naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

7月場所初日

NHKの放送で、元立呼出の寬吉さんが亡くなられたことを伝えていた。
いい呼出さんだった・・・。
77歳とのことだが、もう辞められてそんなに経つんだ。

将司に千代白鵬、新入幕同士の対戦はいい相撲だった。

脇腹を傷めたという栃ノ心土佐ノ海と熱戦になったが、最後、逆転の上手投げ。いい相撲だった。

旭天鵬が自分の相撲で岩木山を破った。さすが、という相撲。

先場所、今一つだった鶴竜が、もろ差しのいい相撲で黒海を一方的に破った。まわしのひきつけがよかった。

豊馬将は、左手に今場所も白いものが見える。時天空の攻めをしのいで、何とか攻めようとしたが、この人らしくなく、体勢をかためきれないままに出ている。時天空の懐の深さにはたかれた。
まだ立ち直りの兆しが見えない。

把瑠都が全然だめ。どこかではたこう、はたこうという相撲で、雅山に押された。何をやっているのか。

豪栄道も、何をやっているのか、という相撲。若の里にいっぺんに出られた。盛りを過ぎた元大関候補と、これから伸びてもらわねば困る若手。ほんとに困ったものだ。

琴奨菊が立ち合い失敗。左足が遅れ、右足も仕切り線ですべった。
勝手に崩れた格好で、栃乃洋にあしらわれてしまった。自滅という相撲だが、やはり立ち合いというのは、本当に難しいのだろう。

安馬が万全。突き刺さるように当たり、左前まわしも早く、普天王相手に右四つ。後は出し投げで文句なし。

カド番の千代大海が、いい押しで北勝力を破って初日白星。

魁皇も上手をとれば強い。朝赤龍を上手投げでつぶした。

琴光喜も自分の相撲。当たってすぐに二本差し。若ノ鵬を切って捨てた。
琴光喜という人については、こういう相撲を毎日とれたら、といつも思う。

先場所優勝の琴欧洲、放送開始から、すっかり「綱とり場所」一色になってしまっている。
先場所千秋楽に書いたように、今場所が琴欧洲の綱とりなのか、はなはだ疑問。
理事長は、14勝以上の優勝と言っているが、それが仮に両横綱を破ってのものであっても、もう一場所見たいところだ。
NHK始め報道側としては、形式を満たす連続優勝なら、何でもありという感覚なのだろう。
他のメディアはともかく、せめてNHKくらいは、慎重論を唱えてもらいたいと、私などは思うのだが、今日の一番が終わった後の、藤井アナの言い方を聞くと、今のNHKはそれとは正反対。
それにしても、いくらここのところ不戦敗を含めて5連敗中、先場所唯一の黒星を喫した安美錦相手とは言え、琴欧洲が何故こうも同じ相撲をとるのか、理解に苦しむ。
しかも、先に両手をついての仕切りだ。いざ立ってから、踏み込むこともできず、本来突き押しの相撲でもない安美錦に、どうして判で押したように一方的に押されなければならないのか。
残念な相撲だった。
しかし、とにかくそれ以上にやはり言わねばならないのは、琴欧洲が敗れた後の、藤井アナの落胆ぶりだ。あまりにも露骨過ぎて、言いようがない。
先場所千秋楽、刈屋アナが、しきりと「来場所は綱とり」と言うのに、北の富士さんはまったく乗らなかった。
新しい場所の初日、放送開始から、藤井アナも「綱とり、綱とり」の連発。
しかしだ、報道されるところでは、番付発表の日、報道陣がしきりと横綱昇進にふれることに、琴欧洲本人はいらだっていたと言う。
つまり、琴欧洲本人が、「今場所は、是非優勝して横綱になりたい」と言っているわけでも何でもないところを、放送の中で勝手に「綱とり場所」と持ち上げておいて、初日早々、苦手に敗れた途端に、「今場所の最大の焦点が半分方しぼんでしまった」という言い方は、私はいかがなものかと思う。
周囲が勝手に期待して、ひいきのひきたおしになることは、よくある。
それをNHKがやるのか、ということだ。
本人の意思と無関係に、勝手に「今場所最大の焦点」に位置づけておいて、それが早々に厳しくなったことで、逆恨みめいた言い方をするのは、大関に対して失礼ではないのか。
真に強い横綱の登場を願うなら、先場所の優勝以前の琴欧洲の成績からすれば、NHKこそが、浮かれる世論を戒めるべきなのだ。藤井アナともあろうベテランが、こういう言い方をすることに、私は大いに落胆する。
81年7月場所の千代の富士を始めとして、初日に敗れながら、残りを全部勝って横綱に昇進した例はある。
琴欧洲には、明日以降の立ち直りを期待したい。

白鵬は、相撲の前半の流れはあまりよくなかった。
今日は稀勢の里の立ち合いからの流れがよく、左を差し勝って、右上手を引きつけるのも早かった。左四つの形がよくないと、私がいつも言う稀勢の里としては、今日の相撲はよかった。白鵬は完全に後手にまわった格好。
しかし、そこから体勢を立て直し、もろ差しになったのは、さすがに白鵬で、以後はまったく問題なし。
番付の差と言うべき一番だが、白鵬の相撲としては、少々懸念が残った。

場所前、不調が伝えられた朝青龍が、やっぱりだめか、という相撲。
豊ノ島も、腰から背中にテーピングをしていて、いつものような動きの鋭さがなかったが、それよりも朝青龍の相撲が悪すぎる。
二度の寄りも、無理して前に出ている感じで、自分の体勢をしっかり作って攻めるということが全然できていない。
土俵際、豊ノ島の逆転の上手投げに、早く手をついてしまった。
波乱という感じはしない。それほど、今日の朝青龍の相撲は悪すぎる。
こういうレベルの相撲が続くようなら、千秋楽まではもたないだろう。