５月場所初日

北桜は、武雄山の突きをしのいで、左上手をとった。いい相撲。
嘉風と片山も激しいいい相撲だった。

豊ノ島もよかった。北勝力を一気に押した。

土佐ノ海と高見盛は右相四つ。土佐ノ海が左からの引きつけでつぶした。
高見盛は、もう少し自分の体勢を作りたかった。

注目の新入幕同士、把瑠都と豊真将は、立ち合い把瑠都が左脇甘いと見えたが、一瞬後に俊敏にもろ差し。豊真将の方が体勢は低いと思ったが、把瑠都の右からすくうような差し方がよかった。
うまさを感じた相撲。やはりただものではないようだ。

栃乃花は、玉春日の突きにうまく身体を密着させた。

栃乃洋は、岩木山に得意の左が入った。一方的。

出島は左四つで出たが、普天王にすくわれて上手が切れた。出島の場合、こうなってから上手をとりなおして出ることはしない。かまわずそのまま出て、逆転を食った。よくある負け方だ。

旭鷲山は立ち合い左変化で上手。右四つの露鵬に左上手を与えないうまい相撲。終始旭鷲山のペースだった。

豪風はよく突いて出たが、時天空が上背を生かした。

安美錦は、珍しくのどわ攻め。琴光喜を土俵際まで詰めたが、さすがに攻めきれず、琴光喜に充分の体勢を許した。地力勝ち。

注目の新大関白鵬は、このところ確立した低い立ち合いから左上手をねらったが、若の里も警戒していたか、果たせず。
しかし、動揺はなかったようだ。この人のうまさである、距離をとりながらの動きは余裕があった。
左からのおっつけ、たぐりがよかった。
上手をすぐとれていれば理想的だったが、今日の相撲自体に悪いところはない。

魁皇は、朝赤龍に踏み込みなし。前には出たが、いなしにたたらを踏んだ。
先場所と全く同じで、動きがよくない。今場所も苦しい。

大分県出身同士、千代大海と垣添は、これも大関に踏み込みなし。
細かく突いてはたくいつもの相撲だが、いい相撲ではない。

楽しみな琴欧州と稀勢の里は、立ち合い一合、左四つ。大関が組み止めたという感じもあったが、左四つはやはり稀勢の里得意。大関の上手を厳しい攻めで切って、勝利をもぎとった。
琴欧州は、足にやはりまだ支障があるのか。明日以降もそのへんを見たい。

栃東は旭天鵬に自分の相撲をとりきった。
４番前の白鵬の相撲をちょっと思い出させる低い攻め。左おっつけもよく、いい流れだった。

朝青龍と安馬も楽しみな相撲だった。
立ち合い横綱が左上手をがっちり。
安馬の場合、ここから何かやってくれるのではないかという期待は持てる。
しかし、さすがに逆転するまでの粘りはなかった。
最後は力でねじふせた感じ。
力の差ということだ。致し方ない。特に筋力の違いを感じた。