくれれば、と思う。
白鵬は岩木山に下がって小手投げの勝利。ふところの深さを利用した格好で、本人にしてみればまあ余裕はあるのだろうが、物足りない。
再三言うが、足の状態がよくないなら仕方がない。
琴欧州は実力者の旭天鵬に今場所一番の相撲をとった。
旭天鵬も長身だが、それにまさる上背があるので、たやすく組み勝つことができた。
その後の腰の落とし方が光った。
琴光喜は北勝力に左から張って右差し、スムーズに自分充分の形を作り、以後の展開も文句なし。
千代大海は、今日も押し込めない、突ききれない。
途中雅山の右のどわがタイミングよく入ったのが勝負のポイントだった。
千代大海は最近は敗れても悔しそうな顔をしなくなった。
魁皇は出島に立ち合い右を差され、一瞬どうかと思ったが、とっさにすくって事なきを得た。
上手でも下手でも右の投げは強いので、今の地力の差があれば心配はない。
魁皇らしい相撲ではある。
朝青龍は垣添に完勝。
過去９回の対戦は横綱の全勝。正面実況の藤井アナが今日も｢今日でじっかいめの対戦です｣と言った。
垣添としては、立ち合い少しでも押し込んで、崩すチャンスをねらうしかない訳だが、とてもそんなことは許してもらえなかった。
スピードが違いすぎるし、体力的にも横綱の筋力の強さが今日は目についた。
もちろん垣添も懸命にとってはいるのだが、どうにもならなかった。
横綱がただ一人全勝の展開はこの先面白くなくなる懸念がある。
大関にはもう期待できない以上、関脇の両琴がもう星を一つも落とさずについていってもらいたい。
