naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

定期演奏会本番終了<後編>

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   (画像)演奏会プログラムの表紙。
   (写真)打ち上げで。ヴァイオリンの美女ふたり。



浦安シティオーケストラ第36回定期演奏会(浦安シティオーケストラ設立20周年記念演奏会)

  ベートーヴェン            交響曲第1番ハ長調
  ヴォルフ=フェラーリ        ファゴットと室内アンサンブルのための小組曲ヘ長調
  ムソルグスキー(ラヴェル編曲)  組曲展覧会の絵

  <アンコール>
  ヴォルフ=フェラーリ        歌劇「マドンナの宝石」間奏曲

  指揮 矢澤定明
  ファゴット 霧生吉秀

前回のオール・ドヴォルザーク・プログラムが、1,100人を超えたのに比べると、お客さまの数は少なかったが、「「新世界」効果」もあった前回が特別だったとも言える。
我々のオケとしては、普通か、むしろ新型インフルエンザの中では、よく入った方だと思う。
客席には、マスクをされているお客さまもおられた。

さて、本番・・・


本ベルが鳴って、ステージへ。

座って気がついた。

指揮者の譜面台がない。リハーサルの時はあったのに。

何かの手違い? 言った方がいいのかな。みんな気がついてないのかな。

・・・と、何やらちょっと動揺。

しかし、指揮者登場。ベト1が始まった。

これまでの練習では一度もなかったことだが、矢澤先生、暗譜で振られた。

オケを「解放」する、一環だったんだろうか。

実は、個人的にはこのベト1、思うように弾けなかった。
本番であがる、ということは、このところなくなっていたのだが、ステージに出て座った時に、客席に知った顔が二人見えた。

それで、何だか急に緊張してしまったのだ。この曲ではトップではないので、別にあがる必要はないのに・・・。

指揮者譜面台の件もちょっと影響したかな。

うまく弾けない。音が汚い。これは困った。

後半の楽章では、多少持ち直したが、あっという間に終わってしまった。

2曲目のフェラーリのために、舞台セッティングの変更。
トップを交代する。

この「一服」で、ちょっと落ち着いた。

霧生先生が登場。コンチェルトの始まりだ。

先生のソロ、いつもすばらしいが、本番での演奏は圧巻だったと思う。
そして、やっぱり、この曲、癒やされる。

すばらしいソロに引き込まれるように合わせる内に、ベト1とはうって変わって、精神的にゆったりと弾くことができた。

霧生先生に、そしてフェラーリに、救われた。

それにしても、このフェラーリ、本番の演奏は、オケも本当によかったと思う。
みんながソロに合わせて動けた、という気がする。

休憩をはさんで、「展覧会の絵」。

これはもう、落ち着いて存分に弾けた、と思う。

めまぐるしいいくつかの曲も、少なくとも何とか冷静に弾けた。

ただ、「グノーム」で一つ失敗。
練習番号7の前、オケ全体に取り残されて、最後まで弾けなかった(笑)。
ここ、弦だとヴィオラ以下が一緒に動く。
直前の練習で、先生から、「チェロよりヴィオラが速く動き過ぎているから合わせて」と言われたのが頭にあったのだが、チェロを聴き過ぎて置いていかれてしまった。
こんなことは、練習では一度もなかった。よくあるよね、本番でだけ失敗するって。

一方、一番心配していたのが、「ババヤガ」の練習番号94番。中間のゆっくりしたところが終わって、またアレグロモルトに戻るのだが、小節を数え間違いやすいのだ。
ガイド譜を書き込んで、勘違いしないようにはしているが、ここばかりは、いつも不安。
演奏会全体を通じて、ここを通り過ぎるまでは、安心できない、という場所なのだ。
しかし、ここは無事クリア。よかった。

ここを過ぎれば、もうあとは大丈夫。
最後の「キエフ」は気持ちよく弾けた。
練習番号110から先は、何度弾いてもぞくぞくする。
そして、練習番号115から曲締めまでは、事前に自分で誓っていた通り、興奮し過ぎることなく、余裕を持って弾き通すことができたと思う。

最後の最後、曲が終わるのがさみしかった。どんな本番でもあることだが、「もう、この曲を弾くことはないのだ」と思うと、時間が止まってくれ、という気持ちだった。

「展覧会」なんて、個人的にはたまたま2年続けて弾けたが、そうめったにできる曲ではないし。

アンコールは、「マドンナの宝石」間奏曲。今はあまり人気がないが、私の世代のクラシックファンにとっては、いわゆるポピュラー名曲の筆頭とも言える有名曲だ。

アンコールの選曲の際に、私がエントリーした数曲の中の1曲だ。フェラーリつながりということだが、ド派手に終わる「展覧会」の後には、よかったのではないかと思う。

終演後


終演後、ロビーへ。

いつもの通り、聴きにきて下さった、知人、友人と顔を合わせて、言葉を交わす僅かな時間が、とても嬉しい。

いつも来てくれる高校の同級生を、同じ高校のマンドリンクラブの先輩である、トランペットのT氏と引き合わせるべく、会場をさがしまわるが、見つけられなかった。残念!

