naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

3月場所初日

再入幕若の里は、かつて三役にいた頃の相撲とはほど遠い。栃乃花にペースをつかめずばたばたとっての黒星。

期待の新入幕栃煌山は、白露山に右差し、差し手をつきつけてのいい寄り身。

嘉風は、はっきりしない立ち合いで、潮丸に敗れた。待ったするならするではっきり意思表示すべきだ。行司が止めてくれると思ったか。

出島玉乃島にいい出足。今日はよかったが、今の出島には、これが15日間続くだけの地力はない。もしあれば三役には定着できているはず。
話は変わるが、昔からテレビで出島の白い身体を見るたびに、「おいしそうだなあ」と思ってしまう。
餅を連想してしまうのだ。

高見盛は踏み込みなし。垣添に一気に押された。まったくいいところがなかった。

豊真将どうしたことか。玉春日'''のいい攻めに下がるだけ。最後はこれも珍しく前に落ちた。向正面舞の海によると、場所前の稽古で怪我をしたらしい。だとすると今場所は心配だ。

新関脇の琴奨菊は、腰のテーピングが心配されたが、やはり春日王との攻防で右四つを許し、投げの打ち合いになったが、一瞬早く落ちた。力を出しきれなかった相撲。

カド番で進退をかける栃東が、万全の初日。まずは一安心。先場所を10とすれば今場所は70か80で場所を迎えられたとの談話が紹介されたが、やはり復調はしているのだろう。朝赤龍引いたところもあるが、立ち合いから低くおっつけての一気の寄り。先場所はこの形になってもその後がなかった。

魁皇旭天鵬に目のさめるような相撲。左をすばやく差して右もこじいれての二本差し。一気の出足だった。

琴欧洲が先場所ブレイクした豊ノ島に初日黒星。
低くくいついてきた豊ノ島に、立ち合いの攻防から右上手をがっちりとったまではよかったように見えたが、豊ノ島は既にもろ差し。すぐ投げの打ち合いとなったが、琴欧洲としてはこれも予想外だったようで、後手にまわったまま転がった。
正面北の富士さんが、「琴欧洲はまんまと豊ノ島の術中にはまった」と評したが、その通り。
横綱の対抗馬たるべき若い大関が初日早々これでは・・・。
豊ノ島の思い切りのよさが光った。

同じく対抗馬であるべき白鵬に早くも土。
稀勢の里に、立ち合いから左差しを許して相手ペース。後手にまわったのを何とか立て直して二本入れたのはさすがだったが、あわてて出過ぎた。
もっと落ち着いてとればと思う。ここのところ、白鵬に精神面の落ち着きが見られない。

千代大海安馬に苦杯。これで、3大関が連続して敗れた。
安馬は立ち合いからもぐって一気の寄り。千代大海はちょっと突いただけで、引いて墓穴。

結び、朝青龍が万全なら、今場所の趨勢も見えた初日になるところだったが、新小結時天空がそれを救った。
時天空の懐の深さが、攻防の中のほんの一瞬、生きた。おそらくタイミングだけだったと思うが、差した左からの肩すかしで、横綱に後ろを向かせた。
さすがの横綱も、挽回困難な体勢。勝負はやむを得ない結果。
それにしても、朝青龍としては、特に動きが悪かった訳でもないが、一瞬の隙を突かれたかっこう。
時天空が隙を突いたという相撲ではない。今日のところは、一応ケガ負けというふうに見ておく。