naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

9月場所初日

3関取解雇、理事長交代という中での初日。

武蔵川新理事長が、立ち合いきちんと手をつくように、という指示を出した。

幕内前半は、行司が手つき不充分と見て止めるケースが続出。審判が止めた立ち合いはなかった。
決して、手をついていないわけではない、チョン立ちでも止める相撲があり、ちょっとやり過ぎという気がした。

また、行司によって判断が違う場面も見られた。
嘉風戦での普天王、対将司戦での北勝力は、チョン立ちでも止められなかったが、その前には同じ程度のチョン立ちで止められた力士もいた。
同じ行司でも、豪風北太樹戦では、最初の立ち合い、豪風の手つき不充分で止めた後、2回目は、豪風の手つきがもっと不充分だったのに成立。疑問が残った。

いずれにしても、観ている方も、立ち合いが気になってしまって、何か相撲そのものが楽しめない感じだった。

相撲をとっている力士はなおさらだっただろう。
幕内前半は、各力士とも、立ち合いを気にするあまり、どこか相撲に集中できておらず、自分の相撲をとれない感じがあった。
その結果、内容的に見るべきものがない取組が目立ったように思う。
場所前の急な通達では、稽古の中で対応を考える時間もなかっただろうし、気の毒に感じた。

しかし、幕内後半になると、立ち合い不成立の取組がまったくなくなった。
行司も試行錯誤していたということかと思うが、前半なら止められていたレベルの立ち合いが次々成立するのを見て、行司も上位力士には遠慮しているのか、などと思ったりもした。

とにかく、厳しくするのはいいとしても、基準を一定させなければ、力士が気の毒だ。
このへんは、2番しか裁かない行司よりは、審判部の仕事だと思う。
明日以降、初日の幕内後半戦くらいの線で落ち着くなら、個人的にはそのくらいでいいと思う。

栃煌山は、豊響に押させずもろ差し。左からのすくい投げで決めた。いい相撲だった。

鶴竜が突きに出たが、豪栄道はこらえて右四つがっぷり。左からの出し投げで決めた。うまい相撲。

新関脇の豊ノ島は、安美錦が突いて押し込むところを、向正面で体を開いての引き落とし。勝ったが内容は今一つ。

安馬は低く鋭い立ち合いで、すばやく右前まわしをとって左四つ。相手の下にもぐった。栃乃洋の左からのすくい投げや引きにぐらつきながらも残して前に出た。
安馬のチョン立ちは、幕内前半戦だったら不成立だったが、それを恐れずにあくまで自分の立ち合いを貫いて、自分の相撲をとったというところだ。これはこれで立派だと思った。

千代大海は、当たって突こうとしたが、旭天鵬がこれを下からあてがって、逆に押し込むところ、千代大海がはたいてかわした。勝つには勝ったが内容はよくない。

魁皇琴奨菊は、魁皇に立ち合いの踏み込みがなかった。すぐに左四つ。互いに上手がとれない格好だったが、先に上手をとったのは琴奨菊。その上手を引きつけてのがぶりに、魁皇は残す腰がなかった。魁皇は終始防戦にまわり、攻める場面がなかった。

琴欧洲稀勢の里はいい相撲だった。稀勢の里が立ち合いから突き起こして先手。前に出ながら上手もとり、西に寄り詰めた。琴欧洲は上手がとれずに危なかったが、左下手から投げをうってまわりこみ、右上手をとることに成功。その上手を引きつけて西土俵に寄った。

琴光喜雅山は、終始離れた相撲。琴光喜は、雅山の突きに応戦しながら前に出た。途中はたかれてのめったが、落ちずに向正面に押し出した。

左ひじの状態が心配される朝青龍が、新小結把瑠都との対戦、まずは無難な相撲。立ち合いの左前まわしが早く、頭をつけて下にもぐった。その左前まわしからひねり、右で無双を切って決めた。
NHK正面解説の北の富士さんは、前に出る場面がなく、楽勝に見えるが内容はよくないとの評価。

白鵬が万全の相撲。朝赤龍との対戦、立ち合い踏み込みよくすぐに右差し。その差し手を返して一気に寄った。

明日以降、立ち合いの判定と、朝青龍の相撲にしばらく注目したい。