naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

3月場所14日目~白鵬取組前に控えで優勝決定

十両に落ちている豊響の相撲を久しぶりに観た。木村山をいい押しで破って優勝争い単独トップの3敗を守った。

朝赤龍が、左前まわし、右からおっつけて食いつくいい形。しかし、阿覧は、右から相手のかいなをたぐって崩し、突いて離れておいてから、左からいなして送り出した。阿覧はこれで2ケタ。

岩木山は、突いて豊桜を押し込み、相手の左をひっぱりこんでがっちりきめ、正面にきめだした。勝ち越し。

栃乃洋土佐ノ海は、ベテラン同士が持ち味を出し合った力相撲。土佐ノ海が、右前まわしをとって頭をつけ、青房下に出るところ、栃乃洋が右からの突き落としで逆転。

山本山黒海は、立ち合い、黒海の手つき不充分とみて、放駒審判長が手を挙げて止めようとしたが、行司も両力士も気づかず、だいぶ相撲をとってからやっとストップ。仕切りのやり直しになったが、両力士とも息があがってしまっていて、気の毒だった。審判長の指示に気がつかなかった行司に責任があるが、こうしたケースの場合、ある一定の時間、5秒とか10秒とか決めておいて、それ以上相撲が進行してしまったら、立ち合い成立とするのも一法ではないか。タイムを争う水泳や陸上なら、フライングは不公平になるわけだが、相撲の場合、とっている者同士が、待ったをせずに立ち上がって相撲をとっているのなら、そのままとらせても、そう問題はないようにも思うが。
やり直しの立ち合いは、黒海がいきなり張りにいったが、山本山はひるまず、左をのぞかせて向正面へ寄って出ると、黒海が右から突き落とし、微妙な勝負となった。黒海の左足が出るのと、山本山の右膝が落ちるのがほぼ同時。軍配は山本山にあがり、物言い。協議の結果、取り直しとなった。
取り直しの一番は、黒海が激しく突き起こしたが、山本山がひきおとしてあっさり決めた。山本山はこれで勝ち越し。両力士とも、実質3番も相撲をとって、さぞ疲れたことだろう。

豊真将翔天浪は、翔天浪が2回つっかけて待った。3回目の立ち合いも手つき不充分として不成立。4回目に立ち上がり、翔天浪がいきなり左に飛んではたくと、豊真将が珍しく前にあっけなく落ちた。立ち合いのやり直しが続いた影響があったかと思ったら、物言い。
翔天浪が、右で豊真将の髷をつかんだとして、反則負け。差し違えとなった。

豊ノ島千代白鵬は、立ち合いに千代白鵬がすぐに右前まわしをとった。これは豊ノ島としては、計算外ではなかったか。おそらく千代白鵬が突いてくると思ったのではないかと思う。胸が合う左四つ、千代白鵬が両まわし充分、豊ノ島は右上手が伸びる格好。そこからは長い力相撲となった。豊ノ島が右上手から投げて、正面に寄って出たが、千代白鵬が左からすくい投げで逆転した。豊ノ島は、右上手が充分でなかったことで、逆転を許した。

安美錦は、突きで垣添を押し込んで、やや深い右上手。しかし垣添はもろ差し。右差し左はずで出ようとするところ、安美錦が右からの上手投げで転がして勝ち越し。

嘉風は、立ち合い突き起こしておいてから、右に体を開いて雅山を引き落とした。動き勝ちで、7勝7敗と踏みとどまった。

鶴竜が、北勝力が立ち合いもろ手突きから右のどわで攻めたが、そののどわを左で下からはねあげてはずすと同時に、その左から突き落として相手の後ろについて、送り出した。
これで鶴竜は9勝目。来場所の新三役昇進を確実にした。

豪栄道が、琴奨菊の注文にはまった。琴奨菊が立ち合い頭で当たるとみせて、右から突き落とすと、豪栄道は右膝が入る形で崩れた。痛い星を落とした。

栃煌山が、ここにきて相撲がまったくだめになってしまった。旭天鵬が立ち合い左から張って左上手をすぐとり、向正面赤房寄りにいっぺんに寄り切った。
栃煌山は、両まわしともとれず、これで7勝3敗から4連敗、ついに勝ち越しは千秋楽に持ち越しとなってしまった。

期待はずれの関脇同士、把瑠都稀勢の里は、がっぷり左四つ。把瑠都が肩越しの右上手を引きつけ、稀勢の里は顎があがってしまった。動きが止まったが、稀勢の里が、ひじを張って把瑠都の上手を切って寄った。この攻めは悪くはなかったが、稀勢の里は上手がちゃんととれておらず、把瑠都の左からのすくい投げが、白房下で決まった。
稀勢の里としては、この相手にいきなり組みにいったのがまずかったと思う。

琴光喜豪風に敗れた。バカな相撲と言わざるを得ない。それにしても、この相撲、琴光喜は何を思ったのか。あまりにも高い立ち合いだった。低い当たりの豪風に入られてもろ差しを許してしまった。豪風は左下手を深いところでとり、頭をつけた。本来四つ身の相撲ではない豪風だけに、琴光喜も落ち着いて対処すれば体勢挽回も可能だったはずだが、右からさぐった上手をとったところ、豪風がすかさず左から下手投げを打ち、左で琴光喜の足を払う器用さも見せてみごとな白星。これで豪風は勝ち越し。琴光喜はふがいない相撲で、朝青龍戦の白星もまったく帳消しだ。

日馬富士は、立ち合い右に少し動いて上手をとり、引きつけて千代大海を赤房下へ一方的に寄り切った。

結び前、朝青龍琴欧洲に負ければ、白鵬の優勝が決まる、という一番。朝青龍の状態に加え、昨日、白鵬にあれだけいい相撲をとった琴欧洲だけに、ありえない話ではないと思ったが、やはり朝青龍は相撲がとれなかった。
左肩から当たって、左四つにはなったが、上手も下手もとれない。琴欧洲は、今日も左下手をがっちりとり、右上手も先にとって充分。琴欧洲はその右上手からひきつけておいて出し投げでゆさぶると、朝青龍はこらえ、右をまきかえたが、今度も琴欧洲が左上手右下手とも充分。琴欧洲が引きつけて東へ寄ると、朝青龍はあっさり土俵を割った。
白鵬の優勝決定。朝青龍の状態は相当悪い。明日土俵に上がっても、白鵬にはとても対抗できそうにない、今日の相撲内容だった。
それにしても、琴欧洲が、昨日今日、横綱戦で非常にいいところをみせた。やはりしっかりとまわしをとると、長身が生きる。

結び、白鵬魁皇は、白鵬が12連勝中の対戦。まず九分九厘問題はないだろうという一番。
白鵬は、頭を下げて突っ張っておいてから二本入れ、正面に寄り切って問題なし。魁皇も、途中で相手のかいなをたぐりにいこうとしたが、まったく通じなかった。白鵬は、もろ差しになるのが実にすばやかった。
これで、今場所の残る興味は、白鵬の全勝がなるかどうかだけになった。その可能性は、きわめて高いと思う。