naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

3月場所5日目~朝赤龍の巧さ、安馬の厳しさ

境澤は、今日は白露山の低い体勢からの寄りを残せず。

若麒麟は、今日は龍皇にいい突きが出た。

4戦全勝同士、豊馬将皇司の一番は、豊馬将が踏み込んで、よく前に出て攻め、左からの出し投げで決めた。前に出る圧力が感じられる。

豊響がどうもいけない。垣添を押し込もうとしたが、はたかれるとあっさり落ちた。依然白星なしの5連敗。

海鵬が、左四つから内掛けを交えてこの人らしいいい攻めを見せたが、左四つ得意の普天王に両まわしをがっちりとられては、さすがに苦しい。海鵬も初日から5連敗。

嘉風が、二本差して頭をつけ、春日王は両上手がとれない。しかし、この形でももちこたえてとれるのが春日王。得意の小手投げでおびやかす。異能力士だ。
嘉風もよく心得ており、面白い攻防だった。最後は投げの打ち合いで、僅かに嘉風がまさった。

岩木山栃煌山は、栃煌山が立ち合いすぐに浅くもろ差し。休まずに前に出て青房下に寄り切った。
今場所の栃煌山は、攻めの形が非常にいい。5戦全勝。

豪栄道は低く当たり、高見盛の差し身を嫌って、左腕をたぐってのとったりで決めた。

北勝力玉春日は、突き合い、もみあい。玉春日もよく粘ったが、最後は北勝力が青房下へ出て5戦全勝。今場所の北勝力は、まっすぐ押す威力がある。

黒海が、立ち合い左四つになるといっぺんに出た。今場所の栃乃洋は本当にもろい。左四つなのだから、普段ならもう少しもちこたえられるところだが。

把瑠都若の里は、左四つ、互いに上手をとっての力比べ。最後は把瑠都が引きつけての吊り寄り。
今日の把瑠都は、まずまずまともでいい相撲だった。

旭天鵬が、立ち合いからすぐに左四つ、右上手を充分にとるいい形。
露鵬は上手がとれず、これはもう旭天鵬のものかと思ったが、旭天鵬が寄って出るところ、露鵬が左下手から投げると、意外にもこれが決まった。旭天鵬としては、ちょっと不覚の敗戦。

若ノ鵬出島は、立ち合い若ノ鵬が、左上手深いところをとりにいったが、出島の出足がよく、右差し手をつきつけて一気に出ると、若ノ鵬はたまらず左上手から投げを打って相手を呼び込んでしまい、出島は向正面に一方的に寄った。

朝赤龍鶴竜は、見ごたえある攻防。鶴竜が二本差したが、朝赤龍は頭をつけて食い下がり、むしろこの人としては力が出る形。
左上手を引きつけ、右からも攻め勝って、寄り切った。

安馬が実に厳しく、速い相撲。立ち合い稀勢の里を突き起こしておいて、二本入れ、稀勢の里が左をまきかえるのも構わず、一気に出た。
稀勢の里という人は、初日の朝青龍戦もそうだったが、仕切りの間は、ものすごく気迫みなぎる表情をしていながら、それとはまったく裏腹な相撲をとることがある。今日の一番にしても、どうも甘さが見えると言わざるを得ない。

千代大海は、細かい突きで豪風を赤房下にまっすぐもっていった。
千代大海の突きもよかったが、豪風の方にちょっと策がなさすぎる感じだ。大関との対戦で、どういうふうに攻めるのか、考えが見えない。

魁皇琴奨菊は、立ち合い互いに左を入れて上手がとれない四つ。
先に攻めたのは魁皇。左下手を引きつけ、右からおっつけて上手をさぐりながら、いい出足で寄った。
魁皇もこういう相撲がまだとれるのか、という一番だった。
というか、琴奨菊がちょっと不元気ではないか。

琴光喜は、時天空との一番、今日は立ち合いすばやく左上手をとり、赤房下に一気に寄って出た。普通ならここで攻めきるところだが、それができない。
琴光喜は上手投げを打って土俵の中に呼び込む形となった。これはまずい。何が何でも赤房下で決めてやるという気力が感じられないし、わざわざ投げで呼び込むのは余分な動きだ。もたもたしていると曲者の時天空にやられるぞ、と思っていたが、相手と距離をとりながらの肩すかしで決めた。
得意の右四つになりながら、余分な動きが見える。まだまだだ。

琴欧洲は、相手が手をついて待っているのに、なかなか手を下ろさない。これはよくない。「相撲をとる気がないのか!」と言いたくなる。安美錦が待ちきれずにつっかけたのも、よくわかる。
二度目は先に手をついたが、一旦ついた手をまた上げるのもNGだ。
気持ちに迷いがあるのが、露わに出過ぎだ。
立ち上がってから、左上手に手がかかったが、基本的に安美錦の動きについていけず、常に相手の動きに対応して動いているという感じがする。
動きの中で、安美錦が低く入って東へ出ると、琴欧洲はまっすぐ下がってあっさり土俵を割った。
琴欧洲は、上体が高いし、動き負けている。安美錦は、体勢が常に低く、動きがいい。これでは、勝敗も明らかで、波乱とは言いづらい内容だ。

朝青龍豊ノ島は、先場所、豊ノ島が実に惜しい相撲だっただけに、期待したいが、これまで白星なしの4連敗での横綱戦では、どうか、というところ。
朝青龍は、立ち合い突いて、豊ノ島のもろ差しを封じておいて、左四つ。右上手が速かった。
後は、スピード。出し投げで後ろを向かせ、身体をぶつけるようにして正面に寄り倒した。
豊ノ島は、終始アゴが上がっていた。これではなかなか勝てない。

白鵬雅山は、白鵬が、立ち合い当たってすぐ右に体を開き、左からの上手出し投げ。
白鵬は踏み込んだものの、そこから前には出ていない。
連敗は免れたものの、内容的にはよくない。
白鵬本人が、勝負が決まった直後の土俵上から花道を下がるまで、ずっと不本意な表情をしていた。納得できない相撲だったのだろう。