３月場所４日目

幕内前半でいい相撲だったのは、武雄山、若の里、栃乃花。

稀勢の里と琴奨菊は、力の入った一番だったが、稀勢の里が前に出るいい相撲をとった。
途中右上手を切られたのはまずい。ただ、上手を取り直しに行ったのがよかった。変におっつけて出て詰めを誤ることも多い稀勢の里だが、今日はそこがよかった。

出島が時津海にいい出足で快勝。この調子が続けばいいが。

安馬は普天王を豪快な掛け投げと思ったが、物言い取り直し。
この最初の一番、安馬はいつもの厳しい攻めを見せたが、途中で右上手を切られた。右脇腹のテーピングが初日から気になっているが、やはりどこか万全ではないのだろう。
ビデオで見る限り、安馬の方が少し先に顔から落ちている。差し違えにされてもおかしくない相撲と見たが、取り直し。
小さい安馬は疲れて不利かと思ったが、普天王の動きがやや鈍く見える中、タイミングのいい突き落としが決まった。顔面を赤く染めた安馬に、普天王が臆したか。

白鵬は雅山に今日も万全。
文句なしだ。
先場所あたりは、もっと立ち合いの厳しさ激しさがほしいと思った。
今場所の立ち合いを見ていると、そうしたものはないが、これだけどっしりした低い立ち合いが毎日安定してできていれば、充分だ。
今場所いいのは、かわそうあしらおうというところが皆無なところだ。
この相撲が続く限り、大関昇進は間違いないし、優勝争いも充分できる。
やはり先場所の13勝が自信になっているのだろう。

琴光喜は露鵬に立ち合い左上手をとらせたのがまずい。
露鵬の勇み足に勝ちを拾ったが、相撲自体はいいところなし。
自分も右四つ充分なのだから、露鵬相手に自分充分になれないのでは情けない。

千代大海は北勝力に完勝。
今日はよかった。今場所一番の相撲。

琴欧州は黒海を下した。
不充分の左四つになりながら、がむしゃらに前に出たのがよかった。
蹲踞も昨日よりできていたし、これだけ動ければ大丈夫そうだ。
やはりあとは気力の充実次第だろう。

栃東は、対戦成績で分のいい玉乃島相手だけに、自信があったのだろう。問題ない相撲で３勝目。

魁皇が２敗。
今日は安美錦が終始うまく攻めた。普通、魁皇相手に自ら左四つに行く力士は少ないが、立ち合いから先に右上手をとって、左腰に食いついた。
魁皇は、両まわしに手がかからぬまま、安美錦の動きに翻弄された。
昨日と逆で、右から攻めるチャンスを全く封じられては、いくら左四つでもどうにもならない。

朝青龍は、今場所一番の相撲。
対戦成績で分のいい岩木山相手だったこともあるが、今日のスピード、力強さは、昨日までの相撲では感じられなかったものだ。