naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

1月場所千秋楽

栃乃洋が13勝で十両優勝。先場所は、幕尻で7勝8敗と惜しい星での陥落だったが、今場所は好調だったようでよかった。優勝を決めた皇司戦も、得意の左からの投げで快勝だった。

十両の相撲は日頃見る時間がないが、海鵬が惜しくも負け越し。7勝4敗からの4連敗。来場所の出直しを期待したい。

幕下優勝は、把瑠都が7人の決定戦を制した。来場所は十両復帰。楽しみな人だ。

期待の澤井は1点の負け越しなので、幕下上位には残れる。影山が勝ち越し。来場所は二人が上位に並ぶ。新十両争いが大変楽しみだ。

土佐ノ海は、潮丸を懸命に押し込んだが、土俵際の突き落としを食った。
来場所の十両落ちは確定的。残念だ。

勝てば敢闘賞の北桜と、7勝7敗、勝ち越しのかかる琴奨菊は、互いに必死の攻防となったが、琴奨菊が勝ち越しを決めた。
北桜は、右四つにはなれたものの、中盤戦までの動きが出ず、三賞を逸した。

稀勢の里豊ノ島は、7勝7敗同士。
稀勢の里は今日も二本差されていいところのない相撲だったが、なりふりかまわずという必死のねばりで逆転。豊ノ島としては内容では圧倒していただけに、惜しい一番だった。
しかし、稀勢の里はここで勝ち越すのと負け越すのとでは大違いだ。来場所に向けて、今度こそ研究を重ねてほしい。

嘉風は、今日は本当に頑張った相撲だったが、とった右上手が伸びたことで攻めきれなかった。
左四つでは普天王に分があるのでやむを得ない。
普天王は、これで来場所また上位に戻るが、楽しみだ。

垣添は、若の里の張り差しにひるむことなく、いいはず押しで勝ち越し。若の里は10勝止まり。物足りなかったが、来場所の相撲を見たい。

高見盛黒海も7勝7敗同士の、どっちも勝たせたい一番。
黒海が突きに徹したのがよかった。高見盛はまわしに手がかかる場面がまったくなく、これでは仕方がない。

雅山が筆頭で勝ち越し。栃東に勝っており、値打ちのある勝ち越しだ。
安馬は、2ケタならず。安馬は、今日の立ち合いは手で行ったが、いつもの厳しさがなかった。
これでは雅山の重さには対抗しづらい。

これも7勝7敗同士の岩木山玉乃島は、右四つから岩木山が勝利。
玉乃島は、後半戦6連勝で五分に持ち込んでいたが、惜しくも勝ち越しを逸した。左四つになれていればよかったのだろうが。

時津海は技能賞に花を添えた。琴光喜は、芸のないばたばたした相撲で全くいいところなし。
終盤1勝5敗と大きく崩れ、8勝どまりは何とも言いようがない。

白鵬琴欧州は、白鵬の一方的な相撲。優勝決定戦の望みを残した。
白鵬は、場所中に強くなった印象がある。立ち合い素早く左の前まわしをとる形を会得したように思う。今日あたりの相撲は本当に強いと思わせる内容だった。
一方の琴欧州は、せっかく中盤戦に自分の相撲を取り戻してきたのに、最後の3連敗は本当にいいところがなかった。
大関で10勝は合格点ではあるが、この最後の3連敗が、長い目で見て、並みの大関で終わるのか、横綱に短期で駆け上がるのかを分ける可能性もあると思う。
ともかく来場所が問題だ。

結びの一番。朝青龍が珍しく立ち渋った。やはり右腕の状態が悪いために自信がないのかと思われたが、やはり立ち上がってからの相撲は、栃東が一方的に勝った。
左四つに組んだ形は栃東のものではないが、それでも手もなく投げられた横綱には目を覆うものがあった。
今日は、栃東をほめるような相撲ではない。今日の朝青龍であれば、誰が行っても勝てたのではないかとさえ思う。
昨日の琴欧州戦に気力を見たので、今日の栃東戦でも、何かやってくれるかと思ったが、そうはいかなかった。
思った相撲がとれないことで一番悔しいのは横綱自身だろう。おそらく、これまでで一番大きい挫折だと思う。
年間90勝をという談話があったが、昨年、1年間で6敗しかしなかった人が、1場所で早くも4敗。

栃東の優勝は内容もよかったし賞賛に値する。別に書いたように、旧3大関の中で、ここ数場所、一番成績が安定しているのは栃東だから、今場所のように調子がよければ、優勝にからめる存在であるのは確かだ。
しかし、早々と来場所は綱とり、と言われていることについては、大いに疑問がある。
もちろん、連続優勝、もしくは優勝同点なら、横審の内規は満たすが、ともかく先場所が休場である。
長年の実績を買って、といっても、大関昇進後、1年間皆勤した年がなく、通算6回のカド番、2回大関から陥落した経緯からすると、ここは慎重に考えるべきだ。
ケガの多い体質からしても、この人は、安定した大関で、時たま好調な時に優勝できるという存在ではあっても、横綱としてやっていけるとは、少なくとも現時点では思えない。
もう2、3場所は見るべきだ。

一方、白鵬大関挑戦は、充分資格ありだ。
9勝、13勝ときているので、3月で12勝して優勝にからめれば、文句なしだろう。

今後の勢力地図ということだと、まず、朝青龍の右腕の負傷がどの程度なのかが問題だ。
3月場所までに調子を戻せるかどうか、懸念される。
それによっては、3月、5月と局面が相当変わることも考えられる。
ポイントは、琴欧州白鵬だ。
琴欧州が、大関としてしっかりしたものをつかめるか。ともかく1回優勝しないと。
そして、白鵬が早く大関に上がって、主役の一角を占めることができるか。白鵬も、今場所手が届きそうだった優勝を早くつかみたい。
両者を比較すると、精神面の強さ、相撲のセンスの面では、白鵬が勝ると思う。
競い合って、朝青龍に伍していってほしい。

庄之助が1場所限りで定年。昔から好きな行司だっただけに残念だ。
伊之助が同じく定年だというのは、今日放送で聞くまで知らなかった。大柄で声も立派だし、いい行司だったが、残念だ。
来場所は立行司が不在となるのだろうか。

三賞を受賞した力士に文句はないが、黒海にも殊勲賞をあげてよかったのではないか。1横綱大関に勝っている。また、安馬にも何かやりたかった。2ケタには届かなかったものの、敢闘賞には充分値するし、技能賞でもおかしくない。

番付予想。

十両から幕下への陥落者が多い。玉飛鳥、上林、琴春日若麒麟、将司の5人か。
幕下上位に好成績者が多くない。甘い昇進もできそうだ。
北勝岩鶴竜把瑠都玉力道寶智山あたりか。
幕内から十両への陥落は、栃栄嘉風土佐ノ海駿傑若兎馬、片山の6人か。
十両からの入幕は、栃乃洋潮丸皇司玉春日武雄山琉鵬あたりか。

三役。
      東    西
横綱  朝青龍
大関  栃東   琴欧州
大関  千代大海 魁皇
関脇  白鵬   琴光喜
小結  雅山   露鵬

優勝争いの面では最近稀に見る面白い場所だったし、相撲内容もよかったと思う。
3月場所、更に面白い場所になることを期待したい。