３月場所２日目～どうしたのか？琴光喜

市原が休場。来場所は十両陥落確実だ。この人の本領を見ることはまだしばらくできないようだ。

境澤と龍皇は、龍皇が突いて押し込んだが、境澤はこれを残して逆襲。龍皇も引きをみせたため、境澤が一気に走った。

海鵬と豊馬将は、豊馬将がよく前に出た。まわしをほしがらず、おっつけ気味の攻め。
久々に復調してきたか。

豊響が、いつものように相手ののどのあたりを押し上げて攻めたが、栃煌山はこれをこらえ、浅く右差し、左おっつけで前に出た。今日も前に出る力を感じさせる相撲だった。

嘉風はいい当たりを見せたが、高見盛も当たった瞬間にすぐ右がのぞき、得意の右四つに持ち込みかかった。嘉風が首投げを見せるところ、送り倒し。高見盛としてはいい流れの相撲。

豪栄道が力強い相撲。
普天王得意の左四つになったが、豪栄道の方が右前まわしが早く、左下手もとり、普天王に上手をやらない。さらに頭をうずめる格好。
相手得意の左四つの体勢ながら、豪栄道は右ひじを締めてひきつけての堂々たる寄り。
地力は普天王の方がまだ上だと思うが、攻めの速さ、厳しさが違った感じだ。

把瑠都が、今日は露鵬にいい相撲。
立ち合いから左四つのいい形を作って向正面に寄った。露鵬は右ひじがよくないので相撲がとれなかったところもあるが、把瑠都としては、いい流れだった。
仕切り中に、把瑠都は自分の相撲を見失っているとの談話が紹介されていたが、今日のような相撲が続けば、自信も回復してくるだろう。

若ノ鵬が、連日いい相撲。立ち合い、右四つに組み、左右ともまわしをがっちりとって、若の里に岩手をとらせない。
左の外掛けを飛ばして崩し、寄った。
右四つで力の出る若の里に完勝。今場所の若ノ鵬は、ここまでのところ、非常にいい。

黒海は、いい当たりをして、頭を下げ、浅いもろ差しからいっぺんに前に出た。
旭天鵬は、今日はまわしにまったく手がかからず。

安馬は、鋭い当たりで豊ノ島を押し込み、右からとったりでたぐった。終始先手で動き、最後は突き放し。腕がよく伸びた。安馬らしい、動きのいい相撲だった。

琴奨菊に時天空は、立ち合い左四つ。両まわしを先にとったのは時天空で、琴奨菊は上手がとれない。琴奨菊が右からおっつけようかというところを、ちょうどタイミングよく、時天空の右からの出し投げが決まった。
時天空の懐の深さにやられたというところ。

琴欧洲と豪風は、琴欧洲が立ち合い左から張って、右をのぞかせ、左からも抱え込むようにして、上手をさぐりながら前に出た。
今日の動きはまずまずだったが、安定感には欠ける。
相手が、もっと動きがよく、技も出せる力士だったらどうだったか。

千代大海は、安美錦にまわしをとらせず、よく突いた。最後は痛い右で決めた。
相性のいい相手だけに、昨日ほど苦労せずに２勝目。ちょっとほっとしただろう。

魁皇は、今日は昨日とは別人のような力強い相撲。
立ち合い踏み込みよく、右から雅山の左をはねあげて押し込んだのが効いた。
そして左四つ。最初は互いに上手がとれない形だったが、魁皇は右からおっつけて上手をとり、ひきつけて寄った。魁皇は、休まなかったのがよかった。

琴光喜は、立ち合いにつっかけた。内心のあせりが感じられるつっかけだった。
立ち合い、稀勢の里は右から張って左差し、右からおっつけて攻めると、琴光喜は、昨日と同じで、ただ下がるだけ。まったくこらえる場面がなかった。
負けるにしても、負け方というものがある。昨日今日の相撲を見ていると、琴光喜は、どこか悪いとしか思えない。放送の中では、尾車親方が｢心配ですね｣を繰り返すだけ。藤井アナや、花道リポーターからも何の情報もなかったが、どうなのだろうか。

白鵬と朝赤龍は、朝赤龍が立ち合い低く当たって左差し。左四つになった。互いに上手がとれない体勢。
朝赤龍は頭をつけて食い下がったが、白鵬は右から相手の左差し手をはねあげるようにしてふりほどき、前に圧力をかけておいてからはたいた。
昨日今日と、爆発的な強さを感じさせる相撲ではないが、落ち着いているし、力強さは感じさせる。

朝青龍と鶴竜は初顔の対戦。
朝青龍が立ち合い右から張ったが、鶴竜はひるまずに頭を下げてもみあい、左四つになった。
本来なら、朝青龍得意の左四つでもあるし、横綱は鶴竜に体勢を作らせる場面を許さないところだが、この一番については、そこがやや甘く、鶴竜も右上手をつかんだ。
左四つがっぷりの形になったことで、あるいは、力の強い鶴竜が引きつけて見せ場を作れるかと期待したが、やはりそれは無理だった。力比べでは、まだまだ朝青龍の方がずっと上だった。
朝青龍の引きつけで鶴竜の体が浮き、土俵下にふっとばされた。やや無用のだめ押しという感じがあった。
鶴竜は完全に力負け。