１月場所７日目

土佐ノ海は前に出るいい相撲。４勝３敗と星はあがっていないが、今場所は本来の相撲がとれている。

嘉風は昨日に続いて身体がよく動き、堅さがとれてきたが、格上の時津海充分の右四つに組み合っては分が悪かった。しかし、くさらずに頑張ってほしい。

若の里が力強い相撲で５勝２敗。この位置にしては物足りないが、最低２ケタは残したいところだ。

春日王も力強い相撲で同じく５勝２敗。身体もいいし、腰も重そうだ。力をつけてきたようだ。

北勝力７戦全勝、北桜、垣添が６勝１敗。平幕に元気者が多いのも今場所の楽しみだ。
北勝力は、個人的には立ち合いの呼吸など好かないところがあるが・・・。
この中では垣添の相撲が好きだ。自分の相撲をしっかり持っている点、稀勢の里に見習ってもらいたいものだ。

その稀勢の里、過去分の悪い安美錦相手だからか、立ち合いのつっかけに焦りを感じたが、立ってからの相撲はいい流れ。左からのおっつけがよかった。
この人は、最初から四つにいくのでなく、立ち合いからはおっつけで攻めて、流れで左四つに組むような相撲がいいのではないか。右脇をもっと固くすることが当面の課題だろう。

楽しみな安馬と普天王は、終始安馬ペースの相撲だったが、普天王の我慢に、頭が上がった。さすがの安馬もスタミナが切れたか、右上手を切られたところで万事休した。
しかし両者存分に力を出し合った値打ちのある相撲だった。
敗れてしかし安馬も５勝２敗。最低限勝ち越してほしい。

黒海はいい突きだった。一方の白露山は、今日も防戦一方。気力が感じられない。

全勝の白鵬がまさかの１敗。立ち合いのタイミングを微妙に誤ったように見えた。未経験の全勝街道に、何か過剰な意識があったか。
例によってかわして勝とうという流れになったが、最後は引いて墓穴。
ここのところの攻撃的な立ち合いができていれば、と悔やまれる。
栃乃花の相撲よかったのも事実。厳しい攻めだった。
それにしても、白鵬にとっては、痛い痛い１敗だ。

琴光喜は勝つには勝ったが、立ち合い左に動いたことで、０点の相撲。どうしてこういう相撲が出るのか、不可解としかいいようがない。

魁皇が４敗目。立ち合い一旦は露鵬を止めたが、今日は四つを避けて突き押しに徹した露鵬の攻めに、やはり残り腰がなかった。
本人もはがゆいことだろう。
私は平成16年11月場所千秋楽、魁皇が朝青龍を渾身の寄りで破った相撲が忘れられない。ああいう相撲がとれた人が、万全の体調でなく苦しい土俵を勤めているのを見るのは、やはり忍びないものがある。

千代大海は、また同じ負け方を繰り返した。重い雅山を突ききるのは難しいと思ったが、やはりそういう展開になり、我慢できずに引いたところで勝負は決した。
突きの威力が落ちているのはやむを得ないとして、せめていなしで崩すなど、何か工夫がないと。

琴欧州は、同じ長身の旭天鵬が相手なので、そうとりにくくはなかったと思うが、まだ内容は物足りない。
立ち合いにすぐ左上手がとれなかった。また上手をとって右四つの形を作ったところで、右のかいなを返して一気に前に出て決めてもらいたかったところだ。寄る格好も今場所はよくない。左上手の引きつけも甘いのだろうが、上手側に寄ることが多いので、相手に突き落としの反撃を許す場面が見られる。
琴欧州には、長身を生かす相撲、ガチッと組み止めて、相手を動けなくさせるような相撲を期待したい。
まあそうは言いながらも、これで５勝２敗。少し気分的な余裕は出てくる星勘定だ。
最低でも２ケタ、できれば11番は望みたいところだが・・・。

栃東は、豪風にヒヤリとさせられながら、全勝を守った。
相撲のたち、体格から、とりにくい相手ではなく、根負けさえしなければ大丈夫と思っていたが、豪風の善戦に手こずった。
栃東とすれば、おっつけ、前さばきで主導権を得ながら、どこかで右四つの形を作って、頭をつけて寄る相撲にできれば万全だっただろうが。
明日はいよいよ白鵬戦。全勝同士の一番にならなかったのがあいにくだが、楽しみだ。

朝青龍は無難。立ち合いの厳しさが全然違いすぎる。時天空も一応善戦はしたが、というところ。
ただ、あっさり負けなかったのは、長身の利があったからで、今後の両者の対戦の中で、時天空が勝てる場面もあるかもしれないとは思った。

白鵬の敗戦がともかく残念な７日目であった。