naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

京橋の守随ビルとりこわし

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京橋の明治屋の真向かいにある「守随ビル」の取り壊しが始まった。

そういう名前のビルだということは、私もさほど意識にはなかった。

ただ、このビル、たぶん私が会社に入ってこのへんを歩くようになった32年前にはもうあった。

だから、例えば会社の者と「明治屋の前で」と待ち合わせをするなんてことは、当時から時々あったのだが、自分が先に着いた場合、明治屋を背中にして立って、目の前のこのビルを見上げたり、中央通り(銀座通り)を左右に行き交う車を眺めながら、連れを待ったという記憶がある。

そのようなシーンで、ある時に雨の夕方というシチュエーションがあって、それがいったいいつ頃のことだったのかなどはさっぱり憶えていないものの、雨の中のこのビルの姿だけは妙に記憶に強く残っていて、このビルを見るたびに、雨を連想するほどなのだった。

明治屋は昔と変わらない(同じ銀座通りで、銀座一丁目駅のあたりにあった明治屋は、昨年だったか閉店してしまったが)。しかし、同じく変わらずにいたこの守随ビルがとうとう取り壊しにかかるのを見て、何かしみじみとした思いにとらわれる。

待ち合わせだとか雨だとかは、きわめて個人的な回想だが、このビルの1階には、これも昔から立ち飲み屋があって、その店のことは、タウン誌やらグルメ誌などにはよく載っていたものだ。

この近辺で30年以上前から会社員生活を送っていながら、その立ち飲み屋に入ったことは一度もなかった。

通い詰めていた常連客にとっては、私の比でない感傷があることだろう。
いずれこの地に新しいビルが建ったら、立ち飲み屋は復活するのだろうか。