１月場所７日目の土俵から

海鵬は、白露山にうまくもろ差しになった。今場所の海鵬は、この人らしい相撲が出ていて嬉しい。

市原は、当たっておいてのはたきで玉乃島を破った。５勝２敗と星はあがっているが、まだこの人の相撲がわからない。

嘉風と土佐ノ海は、互いに顔を張り合いながらの激しい攻め合いとなったが、土佐ノ海がねばり勝った。
いい相撲ではあったが、張り合いは感心しない。

栃煌山が、今日も前によく出た。垣添を、向正面赤房寄りに力強く寄り切った。

１敗同士、岩木山と旭天鵬は、右四つから旭天鵬が一方的に勝った。今場所の旭天鵬は本当に強い。

若ノ鵬が、今日も立ち合い左に変わって上手をとりにいった。飛び上がらなかったので、地味に見えた(笑)が、変化相撲には違いがない。
高見盛も左上手をとって右四つに渡り合ったが、こうなると高見盛も力が出る。
土俵際、高見盛がまわしから手を離して相手の胸を押したのはよくない。若ノ鵬がもっと器用であれば、逆転されていたところだ。

時天空と若麒麟は、ばたばたした相撲になり、最後は微妙。
軍配は普天王に挙がって物言い。
両者の足が非常に微妙で、取り直しでいいと思ったが、普天王の足が先に出たとして、差し違えになった。行司にとってはちょっと厳しい判定。

黒海と豊響は、互いにいい当たりだったが、黒海の左からのかちあげが強烈で、豊響の上体が起きた。
黒海は、そこから左差し右上手をとっての左四つに組み止めて、勝負を決めた。

鶴竜と春日王は、春日王が、立ち合い右に変わって小手に振っておいての右四つ。
鶴竜は、この人としては粘れぬままに破れて２敗。

豪風は、北勝力のかちあげよりも低く当たり、相手の上体を起こしておいてのはたき。１敗を守った。

豊馬将は、今日は低くいい当たりだったが、把瑠都が右をのぞかせ、差し込みながら前へ出ると、起こされてしまった。
豊馬将としては、今場所の中ではいい相撲だったが、それ以上に把瑠都の今日の相撲がよかった。把瑠都の相撲のムラがつくづく惜しい。

露鵬と朝赤龍は、朝赤龍が、今日も右四つながらうまい相撲を見せた。本当にこの人の相撲には味わいがある。

稀勢の里と豪栄道、楽しみな相撲は、熱戦を期待したが、意外な展開。
豪栄道がびっくりする相撲をとった。
立ち合いいきなりもろ差しを果たし、一気の出足。
稀勢の里は何もできずに倒れ、こういう相撲が出るところに、この人の大きな課題があると思ったのだが、物言い。
物言いがつくような相撲には思えなかった。豪栄道が左手をつくのはやや早かったが、稀勢の里もその時点では後ろ向きに倒れかかっていて体がない。
軍配通りとばかり思ったが、協議の結果は取り直し。これは疑問だ。
二度目の相撲は、稀勢の里が立ち合い右から張って右上手をしっかりとって左四つ充分に抱き込んで、一方的な相撲となった。
豪栄道には気の毒な一番だった。

１敗の琴奨菊は、豊ノ島戦。力の拮抗する二人だけに、両者好調での対戦には熱戦を期待したが、結果は、これまでの対戦成績(過去琴奨菊の７勝２敗)が示す相性のよさか、琴奨菊の完勝。
前さばきのうまい豊ノ島が、今日は前さばき負け。琴奨菊は、不充分の右四つながら、中に入って左おっつけで前に出た。
１敗を守っての明日の白鵬戦は大変楽しみだ。

琴光喜と安馬は、安馬の一方的な相撲。
低く当たって突き起こし、琴光喜をのけぞらせておいて、横にまわって左上手。投げで崩して寄った。
安馬としては終始思い通りの相撲。
琴光喜はまったく相撲にならず。目を覆うような内容だった。

千代大海も相変わらずない。
時天空を突けない。時天空は、難なく右上手をとって出し投げで崩した。
これで、千代大海は初日から７連敗。
この状況で出場し続けることについては、やはり大きな疑問がある。

琴欧洲は、立ち合いの張り差しが空振りとなり、安美錦を突き起こせず。
安美錦は相手の張り差しより低く立って中に入り、いっぺんに出た。
琴欧洲としては、こういう相手にはかちあげにいくべきではないか。

魁皇は、今日は問題なし。栃乃洋とは相四つだかに、左四つにはなれるという安心感はあっただろう。右上手をがっちりとり、左下手を切って頭もつけ、前に出た。

しかし、７日間を終えて、４大関の成績はこうなっている。
　　千代大海　０勝７敗
　　琴光喜　　３勝４敗
　　魁皇　　　４勝３敗
　　琴欧洲　　４勝３敗
４人合わせて11勝17敗はあまりにもひどくはないか。
ケガで無謀な出場を続けている千代大海をのぞいた３人でも、11勝10敗。何とも言いようがない。

朝青龍と出島は、安心して見られるかと思ったが、そうではなく、立ち合い朝青龍が右から張ったものの、出島はひるまずに左はず右おっつけで一気に走ると、朝青龍は俵に足がかかった。
左からの突き落としで、何とかしのいだものの、内容はまだまだだ。
こう言っては失礼だが、出島にここまで押されるということが、やはりありえない話だ。
１敗は守ったものの、いつ星を一つ二つ落としてもおかしくない状況は続いている。

白鵬と雅山は、今場所の雅山の状態だったら、まず問題ないと思ったが、雅山が善戦。
突き合いとなり、白鵬としては突くばかりでは安心できないので、どこかで組みにいかないといけないと思って見ていたが、途中で右四つの形を作り、すかさず左から投げて決めた。
白鵬の下半身が安定していた。また、前に出ていたのは横綱の方だった。

全勝　白鵬
１敗　朝青龍、琴奨菊、豪風、旭天鵬

平幕の２力士にはややハンデがあるので、ここまでの内容からすると、白鵬と琴奨菊が一つ抜けている。
となると、明日の白鵬＝琴奨菊戦が大いにポイントとなる。