naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

ご近所アンサンブル月例練習にヴィオラのゲストが参加~モーツァルトの弦楽五重奏を演奏

今日午後は、マンション住人を中心とした、ご近所アンサンブルの月例練習。

使用する集会室の空き具合のため、中1週間で集まることになった。

今日の大ニュースは、ヴィオラに初参加のゲストが加わっての練習だったことだ。

先月の練習で、ファーストヴァイオリンのHさんが持ってこられた、モーツァルトの弦楽五重奏曲を合わせた。
当然、いつものことで弦楽四重奏としてのメンバーしかいないので、セカンドヴィオラは省略で演奏したのだが、やはり、やっていても音が物足りない感じがした。

誰かもう一人ヴィオラ弾きがいれば、という話をしつつ解散したのだが、そう言えば心当たりがあった。

5年ほど前に、管理組合の理事をやっていた時に、同じ棟のTさんという方とご一緒していた。
この方が、昨年5月、浦安オケの定期演奏会を聴きにきて下さったのだが、その折、娘さんが、千葉市内のアマオケヴィオラを弾いておられるという話を聞いた。
そのことを思い出したのだ。

早速に、Tさんを通じて、お願いしてみた。
一番懸念したのは、当方が50~60歳代のオヤジ4人によるカルテットであることだった。何しろ今年51歳の私が最年少・・・。
このことは、若い女性にお願いするにあたって、予めカミングアウトしておかねばならない。
打診のメールに包み隠さずその旨を記し、「高齢化するこの地域における、ボランティアの一つと思ってご協力頂ければ」とお願いした。
幸い、奇特にも前向きなご返事を頂けて、今日の練習に早速お越し下さったという訳だ。

私もそのTさんにお会いするのは今日が初めてだった。
いつものメンバーが先に揃ってもまだ姿が見えないので、果たして来て頂けるだろうかとちょっと心配になったりしたが、気が変わるということはなかったようで、無事にご参加頂けた。

めでたく、フル編成の弦楽五重奏である。
Hさんが持ってこられたモーツァルト楽譜で、何曲か合わせた。
ヴィオラのパート割りは、Tさんがセカンド、私がファーストにした。

まず、編曲もので、「グランパルティータ」から4楽章を抜粋したもの。
これはまあどうということはなかった。

大変だったのは次。
これも編曲もので、クラリネット五重奏曲全曲。
この編曲がちょっと変な楽譜なのだ。
本来クラリネットが吹くソロ部分は、私が弾くファーストヴィオラが担当する形になっているようなのだが、ちょっと合わせてみると、ソロがなくなってしまうところが多いのだ。
このファーストヴィオラの楽譜は、原曲のクラの楽譜をヴィオラに書き換えたものではないようで、かといって、消えたクラパートを、他の弦4人の誰かが弾くアレンジでもない。結局、ふだん聴き慣れたクラのメロディがどこかへ行ってしまって、全員で伴奏の音を弾いている感じになるのだ。
何か変だな、と言いながら楽譜をめくってみると、ファーストヴィオラの楽譜の前のページに、クラリネットの楽譜が印刷されている。
こっちはどうも原曲のクラの楽譜らしいのだ。
じゃあ、こっちで弾いてみましょうか、という話になった。
しかしである。このクラの楽譜、ト音記号で、かつinAで書かれている(笑)。
ト音記号は、まあ読めるのでいいのだが、何しろinA。書かれているより3度低い音を弾かないといけないようだ。
しかも、イ長調のこの曲、弦は#3つだが、クラは何もない(笑)。ハ長調で書かれている。
第2楽章は、本来ニ長調なのに、クラの楽譜はフラット1つ。これはもう私には理解不可能である。移調楽器を扱い慣れた人にはどうということないのだろうが。
加えて臨時記号がバシバシくっついているところもあるのだ。
頭の体操を超えた話である。
やむなく、ファーストヴィオラの楽譜とクラの楽譜を、行ったりきたりしながら、ヴィオラの方にソロらしきメロディがある時はそれを弾いておいて、メロディが消えそうになると、クラの楽譜の方をめくって、そっちを目分量で3度低く弾くことにした。
他の4人が自分の楽譜を淡々と弾いている中、私だけが、目を白黒させながら、楽譜をあっちに行ったりこっちに行ったりして、何とか全4楽章を終えた。音符が細かくなるところなどは、記憶で適当にそれらしいことを弾いただけだが・・・。しかし我ながら離れ業であった。
  <toびんちゃん>クラ5のクラ弾くなんて貴重な経験だったけど、大変だったよ~(泣)
          あ、あとね、Tさん、びんちゃんと同じ名前。S子さんって言います。

今日もチェロのIさんが持ってきて下さったコーヒーと、Iさんの奥様手作りのお菓子をいただいてちょっと休憩の後、私が「もう、本来のまともな五重奏にしましょうよ」と泣きを入れて、ト短調ハ長調ハ短調の五重奏曲の、それぞれ第1楽章をやった。
これらの曲は、先月もやったのだが、セカンドヴィオラが入るとやはり違う。和音の厚みが出てきて充実感があるのだ。

休憩後の3曲を弾いて思ったのは、「テンポを安定させて弾くことの難しさ」だ。
これらの曲に頻出する8分音符のきざみ(セカンドヴァイオリンやセカンドヴィオラと一緒にきざむことが多い)。こういうのを弾くのはヴィオラ弾きとしてこたえられない、というのが持論だが、指揮者のいない室内楽の場合、何小節も延々と続くきざみを、同じテンポで弾き続けるというのは、本当に難しいと痛感した。
疲れたり飽きたりすればテンポは弛緩してしまう。
また、まだ譜読み段階なので、同じきざみをやっている他の人とテンポを合わせる余裕がない。
加えて、メロディを弾いている人が、都合でテンポが伸び縮みすることだって、今はまだある。
それやこれやで、結局5人のアンサンブルが、速くなったり遅くなったり(笑)。
モーツァルトは単純なだけに難しい、とよく言われるが、こういう部分はその最たるものだろう。

今日は、ヴァイオリンのお二人が、次の別団体の練習があるということで、15時から始めた練習を17時半過ぎに切り上げることになった。いつもより短めで、ちょっと物足りなさを残しつつも、ヴィオラ2人にチェロ1人でできるような楽譜もなく、解散となった。

初参加のTさんは、我々おじさんたちによくつきあって下さった。
「初見で余り弾けなくて」と謙遜しておられたが、ちゃんと弾いて下さった。
また来月以降、ご都合がつけばまた参加して下さるよう、お願いした。

新しいご縁が生まれた、今月の練習であった。

さて、明日はオケ練。先週は旅行のために、本番のある月ながら、大胆にも欠席してしまったので、2週間ぶり。
先々週と同様、午前がパート練習、午後が全体の合奏である。疲れそうだ。