今場所は、新しい若手がいい相撲を見せてくれている。
臥牙丸、妙義龍は、持ち味を充分に発揮した相撲。
栃乃若も、格上の北太樹が攻めに攻めてもしのいで、懐の深さを活かした逆転勝ち。
高安も、終始攻めに徹した相撲で、実力者の豊真将を下した。
こういう相撲を続けて観ることができるのは、非常に嬉しい。
不祥事の影響で、解雇力士が大量に出たことで、新しい顔が、幕内、十両に急増した。
まして、安易な変化相撲に走った阿覧などは、まったく存在価値がなくなってしまう。
そんな中、鶴竜の充実ぶりは光る。四つにこだわらない力強い相撲の安定感は、ここ数場所の稀勢の里よりも大関にふさわしい。
星勘定からすると、14勝しなければ3場所33勝に届かないし、既に大関が5人いる状況では厳しいものもあるが、このまま勝ち続けて優勝にからめば、あるいは、との期待も持てる。
星勘定からすると、14勝しなければ3場所33勝に届かないし、既に大関が5人いる状況では厳しいものもあるが、このまま勝ち続けて優勝にからめば、あるいは、との期待も持てる。
白鵬も、まずは万全の相撲が続いている。
行司が力士を避けきれずに土俵下に転落する場面は、これまで何度も観ているが、今回のように、転落した行司がまったく起き上がることもできずに担架で運ばれるというのは、ちょっと記憶にない。
若荒雄に突き出されるような形で背中から落ちたが、体勢からすると、頭を打ったはずだ。
行司の動きが機敏でない、と評するのは簡単だが、思ってみれば、庄三郎は61歳。このあたりで裁いている行司さんは、皆似たような世代だろう。
その世代が、20代の力士と同じように動けるかというと、実際には難しいだろうし、力士のようには受け身の稽古などもしていないだろう。
起こりうる事故だ。
ともかく、庄三郎さんが大事に至らないことを祈るばかりだ。