naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

もう千秋楽・・・

もう千秋楽(笑)。
ダイジェスト番組だけで過ごした、かつて経験したことのない場所。やっぱり早かったよねえ。
実際に相撲をとっている力士にとっても、違和感があったことだろう。


敢闘賞受賞者同士の対戦、阿覧豊真将は、豊真将が低い体勢から攻めていったが、阿覧のいなしに泳がされてしまった。
終わってみれば両者11勝4敗。
初日から10連勝と飛ばして、終盤1勝4敗の豊真将。やや疲れたか。
逆に、序盤上位戦での1勝4敗から、中盤以降10連勝の阿覧
今日の一番の勝敗は、そうした勢いの違いかもしれない。
阿覧は来場所の新三役が確定的。これまでの実績からすると、豊真将の方がずっと上だと思うが、意外なことに、番付運もあって豊真将はまだ三役経験がない。
阿覧に先を越された格好だが、豊真将も今場所の好成績で何かつかんだと思うので、上位に上がる来場所、是非新三役昇進の星をあげてもらいたい。

栃煌山時天空は、栃煌山が右差し左おっつけで前に出た。
今場所の栃煌山の相撲には成長が見られた。三役復帰は確実だが、三役定着の可能性が見えた場所だったと思う。上位にあっても、自分の形を作って前に出ることができるようになった。課題は前に出る時の身体の寄せ方だろう。

栃ノ心が左上手をがっちりとって北太樹を寄り切った。負けが混みながら、終盤3連勝で6勝まで持ち込んだのは立派。阿覧よりは自分の型を持っているし、すぐに三役に戻る可能性は高い。

琴奨菊は、はさみつけて前に出たところを、若の里の肩すかしで逆転を食った。
今場所の琴奨菊は、まったくいいところがないまま5勝10敗。どうしたのだろうか。平幕から出直しとなるが、今場所の相撲に限って言えば、稀勢の里以上に大関候補とは呼べなくなってしまったと思う。

その稀勢の里鶴竜の一番は、立ち合い鶴竜が突き起こし、こらえた稀勢の里が前に出ていったが、鶴竜が突き落としでかわした。
鶴竜としては必ずしもほめられない内容だが、それ以上に、これでとうとう負け越してしまった稀勢の里の方が情けない。
小結には止まると思うが、こういう相撲で毎場所を過ごしていては、かつての逆鉾、あるいは若の里のような形で終わりかねない。

琴欧洲日馬富士は、一方的な相撲。立ち合いから日馬富士が突き起こして押し立てる。ずるずると東土俵に下がった琴欧洲が、足を出したように見えたが残ってはいたようで、盛り返した。しかし反撃にまでは至らず、日馬富士の再度の突きに白房下で土俵を割った。
両者10勝。相撲にブレがない点では、日馬富士の方が上だ。膝の不調が快復してくれば、またいい相撲がとれるかもしれないと思わせる、中盤以降の内容だった。
一方の琴欧洲は、前半は完璧な内容で、今度こそひと皮剥けたかと思われたが、やはりだめだった。いい相撲と悪い相撲の差がこれだけ大きいのでは、上は望めない。

さて結び、既に優勝を決めた白鵬が、15日制で史上初の3場所連続全勝優勝をかけた一番。
把瑠都が意外な立ち合い。左上手をさぐっていきなり組みにいった。これは、白鵬としても意外だっただろう。右四つがっぷり。
把瑠都側からすれば、白鵬に上手を与えなければ面白かったところだが、白鵬も上手はとったので、少なくとも五分にはとれる体勢。
そうは言っても、白鵬アゴがやや上がった形で、場合によってはと思わせたが、力のこもった攻防の末、最後は白鵬が左足をはねあげて、やぐら投げ気味に左からの上手投げで、3場所連続の全勝、47連勝を達成した。
把瑠都は、今日は本当にがんばったが、把瑠都に充分の両まわしをとらせてなお、力負けせずに勝負できるのは、やはり今は白鵬しかいないということだ。
白鵬の力を感じさせられた一番。

それにしても、白鵬は立派という他はない。第一人者、勝って当然と言われる立場の人が、その通りに勝つことがどれほど大変なことか。これは、相撲で言えば、横綱は常にそういう存在だし、他の競技、他の種目でも言えることだ。
まして、今場所のこの異常な状況にあって、一人横綱で、勝つことがふだん以上に求められる中、一つも星を落とさずにとりきったことは、本当にできることではない。
本来、4大関の中で、誰か1人でも2人でも、そういう責任を果たしてくれていたらと思うにつけ、第一人者が第一人者としての成績をあげることが、当たり前のようでいて実は大変なことなんだろう、とつくづく思う。

次の目標は、千代の富士の53連勝になる。来場所6日目に並ぶことになる。とりあえず、中日まで全勝で、という程度の意識で臨めば、達成できない目標ではないと思う。
双葉山の69連勝はまた別格の記録だが。

三賞は、
   殊勲賞 該当なし
   敢闘賞 阿覧豊真将
   技能賞 鶴竜
と決まった。

妥当なところだろう。

殊勲賞は、大関陣の現状だと、大関二人三人食ったくらいではまず無理。横綱に勝てば値打ちがあるという状況ではあるが、横綱が一人しかおらず、しかもその白鵬が3場所連続全勝では、殊勲賞が出ないのもやむを得ないところだ。

今場所、三賞に値する力士は、阿覧豊真将鶴竜くらいしかいない。賞の配分も妥当だと思う。

番付予想。

三役。
          東      西
   横綱   白鵬
   大関   日馬富士  琴欧洲
   大関   把瑠都   魁皇
   関脇   栃煌山   阿覧
   小結   稀勢の里  鶴竜

幕内と十両十両と幕下の入れ替えは、今場所、謹慎休場が多かっただけに、なかなか難しいところだ。

幕内と十両の入れ替え。

普通に考えて、陥落する者が11人。

解雇の琴光喜、休場の豪栄道豊ノ島雅山豊響、若荒雄、隠岐の海
不成績者としては、垣添臥牙丸玉飛鳥、翔天狼。

問題は、十両から上がる者がいるかどうかだ。
通常なら上がれない成績の者も上げざるを得ないが、それにも限度がある。

琴春日、蒼国来、将司、光龍春日王栃乃洋土佐ノ海
11枚目以下で、豊桜寶智山魁聖旭南海・・・?
十両下位で8勝7敗でも入幕させなければ数が合わなくなるが、どこまでやるのか。

十両と幕下の入れ替え。

普通に考えて、陥落する者が8人。

解雇の琴光喜、休場の岩木山、大道、清瀬海千代白鵬春日錦
不成績者としては、益荒海、上林。

こちらも上がる者が揃うかどうか。

佐田の富士、仲の国、城ノ龍、栃乃若、宝富士、芳東、深尾、十文字。

通常なら上がれない者も、思わぬ拾い物で十両昇進を手にしそうだ。

とにもかくにも、7月場所は終わった。9月場所はどうなるのか。
あと2ヶ月で、諸問題の事実確認、今後の改革の方向性確立ができるかどうか。

悲しい話ではあるが、現状以上の大問題が露見せず、最低限、今場所のように場所は開催され、NHKもダイジェストだけは放映してくれる、そのレベルは何とか維持してもらえれば、と思う。