naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

1月場所4日目

正面実況の刈屋アナ。前から言っていることだが、時間いっぱいで、必ず「立ち会いです!」、「立ち会いっ!」と言うのが耳障りだ。
しゃべりを商売にするアナウンサーでありながら、自分の癖に気づいていないところが、問題だと思う。

向正面解説の谷川親方(元北勝力)の解説は、理論的で明快で大変よい。
現役時代の北勝力は、私にとっては珍しい、「嫌いな力士」だったが、解説者としての谷川親方とのギャップは、何とも困った(笑)ものだ。

時天空佐田の富士の一番で、まわし待ったが珍しく2回。
ちゃんと締められず、勝負再開ですぐまた止めたのは、行司の不手際と言えるが、佐田の富士のまわしが短かったのも事実。
もう一つ珍しかったのは、控えにいた嘉風が土俵に上がって、まわしを締めるのを手伝おうとしたことだ。
これは行司が断ったのだが、それはさておき、控え力士がこういうケースで土俵に上がるのは、ルール上認められているのだろうか。
控え力士に物言いをつける権利があるのは知っているが。
ルール上の是非はともかく、自分の相撲を控えて勝負に集中したいはずなのに、土俵に上がった嘉風の親切心は評価されてしかるべきではないかと思う。
実際の相撲でも、北太樹に勝ってよかった。

   追記 翌日の朝日新聞朝刊によると、嘉風が土俵に上がったのは、朝日山審判長の           指示だったのだそうだ。

遠藤が、土俵際の逆転勝ち。宝富士に先に充分の右上手を許し、攻め込まれたが、よく残して左下手投げ。
ここまできわどく残せたのは、非凡さを見せたとも言えるし、負傷した足の状態もよくなったのだろうが、そこまでの内容は完敗。相撲に負けて勝負に勝った、という典型だ。
将来を嘱望される力士なのだから、最初から自分有利の展開で勝ってもらいたいところだ。
しかし、有望と目される若手は数々いるが、遠藤のスター性はきわだっている。
顔もいいし、身体つきもいい。そして、白い肌の色が何ともまぶしい。
力士としての容姿は完璧だ。
ケガをせず、相撲内容が伴って強くなってほしいものだ。

豪栄道が、今場所動きのいい豪風にうまくとられた。最後は突き落としてかわしたものの、4日間では内容が一番悪かった。
この人は、こうしてさばくセンスはあるが、大関をめざすならば、このような相撲をとってはならない。

琴欧洲は、珍しく押しに徹した相撲で、安美錦を押し倒した。まだ大関復帰を云々するのは早いが、こういう落ち着いた相撲が続けば、と思う。
それにしても、一方の安美錦は、ここ何場所か存在感が薄い。さみしいことだ。

この間、控えの稀勢の里の表情を見ると、何とも余裕がない。
パチパチとまばたきをして、口をすぼめている顔を見ていると、今日も負けるのではないか、と思ってしまう。
「気合い充分」という表情ではない。
白鵬のように、もっと泰然自若とできないものなのか。

鶴竜は、上突っ張りが高く、豊ノ島にかいくぐられそうだったが、何とか相手をよく見てはたきこんだ。
鶴竜の相撲がどうも今一つだ。

さて、稀勢の里。相四つの隠岐の海との対戦、立ち会いすぐ互いに左を差した。
これで最低五分の体勢ではある。
しかし、左下手をとりあって、お互い上手がとれない。
隠岐の海が先に上手をとれば面白いところだったが、稀勢の里の方が前に圧力をかけていたのがよく、先に上手をとれたので、以後は順当。
4日間では一番いい相撲ではあった。
以前から言っているが、稀勢の里という力士は、左右からおっつけ気味に突き押しの相撲をとるのがよいと思っている。しかし、どうも本人は左四つの相撲にこだわりがあるようだ。
それであれば、手順として左差しの相撲ではなく、早く上手もとる取り口を身につけるべきだろう。
でないと、初日の豊ノ島戦が典型的だったように、ただ脇が甘いだけ、という相撲にもなりかねない。

結び、白鵬千代大龍は、千代大龍が思い切ってぶつかり、かちあげにいって突き起こそうとしたが、白鵬はびくともせず、はねかえされて崩れた格好。
こういう相撲を見ると、稀勢の里との差は歴然としているように思うが、両者の直接の対戦となると、そうでないところが、相撲の面白さでもある。