naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

3月場所11日目

海鵬が久しぶりに中入り後の土俵に上がり、十文字にうまさをみせた。もう一度幕内に戻ってきてほしいものだが。

若の里は、岩木山に立ち合い右から張って、左差し。差し手を返しながら右からのおっつけで崩し、1年ぶりに幕内での勝ち越し。
岩木山は負け越し。首の故障が回復していないのかもしれないが、今場所の岩木山は、この人らしさがまったくない。

嘉風は、星が上がっていない春日錦に突き負けて、負け越し。
身体の小さい嘉風が突き押し相撲でいくならば、突き方にもっと工夫が必要だと感じるが、今日のNHK正面解説の出羽海親方の意見では、突きだけでなく、別の相撲を身につけた方がいいとのこと。確かにその方がいいかもしれない。

安美錦は、右四つ得意の霜鳥に、右四つから左上手をとられる苦しい体勢だったが、左からおっつけて霜鳥の右差しを徹底して嫌い、相手が出てくるところを下手投げで逆転。
この人らしいうまさを見せた。

2敗同士、期待された黒海栃煌山の対戦はあっけなかった。
黒海は肩に力が入りすぎていたか、立ち合いに左足が流れ、のめって落ちてしまった。
栃煌山は別にはたこうとしたわけではない。黒海の自滅。
最後の仕切り、黒海がなかなか手をおろさず、栃煌山が両手をついて待つ形になったが、この時のぶれない仕切りは、新入幕らしからぬ立派なもので、感服した。相当精神的に落ち着いている。

鶴竜は、相撲がちょっと悪くなってきた。垣添が突いて出ると、すぐ引いた。以後もまわりこみながらの相撲で、最後はかわしてのはたき。
勝つには勝ったが、ほめられない相撲。

時津海が地力を見せた。立ち合い当たった瞬間、左上手をがっちりとり、右も差して高見盛を一気に寄った。
高見盛は、両まわしとも手がかからず、左まきかえを試みたが、そこをつけいられて、後は下がるしかなかった。
高見盛としては、むしろ左四つの相撲をとるべきだったか。

玉乃島豪風の引きに乗じて勝ち越し。玉乃島は、重みを感じさせる相撲だった。

安馬時天空も楽しみな取組だったが、内容は一方的。
当たり勝ったのは安馬。踏み込んで右前まわしをとって左四つ。
時天空も肩越しに上手をとったので、ふところが深いだけに、これで戦えるかと思ったが、攻めたのは安馬の方。上手を引きつけて前に出た。
安馬の相撲は非常にすばらしかった。時天空としては、やや無策だった。

琴奨菊が復調してきた。朝赤龍に左四つからのがぶりが出た。

琴光喜豊ノ島を破って勝ち越し。
立ち合いに頭からいい当たり。豊ノ島がもろ差しねらいにくるところを、右から小手に振って逆に二本入れた。
地力の違いを見せつけた感じの相撲だった。豊ノ島は、立ち合い負け。

琴欧洲稀勢の里、過去4勝4敗のライバル対決は、今場所ぱっとしない琴欧洲が、別人のようないい相撲。
稀勢の里も頭から当たっていったが、琴欧洲はすぐにもろ差し、いっぺんに出た。
稀勢の里は何もできず。一方的に敗れた。

1敗の白鵬と2敗の豊馬将の、これも好取組。
豊馬将は仕切りがいい。それにほれぼれとするようないい身体をしている。太股フェチの私としては、この力士の太股は見ていてたまらない(笑)。
さて相撲だが、短いが非常にいい相撲だった。
突き合いから、白鵬がすばやくもろ差し。豊馬将も必死のよく攻めたが、地力の差はまだまだ歴然としているという感じだ。
ただ、正面土俵に詰まった豊馬将の小手投げに、白鵬が落ちたのが気になった。物言いがつくような格好ではなかったが、初日の稀勢の里戦を思い出した。
白鵬という人は、時々上体だけが前に出て、勢いがつきすぎてつんのめることがある。あわてずにもう少しどっしりと構えて出る相撲をとってもらいたいと思う。

今日の魁皇は強かった。千代大海が突いて出ようとしたが、うまくその突きをはずして左四つに組み止めた。これで勝負あり。
明日の横綱戦でもこういう相撲がとれるようなら、勝ち越しも見えてくるが・・・。

結び、朝青龍栃東は、横綱の完勝という相撲になった。
立ち合いすぐにいい位置の右上手をとって左四つ。
栃東も低く当たって、下から起こしにいこうとしたのだが、右四つならまだしも左四つに組んでしまって、しかも上手がとれないのでは苦しい。
最後は横綱が右から強烈に引きつけての上手投げ。栃東の身体が一瞬浮いた。

1敗 白鵬
2敗 朝青龍栃煌山

混戦もだいぶ整理されてきた。
白鵬が有利であることは間違いない。ともかく、横綱との直接対戦まで1差のままでいってほしい。
直接対戦で並べば、横綱有利の展開に変わる。
しかし、栃煌山も不気味だ。残り日数からして、そう何番も上位戦は組めないだろうから。