naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

7月場所初日

名古屋本場所は50回目とのこと。私の場合、物心ついて相撲を見始めた時には、既に年6場所制になっていた。氷柱の金山体育館の話は、伝説としてしか知らない。

テレビに映る館内、赤地の「米常」の看板は、私にとっては季節の風物詩だ。あれを見ると、ああ、今年ももう7月か、と毎年思う。

オリンピックおじさん、山田さんが、名古屋まで遠征。さすがに向正面中央はとれなかったようだが、東の花道の上のあたりにいた。

さて今日の一番の楽しみは、新横綱白鵬の土俵入りだ。
今さら言うことでもないが、大関以下が、全員一緒の土俵入りなのに対して、横綱となれば、太刀持ち露払いを従えて、一人ずつの土俵入り。
やはり、横綱大関は全然違う地位なんだ、と改めて実感。
白鵬は長身なので、綱を締めて土俵に上がった姿がやはり立派だ。

新入幕の豊響が一気の出足で海鵬に快勝。
愛知県の豊橋市に、豊橋交響楽団というのがある。
このブログに何度も書いている、元浦安オケの仲間、びんちゃんが今、所属しているオケである。
このオケ、仲間内では、豊響」(とよきょう)と称しているらしい。
力士の方の豊響は、十両昇進から順調な出世でとうとう新入幕。
豊響(オケの方)の皆さんにも、今場所はご当所だし、豊響(力士の方)を応援してほしいと思う。
一方の海鵬、久々の返り入幕で残念な初日。致し方ないところか。

同じ返り入幕の把瑠都は、土佐ノ海との一番、まったく立ち合いの踏み込みなし。どうしたことか。
土佐ノ海が下から押し上げ、最後は浴びせ倒し。
把瑠都はもろくも仰向けになった。
先場所は、無敵の14勝1敗で十両優勝した把瑠都だが、どうしたことか。
失礼ながら、土佐ノ海あたりにこんな負け方をしていてはどうしようもない。
土俵を下りて、ずいぶん右膝を痛そうにしていたが、心配だ。

里山が低く当たって、左前みつをとったものの、北桜は、右から深く差して、その差し手を返して走った。力強い相撲。

首を痛めているという龍皇、立ち上がってから大きい栃乃洋をなかなか突きづらそうにしていたが、栃乃洋に攻め込まれはしたものの、最後は赤房下に出た。

普天王は相手鶴竜より早く立って左差し、前に出た。
しかし、鶴竜は攻め込まれながら右上手をとって、これを引きつけて寄り返した。
鶴竜の力の強さを感じさせられた一番。

栃煌山稀勢の里、この取組が幕内前半戦に組まれるというのはさびしい。
栃煌山は腰の状態がよくないとのことで心配したが、立ち上がってからの相撲は、栃煌山の一方的な内容。
稀勢の里が左右からはさみつけるようにおっつけたが、栃煌山は二本差せたのに乗じていっぺんに前に出た。
稀勢の里は、右からのおっつけはいつものパターンだが、左からどう攻めたかったのかがよくわからない。中途半端な印象。
もろ差しからの攻めに進境を見せる栃煌山に対しては、何としても左は差し勝つという姿勢が必要だったのではないか。
依然として相撲が固まらない印象だ。

豊馬将は、立ち合い玉乃島に踏み込み負けた。
しかし下がりつつも左を差し、右からおっつけて一気に白房下にもっていった。
玉乃島は右上手がとれず、左もいいところをおっつけられては、どうにもならなかった。

雅山は、何故立ち合いもっとガンと当たらなかったのか。ふわっとした立ち合いになり、前に出たのは豊ノ島。低く攻め込んで、そのまま正面に押し出した。
雅山がどうとろうとしたのか、わからない。
しかし、豊ノ島は、取組後右肩を痛そうにしていた。大丈夫か。

高見盛は、左前まわしに手がかかったが、露鵬に左上手のいいところをとられて、後は露鵬の流れ。

関脇2場所目の安馬は、過去8戦無敗の豪風との対戦。
安馬は、立ち合いからいつものように厳しい攻めで、左差しの体勢を作りかかったが、豪風が一か八か、右から小手に巻いてふりまわした。
これが九分九厘決まりかかったが、安馬もしぶとく残し、青房下でのひっかけで逆転。
安馬がひじをとても痛そうにしていたが、どうか。

