naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

11月場所中日

年3回の地方場所は、テレビで見ていてもそれぞれの会場に特徴的なものが映る。
3月は、力士が下がる際に売店の前を通り、そこに観客が並んで立って拍手を送る場面。
7月は、2階席の「米常」という大きい看板。
そして11月は、桟敷席を組んだパイプに貼られた「テッポウ厳禁」の貼り紙。
それぞれ年1回なだけに、私の場合、今だと、ああまた今年も冬が近いのだ、というような季節感と結びつく。

式守伊之助木村庄之助を襲名すると発表された。
今の伊之助は、まだ幕内格で木村威喬と名乗っていた頃から、行司らしい行司だなあと思って好きだった。
立行司になった時は嬉しかったものだが、とうとう最高位まできたかと思うと感慨深い。
もっとも、年齢的にはすぐ定年になってしまうようだが・・・。

歴代の庄之助、伊之助では、私が相撲を身を入れて見始めた昭和40年代半ばのコンビ(25代庄之助と22代伊之助?自信はないが)がいまだに最高だと思う。
庄之助の風格は、東野栄治郎の黄門様のようだった。
それから伊之助は、時間いっぱいから合わせる際に、左手を、さあどうぞ、というようにかざすしぐさがよかった(これは当時一緒にテレビを見ていた母が指摘したもの)。

さて取組だが、露鵬は、好調の栃乃花に立ち合い張って主導権をとり、以後スムーズに突いて快勝。
この人は身体はいいし、こういう相撲をとれるとやはり強いものがある。
はたきに行ったりするような相撲のムラがなくなれば上位に定着できると思うが。

時天空豪風を一方的に突いて押し出し。
上背の差を生かした相撲。
この人の場合、こういう離れた相撲もいいかもしれない。

安美錦が珍しい大逆手で高見盛に逆転勝ち。
高見盛はさすが好調なだけあってうまく二本を差し勝ったが、寄る時の腰高が敗因。安美錦のねばりもほめるべきだろうが、高見盛側からは勝てた相撲だった。工夫がほしいのはこういうところだ。

安馬は体重差のある雅山に突かれてつけいるチャンスを見つけられないまま終わった。
同じ巨漢に昨日はああいう勝ち方ができるのだから、相撲は難しいし面白い。

稀勢の里は、昨日の快勝が帳消しになる、内容のない敗戦。
全敗の出島に二本入れられての完敗。今日についてはまったく甘いというしかない。
力はあると思われるだけに、それが全部出しきれないのが残念だ。

旭天鵬はふところの深さを見せて北勝力に逆転勝ち。
身体も今が一番充実しているように見える。
やはり実力者と言うべきだろう。

琴欧州はスムーズ。
左から張って左四つに組んだ時点で、相手が岩木山であればまずは有利な形を作れた。
間を置かずに出たが、寄る体勢もよかった。
体重のある相手だが、上背の利をいかした。

琴光喜玉乃島に勝ったものの、いい内容とは言えない。
頭から当たってはいるが、すぐさまはたいたのはいただけない。
自分の相撲というものが定まっていない感じだ、
正面解説の高砂はほめていたが。

千代大海白鵬は、白鵬有利と見ていたが、突っ張り合いの熱戦で最後は突き負けた。
双方途中で少し引く場面もあったが、基本的には見応えのある突き合いだった。
白鵬が突いても充分とれることがよくわかる相撲だったが、調子を上げ気味の千代大海にとって本職の突きということで、まだ大関の方がこういう相撲では一枚上ということか。
白鵬にしてみれば、突き合いの中でどこかでつかまえられなかったか。
2敗を保って横綱を追ってほしい一人だっただけに残念だ。

魁皇垣添に万全。
今日の相撲など見ていると3敗もしているのが不思議になる。

朝青龍普天王に快勝。
万全でない相手ではあるが、流れがスムーズだった。

横綱全勝での勝ち越し。今後星を落としても多くてせいぜい2つだろうから、1敗2敗組が離れずについていけないとすると、場所の興味は大きく薄れる。どうなるか。