naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

敬語は難しい

日本語の難しさの一つに敬語があるという。

書店に行っても、敬語の本はたくさんある。

私は、親のしつけのおかげもあって、子供の頃から国語は比較的得意な方だったから、敬語についても、まあ人並みには身につけているつもりではある。

ところが、つい最近(2、3年前くらい?)まで知らずにいて、「これまでずっと恥かいてきたんだ・・・」と思った言葉が一つある。

「持参」という言葉だ。

言われてみれば当たり前なんだけど、「持って参る」なんだから、謙譲語なんですね、これ。

でも、それとは気がつかず、これまでず~っと、半世紀近く過ごしてきたのです。

会社で、会議の案内とか、よく書くが、そういう時に、「当日は○○をご持参下さい」とか「持参物は・・・」とか、長年平気で書いていたのだ(汗)。

正しくは「お持ち下さい」「お持ちいただく物は」ですね。

こちらが「持参します」はいいんだけどね。

いやあ、気がつかなかった・・・。

もう一つ。これは他人の話。

毎朝の通勤では、新木場駅京葉線を下りて、りんかい線に乗り換える。
大体8時前だ。

この時間帯、新木場駅のホームアナウンスをやっている駅員さん。
非常に滑舌がよくて、声も明るく、てきぱきとあれこれのアナウンスをしている。
ちょっとしゃべり過ぎでうるさいと感じる時もある。

この駅員さんが、繰り返し繰り返し言っている一つが、「電車が到着すると、たくさんお客さんが下りるので、ホームで待っているお客さんは、ドアの前を広く空けてくれ」という指示。

その時に使っている敬語。
「電車、到着致しますと、中からたくさんのお客さまが下りてまいります。ドアの前を広く・・・」

「下りてまいります」は謙譲語ですね。

この駅員さん、何度も何度も「下りてまいります」と言っているのだ。
せっかく、滑舌のいい、さわやかな青年(たぶん)なのに、惜しいな、と毎朝思っている。