５月場所２日目

北桜は片山に左上手がとれなかったが、押し合いの中で攻め勝った。幕内最年長ながら、まだ地力が増している感じさえある。

高見盛は、豊ノ島に二本入られたが、そのまま右上手からふりまわしての勝ち。こういう力まかせの相撲もある。わからぬ人だ。

豊真将は、玉春日に勝って新入幕初白星。
低く出てまわしをねらったものの、玉春日の突き押しから引き技のかきまわしに果たせず。しかし崩れることなく、一瞬とった左上手を切られながらも、最後は前に押して出ての快勝。
終始低い体勢で相撲を取りきったところ、また、頭を押さえつけられながら落ちなかった足腰のしぶとさに、非凡さが感じられた。明日以降も楽しみだ。

把瑠都が初黒星。
突いて出たが、栃乃花にかいくぐって二本差され、いいところがなかった。
まったく休まずに攻めきった栃乃花の気迫がよかった。おそらく、｢そうはいかんぞ｣という気持ちだったのだろう。
舞の海、北陣親方からは、新入幕で優勝にからむか、という話さえ出ていた把瑠都だが、明日以降どうか。

旭鷲山が時天空を送り投げ。今日もこの人ならではのうまさが光った。
もくろみ通りにとったという感じだ。

露鵬が豪風を一気の押し倒し。右四つだけでなく、こういう相撲もとれると強い。

昨日琴欧州に勝った稀勢の里は琴光喜にいいところなし。
立ち合い、稀勢の左、琴の右は、琴の右の攻めが勝った。稀勢の里は右からののどわ攻めだが、左四つに持ち込みたかったとすれば、どういう流れでとりたかったのか、よくわからない。
左からおっつけで必死に攻めたものの、右差しを許し、のどわをはねあげられての二本差しにまでなられては、どうにもならなかった。

栃東が２日目で早くも土。
立ち合い右からおっつけて出たものの、琴奨菊充分の左四つにわたりあってしまった。
しかも、差した左は下手がとれない。まずい形になった。
これでは、横綱をねらう大関といえども、琴奨菊の攻めをしのぐことはできない。
どうしても、栃東の場合、序盤でこういう、栃東らしくない相撲が出てしまう。

白鵬は朝赤龍に完勝。
今日は、立った瞬間に左上手がとれた。出ながらの右差し手の返し、土俵際の腰の落とし方、文句なし。

魁皇は、今日は懸命の相撲。雅山の突っ張りに防戦する形で、一所懸命突っ張ったが、やはり雅山の重い突きをしのぐだけの力がなかった。
辛うじてカド番を脱出した先場所だったが、今場所も同じく苦しい。

千代大海は昨日と同じ相撲。旭天鵬を突いてのはたき。
千代大海らしい相撲と言えば言えるが、何の魅力も、意味も感じられない。

昨日敗れた琴欧州は、今日は長身を生かした相撲で安馬に快勝。
動きの中で身体を密着させながら、左からすくい、更に右四つ充分の形を作った。
うるさい安馬に余計なことをさせななかった。
いい動きだった。

栃東に続いて、朝青龍も２日目で早くも土。
若の里に、立ち合い右上手をすばやくとったものの、若の里が浅くではあったが二本差したのが最後まで効いた。
やはり、今場所も横綱には最盛期の瞬発力、スピードがない。調子がよければ、右上手をとった時点で、相手に何もさせずにもっと万全の体勢を作れていた筈だが。
左からのおっつけで攻めていったが、若の里の突き落としに落ちた。
土俵下ではしばらく起き上がれなかった。ケガをするような相撲には見えなかったが、落ちた拍子に腕を傷めたか。
先場所は何とか優勝したとはいえ、特に今年に入ってからは、朝青龍の調子が落ちているのは間違いない。