2008年3月にスタートした、松本モーツァルト・オーケストラのモーツァルト交響曲全曲演奏プロジェクトは、10年余りの歳月をかけて、昨年秋に交響曲全52曲を完遂、今年5月の特別演奏会でのレクイエムをもって、大団円を迎えた。
しかし、このプロジェクトの中核におられた、コンサートマスターの牛山正博先生が、その直前、今年2月に病没されるという、誠に画竜点睛を欠く事態も発生した。
私は、縁あって2014年からこのプロジェクトに参加する機会を得て、牛山先生と出会った。
以後、年2回行われる演奏会の内、春に、2016年、2017年、2018年、そして先の特別演奏会と、都合5回参加させていただいた。
このオーケストラで、K466のピアノ・コンチェルト、31番、40番、41番のシンフォニー、クラリネット・コンチェルトを弾く機会を得たことは、私のオケ人生の中でも、最大の僥倖だと思っている。
そしてまた、松本を訪れれば、練習で、あるいはその後の酒席で、牛山先生に親しく接していただいた思い出は、数多い。
牛山先生については、このオケとは別に、2016年にスタートした宇奈月オペラでも、毎年ご一緒してきた。こちらでは、牛山先生はヴィオラのトップに座ってこられたので、松本よりも一層近くで色々学ぶ機会となった。
5月の特別演奏会の練習に参加して、コンマス席に牛山先生の姿がないことが、信じられなかった。
今日の松本での会の構想については、特別演奏会の練習の時に話があり、後日、メールで改めて開催案内が届いた。
牛山先生を偲ぶ会としてだけでなく、その牛山先生が、全曲演奏完遂の暁には、みんなでお祝いをしたい、と言われていたことを受けての、祝賀の会としての趣旨も併せて行われるとのことだ。
松本モーツァルト・オーケストラの芸術監督、そして指揮者である、横島勝人先生が牛山先生の思い出を語られ、松本モーツァルト・オーケストラのビデオの上映や、松本室内合奏団を始めとする、ゆかりの仲間達の演奏が行われた後、横島先生の指揮により、全員での演奏もあるそうだ。
きっと、この長いプロジェクトに携わられ、牛山先生とも長く深いおつきあいのあった方々が、あの深志教育会館に入りきらないくらい集まるのだろう。
私も、千葉から思いを馳せたいと思う。
松本モーツァルト・オーケストラの皆さま、実行委員会他関係者の皆さま、本当に、偉業達成おめでとうございます。お祝い申し上げます。
牛山先生、短い間でしたが、お世話になりました。ありがとうございました。改めてご冥福をお祈り致します。