naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

11月場所13日目

幕下の下田が1勝6敗と大負け。15枚目格付け出しで優勝、1場所で関取昇進がありえたのに見送られ、くさったか。来場所はだいぶ下に落ちてしまうだろう。出直しだ。

十枚目の海鵬が勝ち越し。あと2日頑張って2ケタをめざしてもらいたいものだ。

高見盛が、本当に久しぶりの好調だ。けんか四つの栃乃花に、右からおっつけて差し、すくうようにして決めた。持ち味を出した相撲がとれている。

新入幕同士、鶴竜安壮富士は、安壮富士が立ち合い右前まわしをとるのが速く、腰を沈めての出し投げ。
前半好成績だった鶴竜は、ここへきて失速、一方の安壮富士は、前半不振だったが、ここへきて持ち直し、両者6勝7敗。

把瑠都玉春日を破って連敗を3で止めた。
立ち合い例によって引っ張り込みにいき、果たせなかったが、今度は左右からはさみつけるようにして、頭までつけて前に出た。
大きな把瑠都に頭をつけられては、玉春日としてはどうしようもない。

ただ一人2敗の豊真将旭天鵬との対戦。
今日の豊真将も、昨日と同様に今場所それまでの自分の相撲ではなかった。昨日のように上位戦でなく、平幕同士の対戦だが、優勝争い二番手のプレッシャーはあったのだろうか。
立ち合い当たってすぐ左前まわしをとり、下手は充分。
しかし、旭天鵬が今日は両まわしにこだわらず前に出たので、豊真将は土俵に詰まった。
これを残して、右からおっつけて攻め返したところ、小手に振られて少しぐらついたが、そこは下半身が安定している豊真将、落ちることなくついていった。
勝負が決まった青房下、引く旭天鵬とついていく豊真将の動きが、古い話で恐縮だが、昭和44年3月場所2日目、大鵬45連勝でストップの戸田戦を思い出させた。
これで今日の朝青龍の優勝決定はなくなった。

栃乃洋が珍しく激しい突きの相撲。北桜を圧倒した。

豊ノ島垣添は、非常に見ごたえのあるいい相撲だった。
序盤、激しくかつ厳しい突き押しの応酬。途中から頭四つで動きがしばらく止まったが、そこからまた互いに激しい動き。最後は疲れの見えた垣添よりも僅かに動きにまさった豊ノ島が送り出した。
豊ノ島は勝ち越し。

出島は、朝赤龍にはたかれたが、落ちずについていった。9勝目。何とか2ケタ勝ってほしい。

岩木山が、必死の相撲で豊桜を破って初日。気迫が伝わってくる相撲だった。

安馬は、今日も今一つの相撲。
立ち合い突いて出て、すぐ左上手をとって投げにいったが、右が豪風の首をまく形だったので、相手を呼び込む格好になり、やや危なかった。
ただ、組んだことで基本的には安馬に有利な体勢ではあったので、気を取り直したように再度しっかり攻めて4勝目。
負け相撲であっても、見る者に訴える相撲をとる安馬だが、今場所については、勝ち相撲にさえそれがない。

大関を破りながら昨日早くも負け越してしまった普天王安美錦の対戦は、立ち合い互いにいい当たりだったが、安美錦がすぐ相手を呼び込むように引いてしまい、普天王も上手がとれない体勢だったが構わず出た。安美錦は負け越し。雑な相撲だった。

黒海は、立ち合い露鵬を右のどわで攻めたが、これをはずされ、露鵬は左差し右おっつけでまっすぐ出て一方的な相撲となった。
今場所の調子の差からはやむを得ない結果。露鵬は7勝目。

稀勢の里琴奨菊は、楽しみな一番だったが、やや一方的な相撲になった。
相四つなので当然左四つに渡り合ったが、琴奨菊が左からすくって差し、右からおっつけて上手。あとはがぶって決めた。
稀勢の里は右腕が万全でないためか、おっつけたり上手をさぐったりという動きができなかった。
今の身体の状態を別にしても、左四つの相撲については、自分の型をきちんと持っている点では、琴奨菊の方が上だ。琴奨菊は7連勝で勝ち越し。一方の稀勢の里は6勝7敗。残り2日の星によっては入れ替え戦の意味合いが出てくる勝負だった。

6勝6敗同士の対戦、雅山は、時天空との一番、立ち合いが2回合わず、3回目に立ったが、既に気力が抜けてしまったような相撲で、時天空の肩すかし気味の下手出し投げに落ちた。
雅山7敗、時天空7勝。この違いは大きい。

魁皇は過去8勝16敗と分が悪い琴光喜との対戦。
立ち合い琴光喜が右に動いた。このねらいがわからない。上手をとりにいくなら左に動かねばならない。
ともかく魁皇は左差しに成功、互いに上手がとれない形ながら左四つ。
魁皇としては有利な体勢なのだが、昨日の横綱戦同様、ここからおっつけたり左からすくったりして上手をとろうという動きに乏しい。
それでも結局は上手をとってあとは万全の寄り。
この攻めの乏しさが、不調とは言えないが、絶好調とも言えない今場所の魁皇の評価が微妙なところだ。
しかしともかく2ケタ。引退覚悟で臨んだカド番場所としては上々だろう。

琴欧洲は、立ち合いの左上手が実に速かった。
右四つに組み止めたことで、まずは安心して見られる相撲となった。千代大海は内掛けで抵抗したがそこまで。琴欧洲の上手投げが決まった。
両者これで9勝。
琴欧洲には、明日の横綱戦、期待したい。

朝青龍栃東は、栃東に意地を期待したが、やはり今の栃東にそこまで望むのは酷だった。
よくとったとは重う。立ち合い低く当たっておっつけで攻め、右が入った。
右四つ、しかも横綱に上手を与えない体勢になったことで、以後の展開に期待を持ったが、悲しいかな栃東の状態がよくないので、動けない。
横綱はすぐ左上手をとり、頭をつけにいく互角の形。この後、栃東の頭が上がってしまい、万事休した。
栃東としては、ケガをした中での相撲であれば致し方ないところだ。

全勝 朝青龍
2敗 豊真将
3敗 魁皇

今日の優勝はなかったが、明日優勝決定の可能性は濃厚だ。琴欧洲が意地を見せてくれればと思うが、仮にそういうことになっても、千秋楽の千代大海には、今のケガの状態からはほとんど期待できない。
優勝自体はもう動かない。いつ決まるかだけだ。