ご当所で史上最年長の大関昇進をめざす琴光喜は、過去13勝13敗と五分の若の里との対戦。
若の里も、かつては大関候補と言われた力士。久々に上位に戻って、この一番で意地を見せたいところだ。
琴光喜は、立ち合いに攻め込んだが、ややばたばたした雑な印象。
若の里が先に上手をとり、頭をつける体勢に持ち込み、これは琴光喜としてはまずい体制。やはり昇進場所のプレッシャーがあるのかと思われた。
しかし、琴光喜も必死だったのだろう、そこから右差し手をつきつけるようにして西土俵に攻め込んで浴びせ倒した。
琴光喜には珍しい攻め方だが、どうしても勝たねばという気持ちを感じた。

私としてはいまだ期待したい琴欧洲が、ふがいない相撲で出島に初日早々の土。
琴欧洲は立ち合い迷ったようで、左に動き加減に伸び上がるようにして上手をとりにいった。
しかし、出島は立ち合い低く入り、二本差してそのまま白房下へ一気に寄った。
出島の完勝と思われたが、何故か軍配は琴欧洲。当然の物言いだったが、協議は簡単に済んで、差し違えで出島の勝ちとなった。
そもそも、この展開で大関に軍配が上がること自体、ちょっと考えられない。
おそらく、行司としては勝ち負けの判定は間違わなかったものの、軍配を挙げるに際して、勝った出島がどっちの土俵から上がったのか、一瞬わからなくなっただけではないのか?

史上一位の大関在位51場所目の千代大海は、朝赤龍との対戦、立ち合い一瞬早く踏み込み、細かい突きでいっぺんに出た。
出島が大関昇進を決めたのが、8年前のこの7月場所。また、千代大海が頭角をあらわしてきたのも、その1年前の7月場所だったのを思い出した。

魁皇琴奨菊、新旧世代を代表する同士の対戦は、琴奨菊が思いきって当たったが、魁皇がうまく相手との距離をとり、右に体を開きつつはたきこんだ。
老練の大関が若手をさばいたという感じの相撲だが、魁皇としてはいい相撲とは言えない。

さて、いよいよ新横綱白鵬の相撲。今日の相手は力をつけてきている時天空
しかし、内容的には問題なし。
横綱、初日の緊張はやはり見られたが、よく突いて攻めたし、途中一瞬両者が離れて動きが止まったところは相手をよく見ていた。あそこで時天空が機敏に攻めていたらどうなっていたかわからないが、互いに動きが止まったことで、白鵬ペースの相撲となった。
最後は左上手にがっちり手がかかって、赤房下に寄って決めた。
決して流れは円滑だったとは言えないが、よく動けているし、相手もよく見えているようだ。まずは上々の初日。

結び、朝青龍安美錦は、先場所安美錦が勝っている取組。あれが、千秋楽までの大崩れのきっかけになった。
さすがに2場所続けて優勝を逃し、新横綱誕生の場所、土俵入りの時、また仕切りの間も、さすがに相当気合いの入った顔をしていた朝青龍だったが、結果は首をかしげる相撲になった。
先場所終盤の崩れの原因とされた両ひじには、サポーターをしていない。モンゴルで治療してきたとも伝えられた。
ただ、土俵入りの時に、右足の四股をそっと下ろしていたような気がしたので、それは気になっていた。
実際立ち上がってからの相撲を見ていると、やはり動きがよくない。踏み込みがないし、攻め込めない。
存分に相撲をとれていたのは安美錦の方だった。
先に右上手をとったのは安美錦。そこから安美錦が休まずに動き、右から足を飛ばして崩した。
朝青龍は差した左一本で攻めようとしたが、上手がとれない状態で、この安美錦を攻めきるだけの動きのよさがない。
朝青龍は青房下に攻めて出たが、そこで安美錦が体をかわすと、足を出してしまった。
先場所に続いて、安美錦に連敗。下位の力士に連敗というのは、これまでなかった。
また、先場所からこれで5連敗だ。

やはり、今日の相撲を見ていると、朝青龍が万全な状態であるのか心配になる。ひじ、膝・・・。
白鵬は順調なすべり出し。
朝青龍としてはここで踏ん張らないと、一気に存在感が薄くなってしまうところだ。
明日以降どうか。