naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

1月場所11日目

終盤戦。

北勝力北桜は、期待されたが、内容的には終始北勝力がリード。北桜は何とかつかまえようと必死だったが、結局組むことができなかった。それだけ北勝力の突きが強かったということだ。
元気者同士のいい相撲だった。

土佐ノ海は、いい当たりだったが、その後うまく身体を運べず自滅の格好。
5勝6敗とやや苦しくなった。今場所は調子自体はいいと見えるだけに、踏ん張ってほしい。

稀勢の里は、踏み込みが今一つ。豊桜に攻め込まれる形となったが、何とか盛り返して白星。前に出ようという姿勢はいい。今日は左四つで腰を落として寄る形がよかった。
5勝6敗。何とか勝ち越しまで持っていってほしいが。

垣添は、どっしりと重く今場所好調な春日王を押せるかどうか、と思って見たが、いいハズ押しがツボにはまって、目のさめるような相撲で快勝。

安美錦のうまみが光った。安美錦は、出てきた頃に比べると身体も大きくなって、もはや小兵とは言えないし、彼の技能をもってすれば、もっと勝てると思うのだが、今ひとつ目立った存在にならないのは、やはり膝か。

安馬時津海は、期待の一番だったが、時津海がこれ以上ない充分な形を作り、さすがに安馬もしのぎきれなかった。
安馬とすると、立ち合いにのどわを交えた突きの相撲で行ったのは失敗ではなかったか。くいつく形を作りに行った方がよかったと思うが。
しかし、途中で出た二枚蹴りは見せた。あれが決まればかっこよかったのだが。
その昔、藤ノ川が時たま二枚蹴りを見せたものだが、久しぶりに鮮やかな二枚蹴りを見られるところだった。

出島は、立ち合い一気に朝赤龍を押し込みながら攻めきれず、四つに渡り合ったところで、これではもうと思った。こういう形になると、出島は残り腰がない。しかし、今日はよく頑張って反撃しての勝利。ツラ相撲の本領発揮というところだ。

露鵬が勝ち越し。はたきの悪癖が出たが、雅山がそこを突いて出られず、むしろはたくことになったので、それに救われた。いい相撲とは言えないが、強いて言えば、露鵬が思い直して体勢を低くしたのがよかった。
雅山側から言うと、栃東戦の時のような、徹底した相撲でなかった。
ともかく露鵬はこれで三役をうかがうチャンスだ。

旭天鵬は、どこか悪いのだろうか。
この人本来の力が出せていない。実力者だけに、今場所は残念だ。

白鵬琴光喜は、仕切りの際に、白鵬が非常に気合いの入った顔をしていた。
立ち合いは、白鵬が昨日と全く同じ、低く腰を落として素早く左上手をとった。昨日、今日の立ち合いは完璧だ。常にこの立ち合いができれば、相当相撲は安定してくる筈だ。会得してほしい。
左はとったものの、右からの攻めの形が万全に作れなかった。それでも余裕を見せての勝ちとなったが、首をひねっていたのは、右攻めの不充分さについてだろう。
やはり、こういう相撲を見ると、琴光喜とは地力が一つ違うという感を強くする。
必ずしも万全の相撲ではなかったものの、明日はいよいよ横綱戦。これは楽しみだ。

琴欧州は、立ち渋った。残念。
しかし相撲は万全。中日から本来の相撲が続く。まわしのとり方がスムーズだし、引きつけての寄り方も形がいい。すっかり乗ってきた感じがある。
いい形で残り4日が大いに期待される。

栃東は、昨日痛そうにしていた足は、全く問題なさそうだ。
黒海の突っ張りを下からのあてがいでしのいで万全。
先代の貴ノ花が、相手の突っ張りをあてがって防戦するのがうまかったが、それを思い出した。

朝青龍は、時間一杯の塩で、「今日はどうやって料理してやろうか」と言いたげな顔をしていた。
やや調子を下ろしたか、案外手こずった。
突きの岩木山接触して組んだのはよかったが、右四つになったのは、予定外ではなかったか。
以後、相手の重さに手を焼いた印象がある。
勝った後、やや納得のいかない表情をしていたが、なめてかかったとすれば、自分で蒔いた種だ。

さて、今日はつぶしあいで破れた北桜以外、1敗組も2敗組も全員が勝った。
非常に面白い優勝争いになってきた。残り4日間、目が離せない。