naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

ここにきてどちらも別人、白鵬、稀勢の里~さて優勝争いはどうなる?

5月場所13日目終了。

3敗 稀勢の里栃煌山旭天鵬
4敗 白鵬隠岐の海、碧山

ほんの2日前、星2つの差をつけてトップだった稀勢の里が、栃煌山白鵬にあえなく連敗。

稀勢の里には常に点が辛い私から見て、今場所の稀勢の里は、別に相撲が変わったとか進歩したとかいうことはなく、ことさら感心する部分はないものの、思い切りのよさ、力強さは感じていた。
ともすれば気合いが空回りすることが多い力士だが、今場所についてはそれがなく、気力が充実しているという境地にあるかな、と見ていた。

一般の相撲ファンからすると、絶えて久しい日本人力士の優勝を待望する中、特にそれが、久々の日本人横綱を嘱望される稀勢の里(くどいが、個人的にはそんなふうには思ってないけどね)であれば、これは願ったりかなったりだ。

NHKも、早々とテンションが上がっているのを観ながら、終盤戦に入ったばかりでまだ早いんじゃないの? と思っていたのだが、結果、この連敗。

依然トップにはいるものの、盛り上がりは一気にしぼんだ感がある。

それにしても、この2日の稀勢の里の相撲は、まったくそれまでとは別人。
優勝争いの単独トップという、未経験の状況に、ガチガチになっているのがありありとわかる。

大関昇進にもたついたことからも思うが、この人って、結構あれこれ意識してしまって固くなるタイプなんだろうね。

白鵬などの横綱をひきあいに出さずとも、今の同僚大関で優勝経験のある、日馬富士把瑠都琴欧洲が、好調をキープしたまま優勝につなげていることを考えると、稀勢の里という力士には、まだ本当の意味での強さが備わっていない、ということなのか。

残り2日の対戦相手である、日馬富士把瑠都に対して、合い口が悪いのも不安材料だ。両大関とも勢いがある状況とは言えないが、さりとて稀勢の里が五分以上にとれるとも思えない。
3敗を維持して最後までいけるかどうか。

一方、白鵬だが、これも中盤戦のあの信じられない3連敗の時からすると別人。
相撲がとれる状態ではない、とさえ思われたあの状況から、よく持ち直したものだ。

乱れた相撲で下位力士に3連敗した状況では、6日続く大関戦は非常に厳しいと思っていたのだが。

開き直った、ということだろうか、勝つだけでなくそれも一方的な内容であるところに、驚きを感じもするし、こうなると4敗もしてしまったことがいかにももったいなかったとも悔やまれる。

2日前、舞の海が「終わってみれば白鵬ということもありうるか」という発言をした。この時点では、いくら何でも、と失笑してしまったのだが、今の状況では、確かにあながち冗談ではなくなってきた。

稀勢の里が気持ちを切り替えて3敗で逃げ切る可能性が、今もって高いとは思うが、その稀勢の里にしてみると、同じ3敗に、他に2人いるというのは大きなプレッシャーだろう。

推移によっては、稀勢の里が脱落して、栃煌山旭天鵬の決定戦、平幕優勝ということもありえないではない。

優勝ラインが4敗まで落ちれば、これも決定戦、場合によっては3人以上での決定戦が濃厚だが、そこまでいけば、「終わってみれば白鵬」も考えられる。
おそらく一度はあきらめただろう連続優勝のチャンスに、気力は充実するのではないか。
とにかく、終盤にきての白鵬の相撲には、3連敗当時とは全然違う気力を感じる。

11勝4敗の優勝は、過去2回しかない。単独優勝の栃東、5人の決定戦を制した武蔵丸
そのレベルまで下がってほしくはないとも思うのだが、ほぼ絶望からの白鵬の逆転優勝というドラマを観てみたい気もする。

あと一つ言っておきたいのは、他の大関

稀勢の里次第で、自分にもチャンスが出てくる4敗の大関把瑠都琴奨菊鶴竜が、13日目は揃って敗れた。もう1人、2人は残っていてほしかったのだが。

琴奨菊は、傷めた膝の状況が悪いようなので言わない。

しかし、把瑠都

12日目、目の前で稀勢の里が負け、直接対戦を残す中、自力で並べるチャンスがめぐってきたというのに、琴欧洲に相撲にならず、さらに13日目は日馬富士にも内容のない相撲で連敗。
何をやっているのだお前は、と言いたい。

こうなったら、と気持ちを充実させて持ち直してきた白鵬と好対照だ。

鶴竜は、新大関としてよくやってきたが、ここへ来て疲れが出たか。

それにしても、琴欧洲と言う人。
形にはまると強いんだよねえ。勝つ時、負ける時の差が大きい人だ、ほんとに。

こいつがいなければ、把瑠都鶴竜も4敗で残ってたんだが。

厳しく見れば、白鵬稀勢の里がだらしないことで生じた混戦だが、めったに見られぬ面白い展開に、残り2日、目が離せないのも事実。