７月場所３日目

栃乃花は大真鶴に今日も自分の相撲。前さばきのうまさが光った。これまでのところ文句のつけようがない相撲だ。

豊真将は今日も低い体勢から、武雄山にしぶとさ勝ち。いい相撲だった。

栃乃洋は、玉乃島に左をのぞかせながら力が出せず、初日から３連敗。今場所はちょっと元気がない。気になる。

時天空は岩木山の出足をしのぎ、右を差して食いつくと、右内掛けで崩しての寄り。
うまさも力強さも見せた相撲。

嘉風は、北勝力にうまく距離をとられ、はたかれた。北勝力としては上背の差が生きた一番。

若の里は、高見盛相手に今日ももろ差しの相撲。二本差されては高見盛もしのげない。
正面解説の舞の海が指摘していたが、高見盛は、右脇が以前より甘い。

安馬は出島に対して果敢に突き押しで攻めた。いい攻めだったのだが、珍しくその後引きにいったのが失敗。はりま投げか上手すかし気味にはたこうとしたが、下がる土俵がなかった。
安馬としては今一つ気力の充実が感じられない相撲だった。

把瑠都は実力者旭天鵬との対戦。
旭天鵬はがっぷり四つを避けたいとの談話が紹介されていたが、立ち合い把瑠都が肩越し気味に上手をとりにいき、つかまえてしまったという形で右四つがっぷり。
旭天鵬としても力が出る体勢の筈だが、把瑠都は構わず相手を抱き込んだまま前に出て勝負を決めた。
旭天鵬は、相手の左上手を切ろうとして、再三右下手を放したのがまずかったと思う。
今日は把瑠都の強さを少し感じた。少なくともとてつもなく力が強いのは間違いない。

普天王に琴奨菊は、左を差して、互いに上手を許さないという体勢だったが、普天王が先に上手をとって勝負を決めた。
見ごたえのある攻防だった。

千代大海は、今日もいい突っ張りが出た。旭鷲山を問題にせず。

白鵬も今日は問題なし。立ち合い左前まわしはとれなかったが、相手をよく見ながら右四つに組み止めた。白露山は、まきかえが悪手。

栃東がすばらしい相撲をとった。分の悪い琴光喜に、あごを引いてよく前に出て攻め、相手充分の右四つながら、組んですぐの出足がよく、琴光喜を圧倒した。
優勝云々は別にして、カド番脱出は充分可能だろう。

琴欧州は、稀勢の里に防戦一方の相撲。まったくいいところがない。全然動けないという感じだ。
琴欧州相手だと異様に闘志を見せる稀勢の里の相撲がよすぎた感もある。四つにこだわらず、おっつけとのどわで前に出たのがよかった。
こういう相撲を他の相手にもとれればいいのだが。

魁皇が露鵬に一方的な敗戦。この人は、毎場所こうした｢どうしたことか｣という相撲がある。
立ち合い突き放された訳でもない。接触した相撲になったので、少なくとも不利な形ではないと思ったのだが、踏み込みはなかった。魁皇としては珍しく相手に右を差させたのもおかしい。
明日の相撲を見たい。

朝青龍は垣添を問題にせず。
垣添は、朝青龍の右ヒジを攻めようとしたのか、左に動き気味の立ち合いだったが、横綱の立ち合いの当たりとその後のスピードがすべてに上回った。
ふっとばされるような形になり、下がりながらはずみで二本は入ったが、それで攻め返せる状況ではまるでなかった。
今日の横綱は昨日よりよかったと思うが、右を使わない相撲に変わりはない。
その右をおっつけて攻められる相手と対戦した時にどうか。
身体全体のスピード自体はあるので、調子を上げていったらなかなか崩せなくなるかもしれないが。