アイマスクの人

毎朝の通勤では、大体決まった電車に乗るので、同じ車両で、いつも見知った顔と出会うことになる。

３月にダイヤ改正があったので、それまでと微妙に時刻が変わったのだが、それを機に会うようになった人がいる。

その人は、私が乗車すると、たいてい近くのシートに座っている、そうだな、30ちょっと過ぎくらいの男性なのだが、この人がちょっと特徴的なのは、黒いアイマスクをしているのだ。

アイマスクは、国際線の飛行機などでは見かけることがあるが、ＪＲの普通の通勤電車で、アイマスクをして座っている人というのは珍しい。
最初はちょっとびっくりした。

私と同じで、通勤電車で座って寝て行くのが好きなのだろう。
アイマスクをしないと熟睡できないのかな。
しかし、熟睡してしまったら、私のように、下りるべき駅で下りられずに乗り越したりしないんだろうか。
他人様のことながら心配になる。

けさもいた。
新木場で下りる時に見てみたら、もういなかった。
どっか手前の駅で下りたのかな。
あ、一緒に新木場で下りたのかもしれない。
明日は隣に座ってみるかな。

話のついでにもう一つ。

りんかい線天王洲アイル駅から地上に出て、ＪＡＬビルの前を会社に向かって歩いていると、たいてい毎日その時間に、向こうからカップルが歩いてきてすれ違う。彼らもこれから通勤なのだろう。
30歳前後くらいだろうか。女性の方が年上っぽい。
このカップル、いつも仲良く手をつないで楽しそうに笑いながら歩いてくるのだ。
幸せなんだろうな。いいな。うらやましいな。
ケンカしたりしないのかな。前の晩とか朝の出がけにケンカしたら、さすがに手をつながないんだろうな。
そんな、どーでもいいことを思いながら、すれ違っているのである。
もちろん彼らは、すれ違う中年のオヤジがそんなことを思ってるなんて、想像もしてないだろうな。

　　(追記)18日(金)朝、アイマスクの人が、新木場駅で下りるのを目撃。一緒だったんだ。
　　　　　　さすがに下りる時アイマスクははずしていました。