naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

取組前に昇進見送りが決まっていたとは・・・

けさの朝日新聞によると、昨日の千秋楽、白鵬横綱昇進は、取組前の段階で審判部が決断し、理事長に報告していたとのこと。

私が見た他のいくつかの新聞では、そのような記述はなく、取組後に見送りが決まったような感じに書かれているのだが、もし朝日新聞の報道通りだとすると、いささか言いたいことがある。何だかなあ、という感じだ。

というのは、昨日のNHKの放送では、白鵬雅山いずれについても、昇進問題については、今日の相撲を見てからだ、とする理事長談話、審判部談話を繰り返し紹介し続けていたからだ。

NHKサイドとしては、優勝が前日に決まっている以上、千秋楽の相撲放送を、昇進問題にからめて盛り上げたいところだ。
従って、両力士とも、客観的には厳しい要素もあることは否定できない中、その、「今日の相撲を見てから」との幹部談話に、一縷の望みを残すような言い方で放送を進めた。
特に、白鵬については、結びで横綱を破っても、2差が1差に縮まるだけ、という状況の中、「その内容次第では」という言い方を続けた。その根拠として再三引用していたのが、「ともかく今日の相撲を見てからだ」であった。

そして、すべての取組が終わった。
ほどなく、審判部が理事会の招集を要請しないとの情報が入ってからは、正面実況の刈屋アナ、向正面の舞の海を中心に、いかにも残念との話となり、朝青龍の表彰に入ってからも、「場内のこの盛り上がりの意味するものは」など、未練たらたらの会話を繰り返した。
いつまでもそんな話に終始するのは、さすがにちょっと行き過ぎの感があり、優勝した朝青龍にも失礼と感じた。

しかし、刈屋アナがけさの朝日新聞を読んだら(たぶん読んだだろうが)、さぞ落胆したことだろうと、ちょっと同情する気持ちになった。
自分が一所懸命に放送を盛り上げ、頑張って視聴者の興味をつないだつもりだったのに、実際は自分が放送席につく前に、見送りが決まっていたなんて・・・。

NHKのことは別にしても、協会が、実際の千秋楽の取組を見る前に昇進見送りを決定した、ということには、真面目な話、疑問がある。というか、問題がある。
少なくとも、取組前に見送りを決定したなら、「今日の相撲を見てから」という談話を出してはいけない。白鵬本人に対しても、相撲ファンに対しても嘘になるからだ。

私個人としては、「白鵬昇進、雅山見送り」が望ましいと思いつつも、白鵬昇進見送りの理由として報じられている考え方をおかしいとまでは思わない。確かに白鵬本人が負けすぎて、優勝争いにおいて、横綱の独走を許した事実は動かし難いからだ。
しかし、やはり、実際の相撲を見てからの判断にすべきではなかったか。たとえ同じ理由で見送るにしてもだ。

あれだけ渾身の相撲をとり、横綱の全勝を阻止した白鵬にとっては、何とも報われない話ではないか。