そして、打ち上げ。会場の、新浦安駅前のオリエンタルホテル東京ベイに、おさんぽバスで向かう。
バスを下りると、打ち上げ開始までは30分ある。それまでは店に入れない。
一緒に乗っていた団員たちと、「ゼロ次会(笑)をしよう」と、チャペルの脇のラウンジに行ってみると、既にゼロ次会を始めている一団が・・・(爆)。さっそく合流。

幹事さんから携帯に「店に入れますよ~」とメールが入ったので、そうか、よしっ! と移動。

以後はいつもの通り。

飲んで、話して、飲んで、途中からは何話したか全然おぼえていなくて、帰りは乗り越した(爆)、と。

おぼえている限りでは、音楽とは関係ない話題が多かったなあ。

某女性団員。「近く会社やめて結婚するんです」。えーーーーっ!?

某女性団員。周囲の問い詰めに、彼氏の存在を自白。えーーーーっ!?

某女性団員。「妊娠したんで、次の演奏会はお休みです」。えーーーーっ!?

何か、女性団員に関するびっくり話題がいくつもあって、興奮したなあ(笑)。

市民オーケストラ~それぞれのライフステージの中で


設立20周年の、今回の演奏会。やはり、「団の歴史」、「時間の経過」を、どこかで意識しながらの1日だった。

プログラム冊子に、初回の演奏会、今回の演奏会の両方に出演した一人である、ヴァイオリンのNさんが文章を寄せた。

このオケの前身であるアンサンブルに参加した時には中学生だったという彼女の短い文章には、やはり重みを感じた。

私が入団して、14年4ヶ月。

20年間のすべてをこのオケで過ごして、今日のステージで演奏したメンバーはほんの少数ではあるが、期間の長短は別にして、この間在籍した、全員の力があってこそ迎えられた、設立20周年だと思う。
そうした重みも感じる。

学生も社会人もいる市民オーケストラでは、どこでもそうだろうが、それぞれの団員が、それぞれのライフステージの中で、集まって音楽をしている。

色々な人がいる。

中学生だった時から、社会人となった今に至るまで、活動を続けてきた、Nさん。

私が入団した頃、オーボエのSさんの娘さんは、たぶんまだ小学生か幼稚園かで、演奏会のたびに、ずっと指揮者に花束を渡す役をしてきた。

足もともおぼつかない感じで、よちよちと歩いて、彼女には重たい大きな花束を指揮者に渡す姿は、ほほえましかった。
演奏会のたびに、大きくなり、成長するのを、みんなで見守ってきた気がする。

そのSさんのお嬢さんは、今回の演奏会では、場内アナウンスを担当した。
それを聞いて、立派に成長したんだなあ、と思った。

そして、今回の花束嬢は、クラリネットのMさんの娘さんが務めた。
花束嬢も世代交代したわけだ。

また、今回の演奏会でしばらく団をお休みし、初めての出産に備える団員が二人。

かと思えば、昨年、出産のために休団した、ヴィオラの団員のKさんは、6ヶ月になる男の子を抱いて、舞台袖に来てくれた。
うまくいけば、今年12月の市民演奏会では復帰したいとのことだ。

色々だなあ、と今回はしみじみと思った。

考えてみれば、毎回の演奏会、同じメンバーが舞台に乗ることはないのが市民オケだ。

今回を最後に、もうご縁がなくなってしまう人もいるかもしれない。長くご無沙汰だった人と、また一緒に演奏できるかもしれない。

それぞれの人が、それぞれのライフステージの中で、可能な範囲で音楽を楽しむ場として、浦安シティオーケストラは、いつもここに存在している。

公園みたいなものだね。

20年の歴史。

自分は14年ちょっと。

時間の経過。人と人の縁の貴重さ。

できることなら、まだしばらくは、この公園で、みんなと一緒に楽しく過ごしたい。

そんなことを思った1日だった。

※本番往復の音楽
    ヴォルフ=フェラーリ 歌劇「マドンナの宝石」間奏曲
       サヴァリッシュバイエルン国立歌劇場
    ビートルズ サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド
    クイーン ボヘミアン・ラプソディ
    エマーソン・レイク&パーマー 展覧会の絵